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専用ブラシの購入㉖



 なんというか、一言で言うのであれば変な流れになったというべきだろう。偶然トーレさんたちと会うのもそうだが、トーレさんの猛烈アピールによってカフェにも席を用意することになった。

 まぁ、席に関してはカナーリスさんに頼めば問題は無いと思うのだが、精神的に疲れているコーネリアさんをリラックスさせようとして、より精神的に疲れさせてしまっているような気も……。


 そんなことを考えていると、不意に俺たち以外の景色が灰色になった。アニメとかで見たことがある時間停止状態っぽい風景だが、いままで何度か時間停止状態を見たことがあるが、こんな感じではなかったはずだ。

 そして直後に俺たちの前にカナーリスさんが姿を現した。


「はい。というわけで、ご要望のゴッドの登場です。初めての方にも分かりやすいように、カラーリングなど変えつつただいま世界の時間は一時停止しております。たはぁ~気遣いの方向性がゴッド仕様で申し訳ない!」

「こんにちは、カナーリスさん。急にすみません」

「いえいえ、快人様の呼びかけとあれば、自分世界のどこに居ても即座に駆けつける次第です。自分はゴッドスレイブ……もといゴッドがスレイブなポジションでして、むしろそれを喜んでる感じですので、呼んでもらえると尻尾振って参上しますよ。たはぁ~特殊性癖で申し訳ない。あっ、それで、お席のご用意でしたね。お任せください。自分ガチゴットですので、席ぐらいいくらでもちょっちょいのちょいというやつでして……もちろんお席のパターンも複数のプランをご用意できますよ」


 相変わらず無表情ながら軽快なトークで、カナーリスさんは指を立てつつプランの説明をしてくれる。


「まず、大テーブルプランは、空間拡張を贅沢利利用した快適プランでして、大人数でも問題なくご利用いただけます。次にテーブル分けプランは、ご人数の指定をいただければ、その通りに振り分けが可能です。あと他にも銀河観測プランとか、アマゾン川横断プランとか、大仏増殖プランとか色々ありますが、その辺は今回関係なさそうなので割愛しますね」


 むしろ最後の三つのプランがめっちゃ気になるんだけど……ま、まぁ、とりあえず全員が同じテーブルというのも可能だし、席を分けることも大丈夫ってことらしい。


「……という事みたいですが、どうします?」

「あ~席分けれるなら、カイトのデートを邪魔しても悪いし、私はベビーカステラ食べたいだけだから、カイトとコーネリアのふたり席と、私たち六人の席って形で分けてもらうのがいいかな。皆もそれでいい?」

「それでいいというか、カフェ云々は予定に無くて、トレ姉ちゃんがさっき唐突に言い出したんだけど……」

「……さすがの図々しさ。まぁ、トーレが決めていいよ」


 トーレさんの提案は正直ありがたい。さすがにコーネリアさんが精神的にいっぱいいっぱいみたいな感じだったし、トーレさん以外の方たちもそれでよさそうなので、席は分けてもらうことにしよう。


「じゃあ、カナーリスさん。俺とコーネリアさんのふたり席と、トーレさんたちの席って感じで分けてください」

「畏まりました。それでは、店内に入ったら店員がお席に案内しますね~。では、間もなく世界の時間が動き出します……では!」


 カナーリスさんが姿を消すとともに、灰色だった景色が元に戻る。そのあとで改めて店内に入ると、カナーリスさんの言葉通りに店員が近付いてきて、俺たちをそれぞれの席に案内してくれた。

 ニフティの席は他の席の人の姿は見えず、声も聞こえない仕様なので別のテーブルに付いてしまえば、ほぼプライベートな空間と言えるので、コーネリアさんも明らかにホッとした表情を浮かべていた。


「コーネリアさん、なんか疲れを癒す目的で誘ったのに、変な流れになってしまって申し訳ない」

「ああいえ、確かに驚きましたが、皆さま人柄の素晴らしい方ばかりで、魔法具商会と伯爵家を除外して個人での挨拶という形にしてくださったので、ありがたかったです。それに、衝撃は凄かったですが、セーディッチ魔法具商会は、当家の商会も関わりの多い商会なので、関係が強くなるのはありがたいですね」


 とりあえずトーレさんたちとの遭遇は、コーネリアさんにとっても悪いものではなさそうなのは良かった。


「そういえば、先ほどの方が噂に聞くニフティの責任者であらせられる……えっと、異世界の創造神様ですよね?」

「カナーリスさんですか? ええ、本人は元神って言ってますが、実質的にシロさんとかと同格と言っていい存在だと思います」

「な、なな、なるほど……」


 一瞬全貴族に大して挨拶……もとい脅しをかけたエデンさんを例に挙げようとしたが、貴族によってはトラウマレベルに恐れてるらしいので、シロさんの方を比較対象にしておくことにした。

 まぁ、カナーリスさんに関しては表情が無であること以外は、本当にいい人なのでまったく問題ないとは思う。


 ……あっ、心の中で呼びかけても大丈夫かな? カナーリスさん、コーネリアさんが精神的にお疲れっぽいので、リラックスできる感じの紅茶とかをお願いします。


(了解しました。では、胃の痛みに大変よく効く紅茶をお持ちしますね)




シリアス先輩「なんか、ゴッドのやつが全胃痛戦士が欲しがりそうなものを持ってこようとしてる」

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― 新着の感想 ―
たはぁ〜ちゃんと読めてないみたいで申し訳ないんですが、そのゴッドがスレイブさんはどの時点でコーネリアたんに見られたでしょうかね……
この気遣いがあれば、某超絶美少女さんの出番の必要性が…w
コーネリアたん、お疲れ様!たいへんだったね〜でも胃痛に効く紅茶まで出てくるから安心だね!……と油断させてもう一発くるとかない…よね?
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