続・宮間快人生誕記念パーティ⑬
更新した気になって、すっかり忘れてて慌てて執筆しました。ギリギリセーフ。
隠し芸大会とプレゼントの受け取りを交互に行っていると、司会進行のアリスがある伝達を行った。
『さて隠し芸大会も残りエントリーは2組ほどになりましたが、ここで隠し芸大会後の予定を軽く連絡しておきます。隠し芸大会が終わった後、30分間の休憩を一度挟みます。皆さんに個室を用意してあるので、そちらに移動してもらうようになるんですが、歩いて移動する必要はありません。それぞれ時間が来ると自動で転送されて、休憩が終わると休憩前の場所に戻ってくる形です』
『確かに結構時間経ってるし休憩挟むのもいいよね』
『ええ、まだそれなりに時間はかかる予定なので、休憩は計二回ほど予定しています』
休憩についての伝達だった。正直これは結構ありがたい。俺もなんだかんだでここまでで結構疲れはある。いや、座ってアインさんに料理とか持ってきてもらったり、プレゼントを受け取ったり余興を見てたりしてるだけなのだが……なんだかんだで会場内でも結構目立つ位置にいるわけだし、気疲れ的な部分はある。
それでも最初と比べれば慣れてはきたのだが、個室でリラックスして気分転換というのは魅力的だ。
特に俺はこの後、連続プレゼント受け取り状態になるわけだし、このタイミングで休憩が来るのは非常にありがたい。
まぁ、とりあえずいまはガラポンを回してプレゼントを受け取っておこう。
『アレキサンドラ』
次に引き当てたのは、アレキサンドラさん……もといアリアさんである。こういった場では、アリアさんとしてではなくアルクレシア帝国皇城のメイド長として参加しているので仕事モードだろう。
「ミヤマ様、本日はお誕生日おめでとうございます」
「ありがとうございます、アレキサンドラさん」
ビシっと整った服装で、服はメイド服ではなくドレスを着ているが仕事モードのアリアさんにお礼の言葉を返す。
なんというか、やっぱり個人的にはアリアさんの状態で話した時間の方が多いので、そっちのイメージが強く若干ではあるが仕事モードの時は別人のように感じられる。
「僭越ながらプレゼントを用意させていただきました。こちらになります」
「綺麗な缶……紅茶ですかね?」
「ニフティのオーナーであるミヤマ様にお渡しするには、少々心もとない品かもしれませんが、個人的に特に好みの味わいの品です」
「なるほど、それは楽し……うん?」
差し出されたのは見るからに高級そうで上品な感じの紅茶缶であり、きっと高級な茶葉なのだろうと思いつつ缶を見てみると……缶の底になにか文字が見えた。
小さく書かれているその文字をよく見てみると……『注意・紅茶ではありません。中身はココアです』と書かれていた。
……紅茶っぽい缶に入ったココアってこと!? 手書きの文字とかではなく、缶に彫り込まれたような文字なので、たぶんもともとそういう商品なんだろう。
高級な紅茶に見せかけたココア……そういえばアリアさんは、紅茶よりココアの方が好きだと言っていた覚えがある。
そう思いつつアリアさんの方を向くと、アリアさんは「し~」と指を一本立てて口元に添え、直後にアリアさんの声が聞こえてきた。
『他には聞こえない様に音を操作しています。カイト様、改めて誕生日おめでとうございます。私の好きなココアを用意しました。見た目はジョークグッズみたいな商品ですが、味は保証しますので是非飲んでみてください』
音を操作できるという能力を使って、俺にだけ聞こえる声でそう告げた後、アリアさんは軽くウインクをして去っていった。
そのお茶目な姿は、アレキサンドラさんではなくアリアさんらしい感じで、なんというか少し楽しい気持ちになった。
シリアス先輩「30分いちゃつくってこと? やめてくれ、それは私に効く……」




