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懐かしきMMO⑨



 強力なアクセサリーを手に入れて大幅強化された俺と葵ちゃんは、せっかくだからと難易度の高いダンジョンにも挑戦してみることにした。

 とはいえこのネットゲームの高難易度ダンジョンには「四次職以上」といった風に入場制限があるものも多く、三次職である俺が入れるダンジョンに限定されるので、ゲーム内トップ難易度クラスというわけではない。


 というか、その手の超高難易度ダンジョンは属性や状態異常の耐性をしっかりとダンジョンに合わせて組んでいかなければならないので、復帰したてでその辺りのサブ装備や耐性装備が整ってない俺にはどのみち行くことはできない。


「……俺が居た時は三次職自体無かったからもちろん知らないんだけど、このダンジョンってかなり難易度が高いんだよね?」

「ええ、四次職実装までは最高難易度でしたし、四次職パーティでも装備が整ってないと簡単に全滅するクラスの難易度です。ちょっとペアで行くには難しすぎるかとも思ったんですが、耐性面でかんがえるとここがいいかなぁって……このダンジョンは特殊な状態異常や耐性を取りにくい毒や聖属性の魔法も使ってこないので、快人さんの装備でも大丈夫ですからね」

「なるほど、まぁ、当たり前だけど三次職で行けるところでも高難易度ダンジョンは専用の装備構築が必要だよね。でも、その辺が緩いのに難易度が高いってことは……純粋に敵がかなり強いのかな?」

「ええ、とにかくモンスターのステータスが高くて半端な装備じゃ前衛でも一撃で大ダメージを受けますね。でも単純に火力が高いモンスターだけのモンスターが多いので、快人さんの職と装備、さっきのアクセサリーを合わせると結構いけると思います」


 余談ではあるが、現在俺の装備は防御重視の物を選択している。それは天神のアクセサリーを入手したからではなく、その前に葵ちゃんのアドバイスで装備を揃えた際にだ。

 火力は後衛四次職の葵ちゃんが圧倒的なわけだし、俺はタンク的な役割についたほうがいいだろうという判断と、転職した三次職が防御寄りのスキルが多かったからだ。


「まぁ、とりあえず挑戦してみてキツそうなら別のダンジョンに行きましょう」

「了解。それじゃあ、頑張ろう」


 そのあとで簡単に立ち回りの打ち合わせをした後で、俺と葵ちゃんは高難易度ダンジョンに挑戦した。









 高難易度ダンジョンに挑戦して30分ほどが経過したのだが、感想としては……思った以上に戦えてるという感じだった。

 確かに葵ちゃんのいう通り敵の攻撃力はかなり高く、防御寄りの装備とスキル構成の俺でも結構なダメージを受けた……だが、正直全然回復が追い付くレベルである。

 というか、天神のアクセサリーが強すぎる。物理魔法問わない30%のダメージ軽減も強力だが、それ以上に5%でダメージを無効化する効果……これが思った以上に発動する。

 何度か大量にモンスターが湧いて危なくなったのだが、この効果が連続して発動してくれたおかげで乗り切れた場面とかもあった。

 ……もしかしてアイテム説明に記載はないが、装備者のHPが減ると発動率が上がる隠し効果とかが存在しているのかもしれない。


 そしてただでさえ四次職で火力の高い葵ちゃんが魔神のアクセサリーを装備したことによって、とてつもない火力を発揮しているため、サクサクと進めていた。



「……物凄く順調に進めてますね。これ、ボスも行けるんじゃないですか?」

「どうだろう? とりあえず、ボスの居る最深部まではいけそうな感じはするね」


 このゲームは、ダンジョンに関しては突入時にパーティ毎にNPCに話してダンジョンを生成して突入する形式なので、他のパーティと遭遇したりボスの取り合いになったりすることは無い。

 ダンジョン以外のフィールドはサーバー共通なので、他のプレイヤーがいたりボスの争奪戦みたいなのがあったりするが、ダンジョンに関してはその心配はないので最深部に辿り着けさえすればボスとは戦える。


 まぁ、ボスを倒すとダンジョンクリアの扱いになって、追加報酬受け取った後でダンジョン外に退出となり、その後24時間は同じダンジョンには入れないので、経験値目的ならボスを倒さず狩り続けるというのもある。

 俺たちの場合はとりあえずお試しという感じなので、最深部まで行けたらボスに挑んでみるつもりだ。


「じゃあ、最深部に付いたらボスに挑戦してみようか」

「そうですね。さすがにこの強いアクセサリーがあってもペアでは勝てないと思いますが……やるだけやってみましょう」










 そして、たどり着いたダンジョンボスとの戦いだったのだが……なんか、勝ててしまった。


「……勝てたね」

「……勝てましたね。というか、快人さん強すぎないですか? 蘇生アイテムも用意してたんですけど、一度も死にませんでしたよね?」

「なんか、本当にいいタイミングでアクセサリーの効果が発動してくれてたね」

「快人さんの幸運はそういう部分にも発揮されるんですね。ボスの強スキルのタイミングでピンポイントで発動してましたし……まぁ、それはさておいて……快人さん……宝箱の色、何色に見えます?」

「……金色」


 ダンジョンボスを討伐すると、ダンジョンクリア報酬という形で宝箱が出現するのだが、もちろん宝箱の中身はランダムであり貴重なアイテムほど出にくいので、トッププレイヤーたちは必死にダンジョンを周回するわけだ。

 だが、極々稀にダンジョンクリア報酬の宝箱の色が金色になっている場合があり、その場合は『そのダンジョンのクリア報酬で最もレアなアイテムが確定』というものである。


 このシステムは昔からあったのだが、別に金色じゃないと最高レアが出ないわけでもないし、そもそも本当に低確率過ぎて俺も初めて見た。

 ……うん、えっと……これやっぱなんか、運に変な補正かかってる気がする。




バグった幸運値「発動率100%じゃチートとかを疑われると思ったので、いい感じにピンチの時だけ発動率100%にしときました! あっ、超低確率で金色の宝箱? いいもの出たほうが嬉しいですよね、それ確定にしときます」

シリアス先輩「……気遣いのできる幸運補正ダナァ……」

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― 新着の感想 ―
祝福って言ってるけど、チートしながらゲームしてる状態と同じだからなぁ。 すぐ飽きそう。
更新お疲れ様です!連続で読みました!番外編では電子の世界で何やら危ないものに変貌している者が暗躍しようとしてたけどよりにもよって発見した相手と発見した神様で詰んでしまってるw 快人さんに手を出そうとし…
カイト君に怪しまれとるやんけw
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