続・宮間快人生誕記念パーティ㉔
明日は出張で執筆できないので、更新はお休みです。次の更新は6/20です。
プレゼントを受け取ると平行世界に移動し、アリスの言葉によってそれが伝達されるので、再びガラポンを回してプレゼントを受け取る。
基本はこの繰り返しであり、疲れたりした時はガラポンを回す前に少し休憩したりもできる。まぁ、プレゼントを受け取っているだけなので疲労感とかはさほどないし、平行世界に移動した時点で肉体的な疲労は全部回復してる感じがするので、精神的な疲労のみだろうからあまり問題はなさそうな気がする。
『ロズミエル』
次はロズミエルさん……そういえば、ロズミエルさんはあんまり姿を見なかった気もする。いや、たまにチラッとは見えていたのだが、あまり余興に参加していたりはしなかったので姿はほぼ見えなかった。
まぁ、ロズミエルさんは極度の人見知りだし、こういった場では仕方ない部分も……いや、でも、リリアさんの屋敷関連の人たちはともかくとして、魔界の知り合いとかはほぼいずれかの六王の陣営だし、ロズミエルさんにとっては面識のある相手が多い気もする。
だとしたら、ロズミエルさんも意外と大丈夫そうな気も……。
「……たっ、たた、誕生日おめでとう、カイトくん」
……ダメそうである。表情はガチガチであり、声も小さく感応魔法で読み取れる雰囲気は怯え切ったチワワのような感じであり、人見知りMAXモードである。
「ありがとうございます。えっと、大丈夫ですか?」
「し、知らない人がいっぱい……怖ぁ……」
「あ、そうなんですね。六王配下とかの人が多いから、結構顔見知りも多いのかと思いましたが……」
「ふ、ふふ、カイトくん……界王陣営でさえ、全員とちゃんと普通に話せるかっていうと首を横に振る私が、他の陣営と交流とか出来るわけが……」
「あ、あぁ、なるほど……」
ロズミエルさんの人見知りは筋金入りであり、界王配下に関しても自分の部下や比較的交流の多い相手に関しては問題なく話せるが、あまり会う機会が無い相手とかだと例によってガチガチになることも多いらしい。
あと、新しく入ってきた人たちに慣れるのにも時間がかかるみたいで、カミリアさんの元に居るランツァさんに関しては、まだマトモに話せないらしい。
まぁ、ランツァさんもかなり元気がよくて押しが強めの方で……ブロッサムさんタイプの型なので、ロズミエルさんが慣れるのに時間がかかるのも納得である。
「あ、えっと、プレゼントを渡さないとね。プレゼント選びって、なかなか難しいね。私が高価なものとかいい物を用意しやすいのは美術品とかだけと、カイトくんの好みを完璧には把握できてないし、せっかくだから薔薇に関連したなにかを贈りたいって気持ちもあって、悩んじゃったね」
「やっぱり、花の精霊だと自分の花に関連した贈り物をすることが多いんですかね?」
思い返してみればいままでロズミエルさんから貰った品は、薔薇のクッキーだったり薔薇のハーバリウムだったりと薔薇に関連するものが多かった。
「う、うん。木の精霊はちょっと違うみたいだけど、私みたいな花の精霊だと『好きな相手』には自分の花に関連したものを贈ることが多いよ。私もせっかくカイトくんの誕生日プレゼントに贈るんだから、なにか特別なものを用意したくて……これを」
「あ、ありがとうございます。結構大きいですね……絵ですか?」
ロズミエルさんは極端な人見知りだからなのか、一度気を許した相手にはかなり距離が近いところがある。いまもサラッと、好きな相手に贈るプレゼントは薔薇にちなんだものにしたい的なことを、意識したわけでもなく自然と言ったりしているのでドキッとしてしまう。
いや、仲のいい友人的な意味合いとは理解していても、ロズミエルさん程の美女から言われるとドキドキしてしまうのは仕方ないと思う。
それはさておき、ロズミエルさんがプレゼントに渡してくれたのは両手で抱えるぐらいの大きな長方形の箱……厚さはそれほどでもなく、たぶん額縁に入った絵なのではないかと思って尋ねると、ロズミエルさんは肯定するように頷く。
「うん……いろんな色の薔薇の花びらで絵を作ってみたんだ。カイトくんの家の雰囲気にも合うと思うから、スペースに余裕があったりしたら、飾ってもらえたら嬉しいなぁって……」
「花びらで絵を、それはまたかなり手間がかかってそうですね。ありがとうございます、せっかくなので俺の部屋に飾らせてもらいますね」
「うん、そうしてもらえると嬉しいよ」
俺の部屋には以前の誕生日パーティでアリスに貰った絵を飾ってあるが、部屋がかなり広いのでまだまだスペースはあるし、なにかしら絵を飾ってもいいなぁとは思っていた。
ロズミエルさんのセンスの良さは分かってるし、間違いなくこの薔薇の絵もお洒落で素敵な感じになっていると確信できる。
サイズが大きいのでここで包装を解いて中身をというと大掛かりになるので、家に帰ってから見るのを楽しみにさせてもらおう。
シリアス先輩「……それだ。ロズミエルがなんか甘い雰囲気になるのは、一度気を許した相手には脇が甘めというか、割と好意をストレートに出してくるからか……」




