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そして始まる生誕祭⑥

今日は時間が無くて少し短めです。



 パレードカーの上で大観衆から歓声をあげられるという、普通の人生ではまず経験しないであろう羞恥プレイを味わいつつも城の前に到着する。


「じゃ、ここで降りて、大ホールに向かいますよ。さすがにこんな車で中に入りたくないでしょ?」

「なんなら、そもそもこんな車に乗りたくはなかったが……というか、近くで見ると本当に大きな城だよな」

「って言っても、快人さんの誕生日パーティ行うための場所として用意してるだけなので、大ホールだけで事足りるので大半は意味ないですけどね。時間を持て余した人が暇つぶしにコーディネートしてましたね。クロさんもベビーカステラ柄の壁紙に、ベビーカステラ柄の絨毯、ベビーカステラ型の小物で揃えた頭おかしい部屋作ってましたね」

「……なにしてんだクロ」

「クロさん曰く……『いや、さすがに普段使ってる部屋をこんな趣味全開にするわけにもいかないし、せっかくの機会だからね』とのことです」

「普段は自制してるだけマシな気もする」


 家族も大勢住んでいる居城の自室をベビーカステラ尽くしにするのは、流石に気が引けるらしくこの機会に好き勝手したらしい。

 まぁ、あくまで余った部屋を余った時間で改造しただけなので、こちらには実害が無いので問題ない。


「そういえば余談ですけど、マキナが『そういえば、誕生日って本人だけじゃなくて生んだ両親も主役だよね? 明里と和也も愛しい我が子と一緒にお祝いしようか?』って提案してたんですが、両名が断固拒否して是非カイトさんのみが主役のお祝いにしてくださいと辞退したってやり取りもありましたね」

「……俺が逆の立場だったとしても、間違いなく辞退したよ」


 確かに誕生日には生んでくれた両親に感謝するというのもある。だが、母さんと父さんにしてみれば、こんなとんでもない面子が集まってる場面で主役の一員として祝われたりとかは全力で拒否したいだろう。

 特に今回集まってる面々は、俺の知り合いであって母さんや父さんと会ったことが無い人も多いし……当然の判断なので、その辞退を逃げたと責める気にはならない。


「おっと、着きましたね。この扉の向こうがパーティ会場です」

「これはまた凄いサイズの扉というか、いったいどんな会場になってるか不安な気持ちが……」

「いやまぁ、しょせんは誕生日パーティの会場なのでそこまで奇抜なもんじゃないですよ。あ~でも、ちょっと待ってくださいね……クロさ~ん、いまから入場するので、そこに居る大砲みたいなクラッカー構えた馬鹿神どもをぶん殴っといてください……よし、これでOKですね」


 とりあえずシロさんとかマキナさんとかその辺が、馬鹿みたいにデカいクラッカーを出現させていたということだけは分かった。

 そして改めて、アリスが勢いよく扉を開けると、大量のクラッカーの音が聞こえてきた。


「お、おぉ……」

「さすがに合唱とかはうるさいので、お祝いの言葉はそれぞれプレゼントを渡すときにってことで……さて、カイトさん、あちらの玉座のような椅子が見えますね」

「……見えないことにしたいけど見える」

「じゃ、あちらカイトさんの席です」

「……」


 いや、分かるんだ。パーティという形式で、大きなホールで、俺が主役なので……席も他の人から見て分かりやすい場所にという意図は……。

 特に今回は、リリアさんの屋敷の使用人の方々やクロの家族の方々も多く参加しており、前回と比較しても人数がかなり多いので、俺が目立つ位置にというのは分かる。


 でも、あの豪華絢爛な玉座のような席に座るのは、本当に気が引けるというか、遠慮したいというか……いやまぁ、いまさらどうすることもできないので座るしかないのだが……本当に、なんで俺は前回の誕生日パーティの後に「次は普通の規模で大丈夫です」の一言を言ってなかったんだろうか……。




シリアス先輩「いよいよパーティが始まるわけだけど、気になるのは前回のカラオケ大会みたいなものがあるかどうか、あるとすれば前回以上の規模と人数でどんな風にやるのかって感じか……」

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― 新着の感想 ―
普通の概念ごと書き換えできる存在しか居ないわけで、 普通?の誕生日会は一生無いと確信というか、 決定したと思われるんだ。
こーれ、普通の定義を決めずに言っちゃうと神々(もっと言うならシャローヴァナルとマキナ)基準での普通(異常)な規模になるよな絶対、、、
 ベビーカステラ柄の壁紙、絨毯にベビーカステラ型の小物……マキナさんのコーディネートは『呪いの館』で、クロが『呪いの部屋』か。いや、ルナさん辺りが入ったらむしろ喜びで号泣しそうではあるんだけど、狂信者…
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