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デート計画実行⑱



 香織さんと茜さんは結構畏縮しているが、メギドさん相手に関してはあまり心配する必要はない。というのも確かにメギドさんは気に入らない相手は容赦なく殺したり、普段の口調も荒々しかったりするのだが……性格的にストレートなので分かりやすいからだ。

 少なくとも今のように友好的に話しかけている以上、メギドさんにとって香織さんと茜さんは気に入らない存在にはカウントされてない。最初に名前を思い出すのに若干時間がかかっていたので、凄く気に入っているとかではないのだろうが、どちらかと言えば好印象よりといった感じだ。


 アリスのように表面上はにこやかに明るく接していても内心では……とかってパターンはないので、裏表がないのはある意味やりやすいともいえる。

 まぁ、もちろんふたりにとっては突如遭遇した六王なわけだし、その辺りは俺が上手く間に入るべきだ。


「……香織さんと茜さんはどうしてこの街に?」

「うん? ああ、う~ん……いや、香織の服を買いにきたんよ。友好都市以外であんまり買い物したことあらへんって言うてたから、服が有名な街に買い物に連れてったろうて思うてな」

「そうそう、前に快人くんの船上パーティで転移魔法具は貰ったけど、行ったことない場所に行くには転移代とか結構かかるし、ハイドラ王国とかになると中々来る機会も無かったからね。茜さんに連れてきてもらったんだよ」


 茜さんは転移魔法が得意であり世界座標を用いた転移もできるらしい。世界座標とか難しいのではと思って前に聞いてみたのだが、茜さん曰く「行きたい場所を考えると世界座標が思い浮かぶから、微調整するだけ」らしく、その辺りも含めて異世界人特有の特異な才能なのかもしれない。


「なるほどな……アカネは転移魔法が得意で、他はまったく……やっぱ異世界人の魔法特性は面白れぇな。高度な転移魔法だけ得意で、他の魔法は苦手ってのはかなり偏ってやがる。んで、カオリの方は人間にしちゃかなり強ぇな。その辺の騎士程度じゃ相手にならねぇぐらいの力はあるな」

「え? 香織さんって、そんなに強いんですか?」

「ど、どうだろ? いちおう、私何年も一人旅してたから、道中で魔物と戦ったりしたことはあったよ。だから、ある程度……かな?」


 メギドさんの評価では香織さんは人間にしてはかなり強いとの評価であり、結構意外な情報だった。確かに水魔法が得意とかって話は聞いたが、その辺の騎士では相手にならないほどのレベルとは想像してなかった。

 するとそのタイミングで、茜さんが香織さんを指さしながら口を開く。


「……香織、水の無い平地で津波起こしたりできんで」

「あ、あはは……あれすっごく疲れるし、平地で津波起こす意味ないけどね」

「俺が思った以上に凄い水魔法を使えるんですね」


 香織さんは苦笑しているが、なにもない平地で津波を発生させられるレベルの水魔法って……本当に思った以上に強いというか、もしかしたら単独での戦闘力は地球出身の中でノインさんを除いて最強なのでは?

 そこまで考えたところで、俺はハッとなってメギドさんの方を見る。


「メギドさん、戦おうとしちゃ駄目ですからね?」

「いや、いくら俺でもいきなりそんなことはしねぇぞ……な、なんだ、その目は? いや、俺が出合い頭に戦いを提案するのはかなり気に入った相手にだけだぞ?」


 俺の時は初対面で戦い申し込んできたくせにという目で見ると、メギドさんは若干慌てた様子でフォローを入れてきた……フォロー? もしかして、褒め言葉のつもりで言ってるのだろうか?

 出会い頭に喧嘩吹っ掛けることが高評価の証とか……蛮族かな? いや、考えるまでもなくほぼ蛮族みたいな人だった。

 そう思っていると、メギドさんはなにやら心外だとでも言いたげな表情を浮かべる。


「だいたいシャルティアのやつが面白おかしく言ってるってだけで、別に俺はいつも戦うことしか考えてないような戦闘狂ってわけでも、やたらめったら首突っ込んで喧嘩するような自制の効かねぇやつってわけでもねぇだろ?」

「……アリスとアイシスさんとマグナウェルさんの喧嘩に、なんの関係もないのにいきなり割って入ってきて被害を拡大」

「うっ、あ、いや、あの時はこう……滅多にない機会だったから……な?」

「六王祭の真っ最中にアリスと喧嘩してクロに叱られる」

「……さ、さぁ、道端で立ち止まってても仕方ねぇし、買い物を再開するか! せっかく会ったんだし、カオリとアカネもこい、俺のオススメの店を教えてやる!」


 自分は戦闘狂でもトラブルメーカーでもないアピールをしてきたので、そんなことは無いと一刀両断にすると……メギドさんは珍しく気まずそうな表情で話題を逸らした。自制するかどうかは別として、多少の自覚はあるようだ。


「……アイツ、ほんまにごっついわ。なんで、戦王様にあんな感じで話せんねん」

「快人くんは相変わらずだね。そしていま、なんかさらっと私たちも戦王様と行動するような話になった気が……うぅ、お腹痛いよ」




シリアス先輩「香織って、結構強いの?」

???「ノインさん除けば、異世界人組の中ではぶっちぎりで強いですよ。水魔法の応用性が高くて、ウォーターカッターみたいなこともできますし、前に打ち付けた鼻にだけ水を纏わせてたように精密なコントロールもお手の物なので、相手の顔を水で包んで窒息なんてのもできます」

シリアス先輩「胃痛戦士ってだいたい戦闘力は高いよな……ああいや、エリスは違うか……」

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― 新着の感想 ―
香織さん、強いんだ……意外すぎる……
更新お疲れ様です!連続で読みました。 快人とメギドさんの服選びをチョイスしてる中此処で香織さん達も服選びで遭遇する! メギドさんの今の容姿を話すことで驚くことになりそして一緒に動く事になってより緊張す…
「水の無い平地でこれほどの水魔法を……」 「やはり、天才か」
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