誕生日パーティの後で①
誕生日パーティも終わりを迎えたわけだが、若干の余韻というか、まだ少しパーティは続く感じであり知り合いなどに挨拶をしてから帰るような雰囲気になっている。
ちなみに帰宅に関しては、会場の出口付近に専用のゲートが用意されており、そこを通るとそれぞれの家に帰れるようになっているらしい。
そんなわけで俺も、一通りはプレゼントを受け取る際に話しはしたが、何人かと話しておこうと思ってまずはイレクトローネさんの元を訪れていた。
「イレクトローネさん、なんだかんだでいろいろ手伝ってもらってありがとうございました」
『お気になさらず。感情を出力……《むしろ私としては、パーティに参加させていただけただけじゃなくて、いろいろ関わらせてもらえて最高でした!》……役得です』
「そう言って貰えると助かります。ところで、イレクトローネさんに少し尋ねたかったんですが、今回俺にプレゼントを渡してくれたイレクトローネさん以外の4人の世界創造主の方に届け物をしてもらうことって可能でしょうか?」
『可能ですが、届け物ですか?』
今回俺の誕生日に5人の世界創造主がカナーリスさんを通じてプレゼントを贈ってくれて、お礼の言葉は伝えてもらう様にお願いしたのだが、それ以外になにかお返しが出来たらと考えていたのだ。
というのもあのガラポン抽選から考えると最低でも俺にプレゼントを贈ろうとした1700億以上の世界創造主が居るわけで、こっちから動かなければ今回プレゼントを贈ってくれた方にお返しをするどころか再び連絡を取る機会がいつになるのかも分からない。
それでなにかないかと考えて、マジックボックスに入れたままのとある品を思い出した。アルクレシア帝国の建国記念祭に参加した際に、アメルさんに教えてもらいながら有翼族のアクセサリーを制作したのだが……結局思っていたよりほかの商品が多くて、俺たちの店以外にも有翼族は出店するのでそのアクセサリーはそちらに回すことにしたのだが、アメルさんと違って有翼族ではない俺が作った素人作品を並べるのもアレだったので、結局俺が作ったアクセサリーはマジックボックスに入ったままなのだ。
アメルさんがアクセサリーの扱いは俺の好きにしてくれていいと言ってくれたので、いつか誰かにあげようかと思っていたが……そのアクセサリーの数が丁度5個なので、偶然ではあるがピッタリ数が合う。
なのでそれをお礼に渡せたらと考えて、あとでカナーリスさんにお願いしようかと思ってたのだが、もしイレクトローネさんが他の4人とも連絡が取れるのであればイレクトローネさんの分も含めて5個渡して、届けてもらえるようにお願いしたほうが話が早い。
「というわけで、こちらがアクセサリーになるので……素人が作ったもので申し訳ないのですが、よかったら今回のお礼ということで貰っていただけませんか?」
『……感動を出力……《はわわ、そ、そんな、ファンサの嵐が凄まじすぎる!? むしろ私の方がパーティに参加させてもらったりでお礼を渡すべきってぐらいなのに、快人様の手作りアクセサリーまで貰えるなんて……てえてぇ、てえてぇよ……尊みが溢れすぎて、脳内で尊みフェスティバルが始まってますよ! やっぱり快人様が、圧倒的ナンバーワン! 好き好きめろりー!》……快人様の心遣いに心より感謝し、受け取らせていただきます』
「あ、はい」
相変わらずテンションの乱高下が凄まじいというか、限界アイドルオタクみたいになった直後にスンッて無表情に戻るので、もう結構見てるはずなのに戸惑ってしまう。
『他の世界創造主たちへの配達もお任せください。当機の名に懸けて確実に届けさせていただきます』
「ありがとうございます。助かります」
『今回は当機にとっても、本当に素晴らしい日となりました。実はシャローヴァナルよりまたトリニィアに訪れる許可を頂いたので、快人様のご都合がよろしければまた改めて訪ねさせていただければと思います』
「あっ、そうなんですね。ええ、その時は是非遊びに来てください。イレクトローネさんとはまだそこまでしっかり話せてないですが、凄く優しくていい方だってのは分かるので、もっと話が出来ればと思ってたので嬉しいです」
『衝撃を出力……《はうぁっ!? 笑顔が、推しの笑顔が眩しい!? まさに、サンシャイン! こんな尊さMAXの笑顔を向けてもらえるなんて、幸せが凄まじいです! 来てよかった! 本当に来てよかったよぉぉぉ!! この後、嫉妬に狂った理不尽ゴリラにボコられても一片の悔いなし!!》……当機も快人様と再び会える日を心待ちにしております』
いや本当にキャラは結構濃いのだが、マキナさんのように暴走したりするわけでもなく、テンション高くなってもしっかり距離感は保ってる感じで信頼できるし、間違いなくいい人だと思うのでもっとゆっくり話がしたいとは思っていた。
また遊びに来てくれた際には、ネピュラとかカナーリスさんも加えてゆっくり話が出来たらいいなと、そう思った。
……それはそれとして、たびたび話に出てる全知全能級であろうイレクトローネさんをボコれるという理不尽ゴリラとは一体……。
シリアス先輩「また、世界創造主の脳を強火で焼いてる……そしてバーサークゴリラが、そろそろ金色のオーラとか出しそうな気さえする」