デート計画実行⑪
ジュティアさんに言われた自然に愛されているという発言だが、確かに俺は自然は好きだし世界樹を育ててたりというのもある。
だが、別にエルフ族だとかその辺りの人たちより自然と密接だとかそういうわけではない。となるとやっぱり、この評価に大きく影響しているのはシロさんの祝福だろうか?
「俺が自然に愛されてるのって、やっぱりシロさんの祝福の影響ですか?」
「ある程度はそれも関係してるかもしれないけど、たぶんそれだけじゃないんだぜぃ。さっきも言った通り、自然に愛されてるってのは本当に感覚的に感じるものだから確実じゃないけど……ボクの感覚としては、カイトはボクが最初にあった時よりもずっとずっと自然に愛されてる感じがするんだぜぃ」
「えっとそれはつまり、白神祭でジュティアさんと初めて会った時からいままでの間に、自然に愛されている感じが強くなるようななにかがあったってことですかね? う~ん、特にこれと言って心当たりはないんですが……」
ジュティアさん自身も感覚的なものだとは言っているので、明確に数値とかで測れるわけではないが、こうしてはっきりと宣言する以上本当に白神祭の時より、いまの方が俺は自然に愛されているのだろう。
しかし、だとすると要因はなんだろうか? シロさんの祝福がその期間で強まったとかでもないし、特に自然に関わるようななにかがあった記憶もない。
「……これはね、これはね、あくまでボクの推測であって、検証したりしたわけじゃないだけど……ボクは自然に愛されてるって感覚は、その相手が精霊や妖精からどれだけ好かれているかによって変わるんじゃないかって思うんだぜぃ」
「というと?」
「さっき言った通り、精霊族や妖精族は全員ひっくるめて大自然の一部っていう感覚があって……なんていえばいいかな、なんていえばいいかな、悩むけど……根っこの深い部分、気付かないような深奥で繋がってるみたいな感じなんじゃないかって思うんだ。だから、多くの精霊に好かれている人に対して、自然に愛されてるって感覚を抱くんじゃないかなぁって思うんだぜぃ」
「なるほど……」
大自然の一部である精霊や妖精に好かれるということが、そのまま自然に愛されるという形に繋がるというのは結構納得できるし、そう考えてみればジュティアさんがさっき行ったことにも説明が付く。
俺は白神祭からいままでの間に、それまでは遭遇したことが少なかった七姫の人たちと知り合ったし、ハーモニックシンフォニーでその関係者の精霊や妖精とも多く接したし、その後のお茶会でも交流はあったし、比較的いい印象は抱いてもらえていると思う。
精霊や妖精との交流や新密度が、自然に愛されているという感覚の大きさに比例するなら、白神祭からいままでの間にその感覚が大きくなったというのにも納得だ。
「だからね、だからね、確かにシャローヴァナル様の祝福は関係あると思うんだ。それによって、カイトは精霊や妖精から好かれやすい雰囲気や魔力は持っていると思う。だけどね、だけどね、それはあくまで切っ掛けに過ぎないんだぜぃ。カイト自身の優しさや人柄が、自然と精霊や妖精を惹きつけて、たくさんの精霊や妖精に好かれているからこそ、とびっきり自然に愛されてるって感じがすると思うんだ」
「あはは、なんか、そう言ってもらえると嬉しいですね。なんだかんだで精霊や妖精の知り合いも多くなりましたが、皆いい人ばっかりなので、これからもできれば仲良くしたいですしね」
「うんうん、そうだね。仲のいいのは嬉しいね! まぁ、ともかく、自信を持っていいんだぜぃ。シャローヴァナル様の祝福の恩恵だけじゃなく、カイトはカイト自身の魅力で精霊や妖精に好かれてるのは間違いないって断言できるんだぜぃ。なにせ、ボクもカイトと接していくうちに、すっかりカイトが大好きになったひとりだからね!」
「あ、ありがとうございます」
い、いや、別に他意は無く純粋に友人としての好意だと分かっているのだが、そんな眩しいほどの笑顔で大好きと言われると、やはり照れてしまうところがある。
まぁでも、やはりなんだかんだで好かれているというのは嬉しく、先程までより心が温かいような……そんな感覚があった。
シリアス先輩「いや、たぶん他意ある! 本人が爽やかかつストレートに好意を伝えるタイプだから分かり辛いだけで、絶対ジュティアは恋愛的な意味でも快人の事好きだと思うし、なんなら本人も自覚してそう……しかもアレだよな? ジュティアの推測が全部正しいとしたら、精霊と親密になればなるほど、他の精霊からも好意を寄せられやすいっていう……ひとりを攻略すれば、他の精霊にも好感度ブーストが付くような形式ってことじゃないか……(戦慄)」