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宮間快人生誕記念パーティ㊷



 とりあえずプレゼントを受け取る時間が無くなる心配は無いようなので、ライブの合間に再びガラポン抽選機を回す。


『アイシス・レムナント』


 おっ、アイシスさんだ。第二回ゲーム大会のエキシビジョンマッチで話してからそこまで間が空いていないので、別に早い遅いではないのだが、なんとなく早い段階で引いたような感覚になった。

 いや、別に順番とかはあまり関係が無いんだけど……シロさんとかは拘りがあっただろうが、他はあんまり影響は無い筈だ。平行世界でプレゼントを受け取って統合するというシステムを実行する以上、ラストのプレゼントという形で注目を集める心配もない。


「……カイト……誕生日……おめでとう」

「ありがとうございます。お祝いしてもらえてうれしいです」

「……カイトが嬉しいなら……私も嬉しい……でも……プレゼント渡す前に……私の方が貰っちゃった印象もある」


 そう言って苦笑しつつ、先ほどカナーリスさんが作ったブレスレットを見せてきた。


「ああ、そのブレスレット……いい感じですか?」

「……うん……本当に凄い……50cm以内に近づかなければ大丈夫だから……50cmぐらいのところに小さな結界を張って……力の弱い人が近づけ無くすれば安心……前はそれでも5mぐらいは必要だったから難しかったけど……50cmなら常時展開してても……周りの迷惑にならないから……安心」

「ああ、確かに5m範囲に近づけさせないように結界を張ると、それなりに広い範囲になっちゃいますもんね。でも、よかったです。さっきのアイシスさんの真似をするようですが、アイシスさんが嬉しそうで俺も嬉しいです」

「……カイト……うん」


 俺の言葉にアイシスさんは心の底から嬉しそうな笑顔を浮かべてくれて、その表情を見ているだけで本当に幸せな気持ちになった。

 するとそのタイミングでアイシスさんが思い出したように、包装された包みを取り出す。


「……あっ……プレゼント渡さないと……はい……喜んでもらえると嬉しい」

「ありがとうございます。開けてみてもいいですか?」

「……うん」


 なんとなく受け取った時の感触や大きさ、包みの形から推測するに本っぽい感じがした。アイシスさんは本好きだし、本のプレゼントというのはしっくりくる。まだ俺に教えていないお勧めの本とかだろうか?

 そう思いつつ袋を開けると、表紙にブルークリスタルフラワーが大きく描かれた本が入っていたが……タイトルのようなものは無く、パラパラと捲ってみると中は白紙だった。


「……あっ、もしかしてこれ日記帳ですか?」

「……うん……カイトはいまも……前ほどの頻度じゃないけど日記を書いてるって言ってたから……その時に使ってもらえたらって……作ってみた」

「え? これ、アイシスさんが作ってくれたんですか?」

「……うん……本を作るの事態はそんなに難しくない……表紙の絵は練習した」


 なんと、プレゼントはアイシスさんの手作りの日記帳だった。本自体もしっかりしているし、表紙も綺麗で普通に市販品だと思っていたので驚きだった。

 というか、アイシスさん絵も上手いのか……確かにお洒落だし芸術的なセンスはありそうなイメージがある。


「凄いですね! ありがとうございます……あっ、そうだ。せっかく貰ったんですし、この日記帳はアイシスさんとの思い出専用の日記帳にするのもいいかもしれませんね。後から見返すと、アイシスさんとの楽しい思い出を思い出したり再確認したりできますし……」

「……それは……凄く素敵……そんな風に使ってもらえると……私も嬉しい」


 思いつきではあったが、人によって日記帳を分けるというのも悪くはない考えだ。あまり多すぎても大変だが、恋人に関してはそれぞれ別の日記帳を用意しておいて、デートとかした日に書いておけば、後々読み返す時に凄くよさそうな気はする。


「ともかく、素敵なプレゼントをありがとうございます。また、近い内に遊びに行きましょう! アイシスさんもそのブレスレットがあるので、街でデートするのもいいと思うんですよ」

「……うん……凄く楽しみ……ふふ……先のことを楽しみに感じられるのは……凄く幸せ……カイトのおかげ・……もっとゆっくり話したいけど……そろそろ次のライブも始まるから……戻るね」

「はい」


 アイシスさんは嬉しそうに笑った後で、ふとなにかを思いついたような表情を浮かべ、そっと俺に抱き着いて俺の耳元で囁くように告げる。


「……カイト……大好き」


 そして体を話す際に、素早く軽く触れる程度に俺の唇にキスをして離れ、はにかむように笑って可愛らしく手を振ってパーティに戻っていった。



???「始まりましたね」

シリアス先輩「始まったな、地獄が……だが、私もここまで数多の修羅場を乗り越えてきた!! 砂糖展開への完璧な新対策ってのを見せてやる!!」

???「乗り越えたこと……ありましたっけ? いや、それで新対策って……」

シリアス先輩「じゃ、寝るから……砂糖展開終わったら起こして……」

???「いや、全然新対策じゃねぇっすけど……過去何度も試みて、一度も成功してないやつじゃないっすか……」

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― 新着の感想 ―
アイシス助かる
 スーパープレゼントシステムの最初はアイシスさん!なんというか、文字だからなのか実際にもなのか分からないけど、平行世界感がないね。  いや、ゴッド製ブレスレットは本当に良かったよね!死の魔力を完全制…
砂糖対策するとシリアスが始まる これが先輩ジレンマ...
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