ネオ・ベビーカステラブレンド㉝
どうにも体調がすぐれないので短めです。
フレアさんの部屋は結構いろいろなものが置いてあるが、ゴチャゴチャ散らかっている感じはなく綺麗に整えられている感じだった。
印象としては出来るキャリアウーマンの部屋というか、必要なものが必要な場所に的確に纏められている感じがする。
「我のことだから鍛錬器具ばかりの部屋かと思っただろうか? 気が多いと笑ってもらっても構わないが、興味を持つといろいろ手を出してしまう性分で、なかなか物の多い部屋になってしまっている」
「いや、むしろイメージ通りというか、確かにフレアさんは鍛錬をよくしているイメージですけど、戦闘力とかに限った感じじゃなくて、いろいろ自分自身を高めるものは積極的に取り込んでいる印象だったので、むしろ納得です」
「ふふ、そうか、戦友は我のことをよく理解していると見える。少々むず痒くも心地よい気持ちだ……だが、これ以上立ったままというわけにもいかないだろう。戦友よ、そちらの椅子を使ってくれ……せっかくなので試供品のコーヒーを淹れようかとも思ったが、ここに至るまでに複数個所に宣伝に赴いているなら、他のものを用意した方がいいか? 戦友よ、果汁の入った飲み物などは平気か?」
「あ、はい。大丈夫です」
「では、そちらを用意しよう」
フレアさんはかなり気配り上手な方であり、俺がいろいろな場所でコーヒーを飲んでいることを察してか、違う飲み物を用意してくれるみたいだった。
コーヒーに飽きていたりというほどではないが、確かにコーヒー以外のものを飲みたいという気持ちもあるし、ありがたい。
少ししてフレアさんはガラスのコップに入ったオレンジジュースっぽい飲み物を出してくれた。一口飲んでみると、オレンジではなくいろいろな果物を混ぜているフルーツジュースのような味わいで、爽やかな味がとてもいい。
「美味しいです。爽やかで後味もいいですし、運動した後とかに飲んでもよさそうですね」
「戦友が気に入ってくれたのならよかった。この飲み物は、我が出資した者が作った品で、我自身もかなり気に入っている。メモを渡しておこう……ハイドラ王国の都市に店を構えているので、機会があれば立ち寄ってやってくれ」
「ありがとうございます」
たぶんだけど、以前に店の品を盗もうとしていた人を助けたのと同じような感じで、フレアさんが向上心を認めた相手に出資した成果なのだと思う。
実際にかなりおいしいジュースだったし、機会があれば買いに行ってみよう。
シリアス先輩「そういえば脳筋に見えていろいろ出資してたり、あれこれ挑戦してたり手広くやってるんだったっけ……」