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誕生日パーティの後で⑩

昨日は原付で走行中に、手練れのハチにすれ違いざまに首を刺されて悶絶していたのでお休みしてました。



 快人の誕生日パーティが終わり、せっかくなので軽く雑談でもしようということで香織と茜は一緒に香織の店に移動して、今日のパーティについて話をしていた。


「いや、本当に凄いパーティだったね。こっちと時間の流れがズレてるのもあって、夢でも見てた気分だよ」

「まぁ、ほんま相変わらず快人は凄まじいな。アイツだけ完全にウチらとなんか違う次元生きてるやろ。勇者祭でもあんな面子が集まることないしな……まぁでも、船上パーティ挟んでたおかげで、少しは気が楽やったな」

「いや~相変わらず胃は痛かったけど、今回は事前に覚悟できてたのは大きいよね」


 今回の誕生日パーティは確かにそうそうたる面々が集まっており、一般人枠といえるふたりにとっては右を見ても左を見ても大物だらけという、とんでもないシチュエーションではあった。

 しかし、事前に快人主催の船上パーティがあったので、そう言った面々が集結するというのは初めから分かっていたため、ある程度覚悟を決めて行けたのは大きかった。


 ついでに言えば、今回はリリアの屋敷の使用人やクロムエイナの家族、戦王配下や界王配下で快人と知り合いの者たちも全員集まっていたので、船上パーティに比べれば大物しかいないという状態を多少緩和されていたのもよかった。


「ああそや香織、これ隠し芸大会の賞金な……半分ずつでええやろ?」

「あっ、そういえば私たち3位だったね。茜さんがいきなり参加しようって言った時はびっくりしたけど、いい結果になってよかった。いやでも、あの凄いメンバーの前でやるのは本当に緊張したなぁ……」

「まぁ、顔が売れたからよしとしようや。香織の店かて、新しい客が獲得できるかもしれんで」

「いや、もう十分凄い方々が……いや本当に、快人くんと知り合ってから、うちの店にとんでもないVIPが次々訪れてて恐ろしいよ。というかいつか、シャローヴァナル様とか連れて来そうで本気で怖いよ」


 茜が差し出してきた賞金が入った封筒を受け取りながら、香織はなんとも言えない表情で苦笑を浮かべた。


「でもまぁ、なんだかんだで臨時収入ってのは嬉しいよね。せっかくだし、ちょっといい調理器具とか買っちゃ……おう……か……」

「おん? どないした?」


 今後の事を思えば胃の痛い部分もあるが、それはそれとして臨時収入には心が躍ると、そんな様子で封筒を開いて中を確認した香織だったが、直後にピシリと石化するように硬直して封筒を閉じて目元を揉み始める。

 まるで、いま見たものが疲労からの見間違いで、目の周りを解して見直そうとしているかのように……。


「い、いや、見間違えたかなぁって……額がおかしかったような……」

「え? ちゃんと入れたつもりやったけど、白金貨5枚入ってへんかったか?」

「入ってたよ! 入ってたから動揺してるんだよ!? というか、5枚も入ってるの!? チラッと白金貨っぽいのが見えて即閉じちゃったけど……5枚!? 日本円で、ご、5千万円……」

「ウチの取り分と合わせて1000000R……日本円で1億やな。3位でこの額やから、たぶん2位が3憶で1位が5億ってとこか? いや~気前のええ話やな」

「いやいやいや!? なんでそんな平然としてるの、茜さん! 白金貨5枚だよ!?」


 白金貨10枚、ふたりで分けてひとり5枚という賞金に、明らかに動揺している様子の香織に対して、茜は落ち着いていた。


「いや、いうてあれだけの面子が集結してるパーティの賞金やで? そりゃ、そんぐらいの額は出てくるやろ」

「そ、それは、た、確かに……いやでも、衝撃は凄いよ。だって、隠し芸披露しただけで私が頑張って貯めてた貯金を遥かに上回る額をポンと渡されたら、そりゃ驚くよ」

「あ~まぁ、言われてみれば、一般人がその額手にすることはまぁ、そうそうないわな」

「……茜さんって、忘れがちになるけど普通にお金持ちだよね」

「そりゃウチはそこそこの規模の商会のトップやで、日本で言うならちょっと違うけど、ベンチャー企業の社長みたいなポジションなわけやし、そりゃそこそこ持っとるよ。快人が桁違い過ぎて霞むけどな~」


 事実として、茜の商会はそれなりに大口の取引先も抱える中堅といっていいレベルの商会であり、茜の資金力はかなりのものだ。

 特に茜は転移魔法の達人なので、他の商会に荷物を転移魔法で運ぶ仕事を高額で依頼されたりすることもあり、個人としての資産もそれなりに多い。


「というか、ウチは正直転移者の中じゃ一番金持ってると思ってたからなぁ……」

「私、その辺あまり意識したことないんだけど……快人くんって、やっぱそんなにとんでもないほどお金持ってるの?」

「余裕で大商会クラスはあるやろうし、アイツが能天気にマジックボックスに放り込んで放置してるものも全部真面目に計算したら、資産はマジで国家クラスやないか? ダース単位で世界樹の果実とか入っとるらしいし……」

「化け物だよ……やっぱあの子は、桁違いだよ」

「ホンマにな~」


 改めて快人の凄まじさというか、常識外を認識したふたりは苦笑しつつしばし快人の話で盛り上がっていた。




シリアス先輩「……実際、快人のマジックボックスってとんでもないものが山ほど入ってそう」

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 ふむ、茜さんと香織さんは船上パーティで胃痛を喰らいまくっていたから気持ち的に耐性がついていたのと、今回は大物ばかりではなかったから、気は楽だったんだね。  おっ、隠し芸大会の賞金は……3位で1億円…
手練れのハチ…なんかスナイパーぽい…こわっ! アナフィラキシーとか気を付けてください~
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