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宮間快人生誕記念パーティ㊼



 パンドラさんの後も何度かプレゼントを受け取り、合間にライブを見たり軽食を食べたりとしていると、実況席の方に動きがあった。どうやら次の余興に移るようだ。


『さてさて、いい感じに進行してますし、この辺で誕生日パーティも後半戦に移行しますかね』

『私としては、割と自由な雰囲気になってきたし、カイちゃんに誕生日プレゼント渡し終えたら、だらだらしてたいんだけど……まだ順番が来てないから実況続けるしかないかぁ……』

『たぶんプレゼント渡し終えたらサボろうって考えてるうちは、抽選されねぇと思いますよ……』


 最初こそシロさんなどもいたために真面目に実況解説をしていたフェイトさんだったが、比較的皆自由にあちこちでパーティを楽しんでおり、実況解説がそれほど重要ではない状態になったことで面倒くさがりが発揮されだしたみたいだった。

 シロさんもライブとかにはあまり興味がない様子で、なにやらずっとイレクトローネさんとマキナさんと話をしているっぽい……あれなんかイレクトローネさんから別世界の知識を得ようとしているのでは?


『まぁ、そんなわけで……皆さん、パーティ会場が第二形態に移行します。ほぼ揺れないはずですが、もしかしたら少し揺れるかもしれないので注意してくださいね』


 ……パーティ会場が形態変化するという、これまでも……きっとこれから先もほぼ聞くことは無いであろうパワーワード。正直なにが起こるのかさっぱり分からないのだが、戸惑っている様子なのは俺だけっぽいので、他の人には事前に通告されている気がする。


 しかし形態変化といってもどうなるのか? まさか、城が変形してロボットになるわけでもないだろうし……いや、シロさんやマキナさんであればそのぐらい実行できるだろうが、俺の誕生日パーティで会場の城をロボットに変形させる理由がない。


 そう思っていると、壁や天井に光の線みたいなものが走ったかと思うと、壁や天井が消え……満天の星空が見えた。

 なんと表現すればいいのか、パーティ会場自体が空に浮かび上がって居るとでもいうべきだろうか、城内の広間で行われていたパーティがいきなり野外でのパーティに切り替わったとでも表現するべきか……しかし不思議なことに周囲は明るく見渡しやすい。なのに星空とかもよく見える……どういう状態だ?


『はい。第二形態に移行しました。野外パーティ風ですね。完全に室外の雰囲気と空気感だとは思いますが、景色が変わってるだけで普通に室内なので、入り口とか出口もあります。休憩室とかにも変わらず移動してもらえますよ』

『事前に聞いてたけど凄いねぇ。でも、それはそれとしてなんで野外パーティ風にしたの? 星空はすごく綺麗だけど……』

『ああ、それは……自重しない暇を持て余した馬鹿神どもが、カイトさんの星座だとかそんなの作ったので、それが見えるようにって感じですね。ちなみに星空の中で不自然に色が違うのがカイトさん座です』

『……あの虹色のやつかぁ……』


 とんでもないことしてやがる!? やっぱりこの世界は、俺を辱めるために作られたのではなかろうかと錯覚するほどだ。

 いや、シロさんとかマキナさんは大まじめに作ったんだろうけど……ああ、あの虹色に輝く星がそうか、線で繋いだりしたら俺にちなんだ形になるのだろうか? 自分の名を冠した星座が作られるという事態が異次元過ぎて、どうリアクションを取っていいか分からない。


『さて、それではしばし美しい星空を鑑賞しながらパーティを楽しんでください。そのあとで三つ目の余興に移っていきます』

『三つ目の余興って、私詳しく知らないんだけど……誰が考えたんだっけ?』

『ああ、そこは気になるとこですね。今回の余興は最初のゲーム大会はシャローヴァナル様、次のライブはクロさん……言ってみれば、神界、魔界の代表が考えた感じですね』

『なるほど、じゃあ次は人界の代表が考えたものになるのかな?』

『……』

『……シャルたん? なんでそんな遠い目をしてるの? 私さ、いまとんでもないことに気付いたんだけど……余興って全部で何個?』

『四つですね』

『……神界、魔界、人界……あとひとつは?』

『……異世界です』


 おっと、風向きが変わってきたぞ? というか余興にそんな法則があったのか……確かに最初のテレビゲームは、前回シロさんがプレゼントしてくれたゲーム機を使ったものだった。そして二つ目の余興のライブをクロが考えたというのも納得はできる。

 まぁ、本当にそこはいいんだ……問題は異世界って括りに該当するであろう人物は、葵ちゃん、陽菜ちゃん、正義くん、俺の両親に過去の勇者役……そして……。


『次の余興を考えたのは、マキナですね』

『…………それ、大丈夫なやつ?』

『大丈夫なやつにしたんですよ! 私がほぼ付きっ切りで、ぶん殴って、軌道修正して、ぶん殴って、ぶん殴って、ぶん殴って……なんとか問題がない程度に纏めました』

『シャルたん……お疲れ……』


 滅茶苦茶殴ってる。いや、本当にアリスの苦労が伝わってくるというか、だからさっきあんな疲れたような目をしていたのか……でもまぁ、俺や他の参加者にしてみれば問題ない内容に軌道修正されたのは本当にありがたい。




マキナ「本当は愛しい我が子ミュージアムの内容を映画風にまとめて上映するつもりだったのに、アリスに断固却下された……かなり厳選して上映時間87年ぐらいに絞ってまとめたのに……」

シリアス先輩「大量虐殺を未然に防いだアリスは、間違いなく英雄……というか上映時間87年って、見てる間に快人の誕生日が87回来るじゃねぇか!?」


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― 新着の感想 ―
カイトはアリスへのお礼&慰労として2人きりで1日イチャラブできる日を作ってもいいレベル
 シロさんとイレクトローネさんとマキナさんの会話が滅茶苦茶気になるんだけど、イレクトローネさんの創造した世界の(恋愛)文化を今後出してくる可能性があるのかな? 前々からマキナさんと仲良かったなら地球と…
さて、アリスが殴りに殴ってギリギリ問題がない程度にまで落とし込んだ余興は一体どんな頭のおかしい催しなのかw
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