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宮間快人生誕記念パーティ⑤



 シロさん、マキナさんのプレゼントが終わり、ある意味では不安要素ともいえる超常の存在が最初に集中したため、少し気が楽になったというのはある。


『というか、皆さんプレゼントの方に意識が集中してますが、別に自分の番じゃない人は自由に歓談とかしておいていいですよ。いやまぁ、不安要素の塊ともいえる連中が序盤に集中したので気になるのは仕方ないですが、ここからは緩めに行きましょう』


 アリスのそんな言葉を聞きつつ、俺も少し気を緩めようと思ったタイミングでアインさんが飲み物を差し出してくれたので、それでのどを潤してから三度目のガラポン抽選機を回す。

 さて、次は誰になるのかとそう思っていると……奇妙な表示が現れた。


『EX3』


 ……EX3ってなんだ? 明らかに人の名前じゃないし、仮に名前だったとしても俺の知り合いにそんな人は居ない。

 どういうことだろうと首をかしげていると、すぐにアリスの解説が聞こえてきた。


『おっと、ここで特殊枠を引きましたね。これは少々特殊でして、なんというか……外部からのプレゼントみたいなものです。これに関しては、カナーリスさんに責任者をしてもらってるので、そちらから説明をお願いします』

『はい。それでは少しマイクをお預かりしまして、自分が説明します。物凄くザックリ言いますと、快人様って別世界にもファンが非常に多くて、特に世界創造主とかには大人気でして、ファンクラブとかもあるわけなんですよ。たはぁ~それもこれも、快人様の魅力があってのもの、カッコいいな~尊敬しちゃうなぁ~……こほん。それで、その快人様ファンの世界創造主たちが、せっかくの快人様の誕生日をいうことで是非プレゼントを渡したいと希望してきたわけです』


 なんか、いきなりスケールのデカい話が聞こえてきたんだけど……えっと、カナーリスさんからいろいろな世界の神様とかに注目されている的な話は聞いたが、ファンクラブとかに関しては完全に初耳というか……そんなのあるの!?


『快人様にプレゼントを渡したいって気持ちは分かるんですが、かといって無制限にそれを許すととんでもないことになるので、いろいろと条件を決めた上で抽選で選ばれた5人にプレゼントを贈ることを許可しました。たはぁ~少し前に快人様に回してもらったガラポン抽選が、その5人を選ぶ抽選だったわけです。そして、その5人からのプレゼントはすでに自分が預かっておりまして、EX1~5という形で割り振っているわけです』


 なるほど、だいたいの話は理解できた。けど、ちょっとその話が全部真実だとすると恐ろしいことになるんだが……あの時ガラポンで1700億とか、そんな数字が出てた気がするんだけど……そのファンクラブの規模っていったい……。

 ま、まぁ、とりあえずこのEXっていうのは、別世界の創造主からのプレゼントってことらしい。


『えっと、EX3は……こちらですね。快人様の手元に転送します』

「……水晶玉? インテリアですかね?」


 カナーリスさんの言葉と共に俺の手元に現れたのは、台座に乗った水晶玉のようなものであり、台座と水晶玉はくっついているようだった。

 パッと見た感じは卓上インテリアっぽいんだけど、なんだろうかこれは?


『えっと、ではそちらの送り主からのメッセージをそのままお伝えします《お誕生日おめでとうございます。宮間快人さんの健やかな成長を心から祝福いたします。お会いしたことも無い者からの贈り物で戸惑いもあるでしょうが、貴方を好ましく思う者からのささやかな品ということでお受け取りください。さて、用意させていただいたプレゼントですが、そのインテリアに触れて念じることで指定した周囲に景色を投影し、一時的に指定範囲内の空間を上書きすることで、まるでその場にいるかのように風景などを楽しめる物を用意させていただきました。貴方の世界に存在する言語で表現するならVRやホログラムといったものが近いかもしれません。投影されるのは私の作った世界の中で、景色の良い場所をいくつか厳選させていただきました。自室などでのんびりと異世界旅行の気分を味わっていただけたらと思い作成させていただいたものですので、お楽しみいただけたら幸いです。それでは、これから先も貴方にとってよき日々が続きますように》……といった内容になります。ちなみに、このプレゼントを贈ってきた世界創造主は、自分たちに比べるとまだまだ若い快人様の成長を穏やかに見守ってるファンクラブの一員ですね』


 ……ふむ、つまりこのインテリアがあれば俺が元居た世界ともトリニィアとも違う別世界の風景を楽しむことが出来るというわけか……それは普通に楽しそうというか、かなりいいプレゼントである。

 別世界の創造主とか言われて変に身構えてしまったが、思った以上にいいプレゼントで、いまから使うのが楽しみだ。


「ありがとうございます。使ってみるのが楽しみです。えっと、プレゼントしてくださった方にも、ありがとうとお伝えください」

『お任せください……では、アリスさんにマイクを戻しますね』

『はい。ではそんな感じで……いや、しかしスタートから神、神、神の三連チャンですね。これ、この後にプレゼント渡す人はかなりプレッシャーなのでは?』

『シャローヴァナル様、地球神様、異世界の創造主様……確かにこれに次いで4番目は変に畏縮しちゃうかもね』


 アリスとフェイトさんの会話を聞きつつ、確かに凄い方々が最初に集中したので、この後はかなりプレッシャーだよなぁと思いつつ、ガラポン抽選機を回した。


『リリア・アルベルド』


 ……いや、なんというか、うん……いま、ここからでもリリアさんの目が死んだのがよく分かった。


『……なんで、リリたんってこうなのかな』

『……哀れっすけど、なんかリリアさんなら納得って感じもありますね』


 なんとも言えないフェイトさんとアリスの言葉だが、いや確かに……失礼ではあるし、リリアさん本人は大変だと思うのだが、ここで貧乏くじみたいな順番になる辺りがなんともリリアさんらしいと感じてしまった。




シリアス先輩「いや、まぁ、快人とかだけじゃなくて読者もきっと……次の人はヤバいだろうなぁ的な話になったあたりで、リリアを思い浮かべた気がする」

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― 新着の感想 ―
うん、そうだよね
そういえば... 今回の会場の所有者ってまだ決まってない... あっ(察し)
カイトクンさんの激運。 なんやかんや良い感じにするぞ。 その結果、創造神共の嫉妬で世界が歪むのは回避した。 だがしかし、そのシワ寄せを喰らう人族がいる。 その名は、リリア=アルベルト。この作品屈指の胃…
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