香織と映画鑑賞①
香織さんと菓子などを売っている店に来てみると、結構いろいろな種類があり駄菓子っぽいものからスナック菓子のようなもの、瓶詰のクッキーやドライフルーツなどかなり充実している感じだった。
「……意外とこういうお菓子系の店って、来ることが無かったですし、こっちの世界でこういうお菓子類を食べる機会があんまりなかったので新鮮ですね」
「あ~快人くんって、自分の家を買う前は貴族の……リリアさんの家に滞在してたんだよね。公爵家のおやつにこういう庶民のお菓子が出るわけがないし、仕方ないかもね。勇者役として巡礼すると割と食べるんだけどね。この手のお菓子って庶民がターゲットだから、結構日持ちするものが多いし、間食とかに向いてるからね」
「なるほど、それを考えるとマジックボックスの存在の影響も大きいですかね?」
「ああ、確かにマジックボックスあると賞味期限とか気にする必要ないし、出来立てのお菓子とかも保存しておけるから、庶民的な菓子類からは離れちゃうかもね」
この世界にもいわゆる工場のようなものは存在する。大型の魔法具を用いて商品を量産する感じのもので、菓子類に関しては結構むこうの世界と大差ないぐらいいろいろな物がある印象だった。
そういえばニフティの商品も量産のために設備は作ってるのだが……アレはカナーリスさん製の特殊な代物なのでまた別だ。なにせ稼働にエネルギーを一切使用しないという反則級の品なので、一般の工場とはまた毛色が違う。
というか、裏庭に作っている別空間に関しては、シロさんとの契約上の制限が緩いらしく、その空間の外に出さないという条件で色々常識ではありえない品でも作り出せるらしい。
「……ああそれと、単純にマジックボックスの中に菓子類もいっぱいあるってのも大きいですね。なにせリプルパイだけで800個ぐらいあるので……」
「……なにをどう血迷ったら、リプルパイを800個も買おうと思うのかな? 食べ終えてから新しいの買おうよ……」
「いや、買ったわけじゃなく貰ったんですよ……1000個……これでもだいぶ減らしたんです」
「リプルパイ1000個プレゼントって……多すぎるってツッコミを入れたい……けど、快人くんの場合は迂闊にツッコミ入れると、凄い相手の可能性が高いからなにも言えない」
「香織さんもひとつどうですか? 味は凄く美味しいですよ」
「ありがとう、じゃあ、せっかくだから貰っとくね」
アインさんに貰った大量のリプルパイは、知り合いにあげたりおやつで食べたりと頑張って200個ぐらいは消費したのだが、まだまだ半分も減っていない状態である。
いや、味は滅茶苦茶美味しいし、マジックボックスに入れてあるからいつでも出来立てを食べれるのは素晴らしいのだが……量が多い。まぁ、ゆっくり消費しよう。
「快人くんのマジックボックスって、かなりいろんなもの入ってるよね?」
「貰ったものはとりあえずマジックボックスってことが多いですね。たまに整理はしてますが、便利すぎて入れたまま忘れちゃってるのも結構ありますね」
「あ~分かるなぁ。私も容量大きいマジックボックス貰って、とりあえずマジックボックスにって感じでしまう事が多くなっちゃったし、なに入れたか忘れちゃうこともあるかもね。いや、マジックボックスに触れて思い浮かべれば中になに入ってるかは分かるんだけど、意識して調べないと分からないしね」
マジックボックスには中になにが入っているかのリストを表示……というか、頭に思浮かべさせる機能がある。マジックボックスに触れた状態で、所有者が内容確認と告げると頭にリストのように中に入ってるものが思い浮かぶ感じだ。
「ちなみに、話は変わるって言うか、戻っちゃうけど……快人くんは、なにか好きなお菓子ってある?」
「スナック菓子よりはチョコレート菓子の方が好きかもしれないですね。チョコレートとクッキーの組み合わせになってるお菓子は鉄板ですね」
「あ~美味しいよね。私はスナック菓子も結構好きなんだけど、若い頃の感覚でたくさん食べちゃうと胃もたれしたりってのがあって、少し悩ましいね」
「……いまはオリビアさんの祝福で大丈夫なのでは?」
「あっ、そっかそういう部分にも効果があるのかな? 暴飲暴食する気は無いけど、若い頃のいくらでも食べれるような感じは、いいかも……」
確かに高校生の時とかって、それこそ無限に食べれるんじゃないかって思うようなことはあった……もちろん感覚的なもので、実際に無限に食べれるわけではないし……なんなら、アリスとか実際に無限に食べれる奴がいるけど……。
「そういえば、高位魔族とかは食べた食材は魔力に変換するので、実際にいくらでも食べれるみたいですよ」
「そうなんだ……それって、カロリーもゼロになるってことだよね。い、いいなぁ、太ったりするのを気にせずたくさん食べれるのは羨ましいなぁ……体重とかは、本当に気になるからね」
「俺から見れば、香織さんはスラっと痩せてて凄く綺麗ですけど、気になる気持ちは分かります」
実際俺もシロさんの祝福の影響でたくさん食べても太ったりはしないのだが、ふと深夜とかに間食をすると体重が気になったりすることもある。
特に身長とか体重なんてのは、他人の目から見ても分からない拘りみたいなのは誰しも持ってるわけだし、難しいものである。
「……本当にサラッと、本心からの言葉みたいに綺麗とか……こっちは頑張って意識ないようにしてるのに……君は本当に……」
「うん?」
「なんでもないよ! さっ、お菓子選ぼうか!」
シリアス先輩「さ、サブタイトルが……いちゃつく気か? いちゃつく気なのか!?」




