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2020/2396

公園デート⑭

急な勤務の変更で、明日が泊り仕事になりまして、執筆時間が全く取れないので明日は更新をお休みします。



 軽く通りの店を眺めつつも、特に俺もイルネスさんも興味を惹かれる店は無かったので、雑談をしながら歩いて公園の近くまで来た。


「イルネスさん、せっかくですしそこの公園に寄っていきませんか?」

「おやぁ? なにかあるのでしょうかぁ?」

「……まぁ、別に公園でないと駄目というわけではないですが、若干の気恥ずかしさとかそういうのがあって……できれば公園とかでふたりきりになれると、ありがたいなぁと……」

「よく分かりませんがぁ、とりあえず参りましょうかぁ」


 今まで何度もいわれたことではあるのだが、俺は顔に出やすい。なので誤魔化そうとしてもイルネスさんにはたぶんすぐバレると思うので、ここは素直に用事があることは認めてしまう。肝心な内容だけ隠しておけばいいので、問題はないだろう。

 ……夜の公園に、内容は言えないけど気恥ずかしい要件があるので行こうという誘いは、改めて考えてみるとおかしくないだろうか? なんか不埒なことをしようと目論んでいるようにも聞こえる気がするが、流石に付き合いが長いのでそんな誤解をされることは無く、イルネスさんは要件が分からず首を傾げてはいたが、すぐに公園に行くことは納得してくれた。


 ……なんなら変な目的だったとしても普通に頷いてくれそうな気もするが、その辺りは考えない様にしよう。考えると変に意識しちゃいそうだし……本来の要件を強く頭に思い浮かべろ……よし、大丈夫だ。


「静かな~夜の公園でぇ、ふたりっきりですかぁ……せっかくですしぃ、口付けでもしますかぁ?」

「ぶっ!? ち、違いますよ、決して疚しい目的で誘ったわけでは……」

「くひひ、大丈夫ですよぉ。そんな風に思ってはいませんからぁ」

「そ、それならよかったです」

「別に~疚しい目的だったとしてもぉ、カイト様望むならぁ……ああいえ~そういった話はぁ、まだ少し早急ですかねぇ」


 せっかく思考を逸らしたのに、イルネスさんの方が意識させるようなことを言ってくるだと……お、落ち着け、これはアレだ、余裕ある大人の女性が少しからかってる感じの……いや、嘘は言ってないというか、たぶん本当に俺が望んだとしたら……待て、だから落ち着け俺……今回はそういう話じゃないだろ!


「じ、実はイルネスさんにプレゼントを用意してまして、それを渡すのが人前だと気恥ずかしくて……」

「プレゼントですかぁ?」


 これ以上変な方向に話が進まないように本題に入ってしまうことにした。もうすでに公園には入ってるし、周囲に人の姿も無いのでふたりっきりという状況なのは間違いない。

 イルネスさんは俺の言葉が予想外だったのか、キョトンとした表情を浮かべていた。


「えっと、初デートの記念と言いますかなんと言いますか……もしかしたらリリアさんとかジークさんとかに聞いてるかもしれないんですが、アルクレシア帝国の建国記念祭の時にアクセサリーを作って恋人にプレゼントしたんですよ」

「存じていますぅ。お嬢様がぁ、とても喜んでいて~アレコレ合う服を見繕っていましたのでぇ」


 渡したときは穏やかに微笑んでお礼を言ってくれたリリアさんだったが、俺が思った以上に喜んでくれていたみたいで、イルネスさんの話だとプレゼントしたアクセサリーに合う服をいろいろ考えたりしていたみたいだ。

 思わぬところからリリアさんの可愛い行動を知って気持ちが和んだおかげで、少し余裕を取り戻した俺は、マジックボックスから昨日作ったアクセサリーを取り出した。


「……ええ、それで同じようにイルネスさんにもアクセサリーを作って来たんです。えっと、シンプルなネックレスですし、素人仕事ではありますけど……」

「私にぃ……ですかぁ? あ、ありがとうございますぅ……」


 メイドとして仕事をする関係上ブレスレットとかは邪魔になるかと思ってネックレスにしてみた。さすがに恋人全員分作った経験もあって結構慣れたのか、なかなか上手くできたと思う。

 イルネスさんは珍しく少し動揺した様子で、俺が差し出したネックレスを受け取り……本当に大切そうに両手で包み込むように持って胸元に抱えながら口を開く。


「……困りましたねぇ。まかさ~こんな素敵な贈り物をいただけるとは思ってい無くてぇ、気持ちが追い付かなくてどうすればいいかぁ……嬉しすぎてぇ、上手くことがにすることが出来なくてぇ、困ってしまいますねぇ」


 少し目を潤ませながら感極まったように呟くイルネスさんは、月明かりに照らされて驚くほどに美しくて、なんというか渡した俺の方も見惚れて固まってしまって、互いに少しぎこちない感じになってしまった。

 まぁ、本当に喜んでもらえたみたいなのでよかった。




シリアス先輩「……あれ? な、なんでここで切る……ここは、アレじゃないのか? キスをしてデート締めくくりって感じで……あの……こ、この感じだと、次の話が怖いんだけど……」

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です!連続で読みました! 快人さんがアクセサリーを作成してイルネスさんに渡すことに成功する! イルネスさんがプレゼントを渡されるまでからかう様子がまた可愛いかった! デート回凄く…
[一言]  勤務変更で泊まり仕事ですか。大変だと思いますが、お仕事頑張ってください!(๑•̀ㅂ•́)و✧  あー、確かに夜の公園で少し気恥しい事があってふたりきりになりたいは疚しい内容だと勘違いされ…
[良い点] 幸せそうなのが伝わってきてとても良い [一言] お仕事応援してます
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