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続・宮間快人生誕記念パーティ㊴



 ある程度経つとリリアさんも多少は慣れてきたのか、少しリラックスした感じで会話を楽しめるようになった。露天風呂だけあって景色は凄くいいし、あとなんか唐突にお盆に乗った日本酒とかが登場したのでそれを一緒に飲んでいる。


「しかし、飲みやすいお酒ですね。ニホンシュでしたっけ?」

「ええ、いちおうトリニィアにも似たものはありますし、ノインさんとかは自分で作ったりしてるみたいですが、マイナーなのは間違いないですね。ただ、確かに日本酒は飲みやすいですがアルコールは強めなので、飲みやすさで大量に飲むと後から……う~ん……夢の中で酒を飲んだ場合、アルコールで酔うんですかね?」

「どうでしょうね? こうして味などを感じていても、実際に現実の私たちの体に酒精が入っているわけでは無いと考えると、酔うことは無いような……」

「リリアさんはアルコールにはあまり強くないんですよね? 大丈夫ですか?」


 前にアルクレシア帝国に初めて行ってベルを連れて帰った際に、リリアさんはワインを飲んでおり、その際にあまり酒には強くないというような発言をしていた覚えがある。

 実際にあまりリリアさんが酒を飲んでいるのは見ないし、飲むにしてもワインを少量といった感じなので、もし仮に酔いを引き継いだりしたらこの後のパーティで大変なのではと思って尋ねた。


「とりあえず、いまのところは酔いが回る感じは無いので大丈夫です。あと、私も状態異常の無効化というか解除はできますので、実際に酔っていたとしてもすぐに戻せますよ。まぁ、カイトさんがベルフリードを連れて帰ってきた時などは、現実逃避で意図的に酔おうとしてましたが……」

「あ、あはは、その節はご迷惑を……けどそれはそうと、その状態異常の無効化とか解除って結構話は聞きますが、伯爵級レベルになると皆できるものなんですかね?」

「個人の技量や魔力量によってある程度の差はありますが、難しい技術ではないですね。物凄く大雑把な言い方をしてしまうと、この状態異常への耐性というのは普段体に纏っている魔力に耐性を付与するという形なので、慣れれば意識せずに常時使ったままでいれますし、騎士団でもかなり最初の方に訓練で教える魔法です」

「なるほど、その練度とか魔力自体の強さによって耐性にも差が出るんですね」


 そういえばフォルスさんが、ラグナさんはとてつもなく耐性が強くて大抵の毒は無効化すると言っていた。ラグナさんはたぶんそこまで滅茶苦茶器用なタイプでは無いと思うので、やっぱり魔力の強さとか大きさが重要なのかもしれない。


「酔いを解除するのもそんなに難しい魔法ではありませんよ。意識すれば体内にどの程度酒精があるかが分かると思うのですが、それを魔法を用いて取り除くイメージですね」

「……なるほど」


 意識すると体内にどのぐらいのアルコールがあるか分かる? いや、分からないが……もの凄く当たり前のような感じに話すのだが、これが一般常識の話がどうか……リリアさんが相手だと判断が付きづらい。

 というのも、ルナさんやジークさん曰くリリアさんは人に教えるのが下手というか、割と致命的にズレるタイプらしい。


 リリアさんが説明下手というわけではなく、ちゃんと相手の理解度に合わせて説明したり指導したりしようとするのだが、リリアさん自身が桁外れの天才であり本人的にはごく当たり前と思っている感覚が、他人からすれば全然そんなことはないというのがありがちらしい。


「リリアさんの難しくないは鵜呑みにするなって、ルナさんが言ってたのを覚えてますね」

「え? う、う~ん、確かに騎士団時代からジークやルナにたびたび呆れられることが……」

「なんか、感覚が天才的すぎるって言ってたんですが、結構いろいろあったんですか?」

「失敗を語るようで多少気恥ずかしいですが、そうですね……例えば、魔力による拘束や封印に対抗する術を教えて欲しいと頼まれた際に……私は肌に魔法や結界が触れると、感覚的に術式構成が読み取れるので、それをどうやって解除するのかを指導するのだと思っていたのですが……本来はそもそも魔力による拘束や封印に対しては、どういった術式構成なのかを調べるところから始まって、その術式構成を素早く見破ったり予想できるかが重要らしくて、呆れられたことがありますね」

「あ~なるほど、リリアさんとしては昔から感覚的に分かってることなので、ごく当たり前と思っていた感じですね。でも他の人から見れば、凄い技量や知識があって素早く見破ってるように見えて指導を頼まれたけど、実際は生まれ持った凄いセンスで対応してて他の人には参考にならなかった感じですね」

「ええ、たびたびそういった。本来であれば研鑽や経験によって磨くものを、感覚的にできてしまうということがあって、他者と認識がズレているというのはたびたびありましたね。他人の動きの模倣なども、誰でも一度見れば同じようにできるものだと思っていましたし……」


 リリアさんは飛びぬけて天才であり、白神祭でも何人かがやってるのを見ただけのフリースローで満点を取ってたりした。本人にとっては当たり前にできることが、他人にとってそうじゃないというのはリリアさんも分かってはいるのだろうが、じゃあどれなら他人もできて、どれならできないかというのを完璧に判断するのは難しいだろうし、天才は天才で大変なのだと思う。


「そういえば、アイシスさんのところのウル……ウルペクラもアリス曰くリリアさん並みに天才らしいですよ。実際ウルは一度見れば大抵のことはできますし、もの凄く器用なので……もしかしたら、そういう感覚的な話もリリアさんと合うかもしれませんね」

「そうなのですか? それは、是非一度話してみたいですね」

「また機会があれば紹介しますよ」


 いや本当にふと思いついて口にしたが、実際ウルとリリアさんの相性はよさそうだ。




???「あの~カイトさん、やめてくれません? そのふたりを遭遇させるとケミストリーしちゃうんですよ……具体的には、ウルペクラさんの成長速度がマッハってレベルで加速するので、もう既にほぼ確定で様々な最年少記録塗り替えそうな相手に覚醒フラグを与えないでください。アリスちゃんの胃の平穏のためにも……」

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― 新着の感想 ―
人のこと云々言う割にアリs…???さんも大概胃痛戦士側やしねw
 恋人と温泉で日本酒を飲む……いいシチュエーションだね。やっぱりリリアさんも酔いを覚ませれるんだね。自分ではお酒に弱いって言っているけど、それは意図的に酔おうとした時の強さってことかな?メギドさんだと…
遂にアリスも餌食か…(シミジミ)
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