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続・宮間快人生誕記念パーティ㉚



 当たり前ではあるがプレゼントにもそれぞれ個性が出ていて面白くはある。そして、さすがに平行世界を利用して受け取るというのはテンポがよく効率的で、30時間ほど経過してもう半分以上は受け取っていると思う。

 まぁ、余裕があるからプレゼントを渡してくれた人とのんびり話したりして時間がかかっている部分もあるが悪くないペースである。


 あとなにより肉体的な疲労が平行世界の移動ごとにリセットされるのはありがたい。一回一回での披露は極小でも積み重なると腕とか肩とか痛くなってても不思議ではないし、そういうのが無いのは助かっている。


『三雲茜』


 そして次は茜さんである。香織さんは結構パーティの空気にガチガチに緊張している様子だったが、茜さんは隠し芸大会の時とか見ても結構リラックスしているように見えた。


「よう、快人、おめでとうさん」

「ありがとうございます、茜さん。隠し芸大会も凄かったですね」

「まぁ、ウチは別に立ってただけやけどな。こんだけお偉い方々が集結してるんやし、顔売っといて損はないやろ? 別にウチの商会は富裕層向けとかやないから、立場の高い相手に気に入られたら有利~とかはあんま無いけど、なんがきっかけでええ仕事が回ってくるか分からんし、顔なんざタダで売れるなら売っといた方が得やしな」


 やはり茜さんは強かというか、偶然であれなんであれ機会があるならそれを利用するって感じで、商売人気質というのか商会長というのは本当に天職なのだろう。


「そういや快人、お前平行世界に移動してプレゼント受け取っとるんやろ? なんともSFチックちゅうか、相変わらず常識の外側におるなお前……んで、いまどれぐらいプレゼント受け取ったんや?」

「う~ん、細かく数えてたわけじゃないですが半分以上の参加者からは受け取ったと思いますよ」

「ほぅ、それやったらもう折り返しは過ぎたんか……でも多いやろ、結構時間かかってるんやない?」

「時計も平行世界に移動すると戻っちゃうので正確じゃないですが、たぶん30時間ぐらいでは?」

「……は? え? 嘘やろ、お前30時間もプレゼント受け取ってんのか……いや、さすがに途中で休憩はいれてるやろ?」

「いや、別にいまのところは疲れてないので休憩とかは……」

「……」


 俺の言葉を聞いた茜さんは、なにやら頭痛を抑えるようにこめかみを人差し指で撫で、なんとも言えない表情を浮かべる。


「30時間ぐらいノンストップなんやろ?」

「ええ、とはいっても肉体的な疲労は平行世界への移動でリセットされますし、眠気とか空腹とかになるわけでもないですし、単純に知り合いと雑談してプレゼント受け取ってるだけなので精神的に疲れる要素も無いので、特に問題は無いですね」

「……ウチな、初めにお前とおうた時にな、こう思ったんよ。快人ってなんや運命というか縁の巡りとか、そういうのに依怙贔屓されまくってとんでもない交友関係を構築したのが凄くて、快人自身は別に運がええだけの一般人やって……」

「いや、事実としてその通りだと……」

「ちゃうねん。ある程度付き合い長くなったら分かるけど……お前だいぶごついバケモンやからな……」

「えぇぇぇ……」


 なんかいきなり呆れたような顔で化け物認定されてしまったのだが、大いなる誤解だろう。


「いや、前の船上パーティの時も思うたんよ! お前、参加者全員に挨拶回りしてたくせに、全然疲れたような顔してへんかったやろ?」

「まぁ、知り合いに挨拶するだけですし、途中休憩もありましたから肉体的な疲労はほぼ無かったですからね」

「いや、精神面の話してんねん!? なに、精神的疲労は基本ほぼ無いですみたいな顔してんねん! おかしいからな!! 普通その挨拶回りで精神的に疲れるんやって!? ウチも商会長やからパーティとかも出会ことあるけど、あちこち挨拶に行くだけでもかなり疲労するんよ……お前ホンマに……まぁ、そんぐらいイカレたメンタルしてへんと、そんな交友関係は築けんか……ツッコミどころの塊みたやな奴やな、相変わらず」


 馬鹿にしていたり貶しているわけではないが、決して褒めているわけでもないという感じの雰囲気で告げる茜さんの言葉に、俺はなんとも言えずに苦笑する。

 そういえば、リリアさんもパーティとかはかなり疲れると言ってたような気がするが……いや、俺も知らない人に挨拶とかだと疲れるだろうが、船上パーティの時とかいまは知り合いばっかりなので、知人友人と楽しく雑談してるだけみたいな感じなので、貴族のパーティとかとは違うと思う。


「まぁ、ええわ。お前にツッコミ入れてるとキリが無いしな……んでプレゼントやけど、無難に消費できるもんがええと思って何種類かソース持ってきたわ。ソースなんてなんぼあってもええからな」

「ありがとうございます……かなり本数がありますけど、これ全部別のソースなんですか?」

「そりゃもちろんそうやろ。料理によって合うソースは違うからな……ああ、素人にも分かりやすいようにラベルのところにどんな料理に使ったらええかも書いといたで」


 そんなにたくさんのソースを使い分けたことが無いという言葉をグッと飲み込んだ。たぶんだけど、茜さんにとってソースはかなり拘りの強い品であり、複数本使い分けるのは本当に当たり前という感覚なのだろう。

 こういう話題に迂闊にツッコミを入れると酷い目に合うというのは、クロのベビーカステラやアインさんのメイド関連で強く学んでいるので、苦笑を浮かべつつ再度お礼の言葉を伝えておいた。




シリアス先輩「快人も若干天然入ってるところあるから、茜とかエリーゼみたいにそういうところにツッコミ入れられる存在は貴重だと思う」

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― 新着の感想 ―
前も書いたけど、関西人設定なのに二人称がお前は違和感 関西人なら二人称は自分
ソースって粉もんにかける系のソースか さすが関西人
そう言えば戦闘力云々はともかく、作中最強の精神力の持ち主だったよね主人公w
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