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続・宮間快人生誕記念パーティ㉒

予約更新の日付を間違えて16日にしており、気付かなかった……前日は更新はお休みだったということでひとつ……



 休憩が終わって会場に戻ってくると、実況席のアリスがある言葉を発した。


『それでは、次の余興までは少々時間がありますので、それまでは皆さん歓談を楽しんでおいてください』


 この言葉……事前にシロさんに聞いたのだが、休憩が終わった後のアリスのこのセリフを起点に平行世界を利用して誕生日プレゼントの受け取りを行う。

 具体的にはこの後で俺がガラポン抽選機を回して、出た人からプレゼントを受け取り終わると、俺は平行世界に移動して、俺の感覚としては先ほどのアリスのセリフの場面にループするような感じになるらしい。


 そして再びガラポンを回せば、ひとつ前の世界で受け取った相手も抽選済みとして判定の上で抽選されて、またプレゼントを受け取りという繰り返しになるので、いまのアリスのセリフが起点になる感じだ。

 まぁ、この一回目に関しては全く関係ないので、気にせずさっさと抽選をしてしまおう。


『イプシロン』


 引いたのはイプシロンさんであり、少ししてイプシロンさんがやってくる。


「ミヤマカイト様、誕生日おめでとうございます。ささやかではありますが、祝いの品を用意させていただきました」

「ありがとうございます」


 イプシロンさんからプレゼントの包みを受け取る。綺麗に包装されているので中身は分からないが、サイズとか重さを考えると茶碗とか、そういった類の品のような気がした。

 するとそのタイミングでイプシロンさんが、なにやらもうひとつ……唐草模様の包みを差し出してきた。


「こちらは本日、パーティに来ていない者から預かってきた品です」

「え? それはわざわざありがとうございます……でもいったい誰が?」


 このパーティには、基本的に俺の知り合いはすべて招かれている。それこそ、本当に自己紹介をした程度の相手も含めて、俺が顔や名前を知っている相手は全員といった感じだ。

 なので、このパーティに来ていない人ということは俺とは面識がない方のはずだが、わざわざ誕生日プレゼントを用意してくれたんだろうか?


「そちらは私の同居人……そうですね、表現するなら妻のような存在ですね。正式に婚姻を結んでいるわけではありませんが、私にとってはそういう相手です」


 ちょっとびっくりしたというか、まさかイプシロンさんに妻がいたとは思わなかった……女性同士の結婚というのは個人の自由だし、俺としては特に問題ないとは思う。

 ああでも、正式に婚姻を結んでるわけではないってことは……内縁の妻とかそんな感じの相手ということだろうか? 少なくともその相手について話している時のイプシロンさんからは、その相手に対する好意がハッキリと伝わってきた。


「私の同居人はテンドウインミヤビという名前でして……実は過去の勇者役である元異世界人なんです」

「えぇ!? そ、そうなんですか……あれ? 元?」


 まさかここにきて過去の勇者役の移住者とは……でも、おかしいな? 前にアリスに聞いた時には、そのミヤビさんという異世界人については話してなかったが……。


「ええ、ミヤビはかなり昔の勇者役でして本来であれば人間としての寿命を迎えているのですが、私が魔族に転生させたため、現在は魔族として生きています」

「な、なるほど……まさかそんな人がいたとは、驚きました」

「本来であればもっと早くに紹介すべきだったのかもしれませんが、少々事情がありまして……というのも、ミヤビに関しては未熟な私が種族転生を施したことで、勇者召喚前の記憶を失っておりまして、本人に己が元異世界人であるという感覚がほぼ無かったのです」


 イプシロンさんの説明を聞いて、前にアリスが移住者の話の時にミヤビさんを省いた理由が理解できた。なるほど、異世界人としての記憶を失っており、さらには種族も魔族に変わっているとなると、事情が複雑だし、本人に異世界人という感覚が無いのであの時は除外したのだろう。


「ですが、ごく最近地球神様の温情を賜る機会がありまして、ミヤビは異世界の記憶を取り戻したため、ミヤマカイト様を含めた他の異世界人の方々にも関心が向いた様子でして、今回せっかくだからと……品は、ミヤビが作った漬物です。身内贔屓もありますが、私個人の感想としては素晴らしい味だと思っています」

「ありがとうございます。ミヤビさんにも、お礼を伝えておいてください」

「畏まりました。また、機会がありましたら紹介させてください」

「ええ、楽しみにしています」


 穏やかに微笑むイプシロンさんからは、やはりミヤビさんに対するかなり強い愛情を感じた。それこそなんなら、オズマさんに向ける感情よりよっぽど強いような気も……まぁ、それは置いておいて意外な話ではあったが、新しく同郷の人の話を聞けたのは少し嬉しく感じた。

 もしまたいずれ会う機会があったら、その時にしっかりお礼を伝えよう。




シリアス先輩「ミヤビとイプシロンはいちゃつくからなぁ……私としては結構苦手な相手だ」

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― 新着の感想 ―
Ya Ozma won't reciprocate Echidna's feelings to him Agni and Echidna are basically his daughters. S…
更新お疲れ様です!連続で読みました! シロさんと快人さんのデートと休憩は終わり最後は快人さんからのキスでシロさんもこれ以上にない満足の笑顔を見せる! 同時にリリアさんの胃痛のフラグが確定してしまうw …
お、イプシロンさんからだ。 そしてさらりとプレゼント追加。ついでにさらりと紹介もした。 カイトくんと出会う「フラグ」は成立したも当然だなこれは。
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