続・宮間快人生誕記念パーティ㉙
誕生日プレゼントの受け取りはかなり進み、もう100人以上から受け取っているが……それでもまだ半分にも届いてはいない。まぁ、別に時間制限があるわけではないので、のんびり進めていけば問題ないだろう。
『カナーリス』
おっと次はカナーリスさんか……EXのプレゼント5つはカナーリスさんから代わりに受け取ったので、印象的には6度目の登場に思えてしまうが、カナーリスさん自身からプレゼントはまだもらってない。
カナーリスさんのことだから変なものではないとは思うんだけど、本当にその気になればなんでも用意できそうな方なので想像がつかない。
「おっと、自分の番ですね。たはぁ~EXの分と合わせて何度も快人様にプレゼントを渡せちゃってるので、大変に約得って感じです。さてさて、改めまして快人様、誕生日おめでとうございます」
「ありがとうございます。カナーリスさんは、EXのプレゼントもそうですけど、かなり中心になっていろいろ準備してくれたみたいで、本当にありがたいです」
「いえいえ、自分こう見えて快人様への忠誠心もガチ勢ですので、まったく苦などはありません。たはぁ~楽しくやらせていただいてますよ。とはいえ、実際発起人はシャローヴァナルですし、自分はアレコレ補佐をしてるぐらいです」
相変わらず表情はピクリとも動かないのだが、それでも明るい声で話すカナーリスさんからは、楽しそうな雰囲気が伝わってきた。
カナーリスさんは全知全能級の神でもあるので感応魔法は通じないのだが、声にかなり感情が現れる方なので結構感情の動きは分かりやすい気がする。
「さてさて、それでは自分のプレゼントですが……せっかくなので、自分もゴッドパワーを発揮しちゃいまして、ちょこっと凄いものを作っちゃいました。たはぁ~自重しないゴッドで申し訳ない! ああでも、ご安心を、シャローヴァナルやマキナさん、クロムエイナさん、アリスさんといった方々には、事前に説明してしっかり許可を得ています」
「マキナさんにも許可を得ているってことは、俺の居た世界に関係するものだったりするんですかね?」
シロさんはトリニィアの神だし、クロやアリスに許可を取ったのは俺に渡すプレゼントとして度が過ぎてないかの確認だろう。その上でマキナさんにも許可を取っているということは、異世界……地球のなにかに関わる品ではないかと考えた。
「ご慧眼、お見事です。ええ、自分が用意させていただいたのはこちらです」
「……え? これ、タブレット端末ですか?」
カナーリスさんが取り出したのは平べったい板のような形状の……いや、取り繕う必要もなくそこそこ大型のタブレット端末だった。
「はい。まぁ、もったいぶっても仕方ないのでサクッとネタバラシしちゃいますが、そちらの端末……映画が見れます」
「え? 映画って、俺の居た世界の映画ですか?」
「その通りです。まぁ普通にサブスクの動画サイトみたいな画面にしてるので、見たい映画を探したりとかジャンルで探したりとかもしやすくしています。たはぁ~有名サブスクの丸パクリで申し訳ない! そして、全部無料とかでは快人様が気にしてしまうかもと思いましたので、前回の誕生日の際にシャローヴァナルがプレゼントしたゲーム機を参考にしまして、こちらの通貨をタブレットにチャージして購入する形になっています。購入したお金は、不思議なゴッドパワーによって然るべきところに支払われます。買い切り制なので、一度購入した作品は何度も視聴可能ですし、お気に入りの再生リスト的なのも作れちゃいます」
「おぉぉ、凄い! それはかなりワクワクするというか、また見たいと思っていた映画も結構あるので嬉しいです」
いやこれは正直かなり嬉しい。トリニィアは、映像魔法具も最近開発されたばかりで、その手の作品とかはほぼ無くそういった分野では元居た世界の方が圧倒的だ。
正直映画とかは見たいと思うことは何度もあったし、映画を見るの事態かなり久しぶりなので見るのが楽しみだ。
「カナーリスさん、本当にありがとうございます」
「あっ、尊……ガチ勢の自分にそんなゲキマブスマイル向けられちゃいますと、胸がキュンキュンして大変です。自分、キュン死いいっすか? いやはや、喜んでもらえて嬉しいです。たはぁ~面白い映画があれば教えてくださいね」
「ええ、せっかくですしまた一緒に見たりしましょうね」
「おっと、そんでもなく魅力的なお誘いですよ。その時は自分、ポップコーンとドリンクをしっかり用意した上で馳せ参じさせていただきますね」
自分で言って気付いたが、誰かと一緒に映画を見るのも楽しそうだ。それこそ恋人と映画館デートの真似事みたいなのもできるわけだし……う~ん、いろいろ夢が広がるというか、本当に使うのが楽しみだ。
シリアス先輩「……あの……デートの幅広げるのは……その……勘弁していただけると……」




