ささやかなお祝い①
今日はあまり時間が無かったので短めです
ネットゲームをしている際の会話で葵ちゃんの誕生日が近いことを再確認し、せっかくなのでなにかお祝いでもしてあげたいと、そんな風に考えていた。
葵ちゃんとしては17歳を延長するつもりらしいのだが、それはそれとしてせっかくの誕生日なのでなにかしらのお祝いはしてあげたい。
「……って思うんだけど、どうかな?」
「いいですね! サプライズパーティですね! 葵先輩も喜ぶと思いますよ」
というわけで、葵ちゃんの誕生日のお祝いに関して陽菜ちゃんに相談してみることにした。陽菜ちゃんも乗り気な感じであり、コッソリ準備してお祝いしようという形に纏まる。
ちなみに現在葵ちゃんは、ゴーレム関連の魔法の講義が魔法学校であるらしくそれを受講しに行っており不在なため、こうして計画を練るのには最適だ。
「……でも、どのぐらいの規模のお祝いにするんですか? 快人先輩がその気になれば、もの凄く豪華な感じでも行けると思いますけど……」
「う~ん、それもいいとは思うけど……あんまり派手にしすぎても葵ちゃんの方が恐縮するだろうし、葵ちゃん的には今回の誕生日はスルーして17歳を延長するらしいから、そこまでしっかりした誕生日パーティじゃなくてもいいかなぁとは思うね」
「あ~でも、その辺はちょっとややこしいですよね。私は12月23日なので、転移時期を考えると……なんか半年ぐらい先に誕生日が伸びちゃった感じですし、あっちの世界との時間のズレで~って感覚は分る気がします」
陽菜ちゃんの言う通り、その気になればそれなりの誕生日パーティを開催することは可能だろう。俺がアレコレしてもいいし、リリアさんに一声かければいい感じに準備してくれたりする可能性もある。
ただ葵ちゃん的には今回の誕生日はスルーみたいな感じにする予定らしいし、それなら本当に俺と陽菜ちゃんが簡単に祝う感じでいいと思う。
「……とりあえずは、俺と陽菜ちゃんで準備して祝う感じでいいんじゃないかな? 派手な感じじゃなくて、ケーキとプレゼントだけ用意してって感じで……」
「そうですね。快人先輩の部屋とかでささやかなお祝いって感じですればいいかもですね」
「あっ、正義くんはどうしよう?」
「う~ん、正義の居る都市からこっちに来るのって結構時間かかりますし、アレでも貴族で領主ですからいきなり呼ぶとスケジュール調整とか大変なんじゃないですか? いや、快人先輩が呼べば他の予定を優先してでも来るとは思いますけど……」
「う~ん、確かに気を遣わせちゃうかもしれないか……本当に軽く祝うだけのつもりだし、今回は俺と陽菜ちゃんだけでいいか……」
「ですね。正義を呼んだり、リリアさんやルナさんに声かけたり~ってやると、なんだかんだでそこそこの規模になっちゃいそうですし、私と快人先輩でお祝いしましょう!」
今回はささやかな感じで祝うって決めたし、陽菜ちゃんの言う通り、あの人もこの人もと声をかけるとすぐにそれなりの規模になってしまいそうなので、ここは俺と陽菜ちゃんのふたりだけで祝う形にしよう。
「じゃあ、いまからケーキとか買いに行って、今晩やる感じでいいかな?」
「賛成です! 美味しいケーキ買いに行きましょう!!」
「葵ちゃんが帰ってくるのは夕方だっけ?」
「夕方の5時ぐらいって言ってましたよ」
「じゃあ、そこまでたっぷり時間があるわけじゃないしさっそく行こうか」
「了解です!」
俺の言葉に元気よく敬礼をしながら返事をする陽菜ちゃんを微笑ましく思いつつ、簡単に外出の準備をしてケーキなどを買うために陽菜ちゃんと一緒に街に繰り出した。
シリアス先輩「……そして、自分の誕生日のことは完全に忘れてる快人……」