ネオ・ベビーカステラブレンド㉑
ちょっと忙しくて執筆時間が取れなかったので短めです。
シアさんに試供品を渡し終えたので、次は追加の人たち……アメルさんやフレアさんに持っていく予定であり、最初はアメルさんの元を訪れようと考えた。
前にアルクレシア帝国の建国記念祭で一緒に出店した際に、家に遊びに行くという約束もしていたので、今回はそれをメインにしつつ、ついでに試供品を渡す形にしようと考えた。
そんなわけで、アメルさんにハミングバードで「家に遊びに行こうと考えているのですが、都合のいい日はありますか?」という感じの伺いを送った。
すると、即座に返信が帰ってきた。早い、滅茶苦茶に早い。
『盟友の願い、確かに聞き届けた! ボクと盟友の絆の前には庵の扉は常に開かれている! 君が望むなら、ボクは即座に空を駆ける流星となって、君を約束の地へと誘おう! 煌めく時の選択権は盟友にある。望むままに福音の鳥へとしたためて送り返すといい』
アメルさんのテンションがMAXであるというのは、ハミングバードの文章からも伝わってきた。なお通常の言葉に翻訳するのであれば……。
『盟友の要件は理解したよ。ボクは盟友がいつ家に遊びに来てくれても大歓迎だよ。有翼族の里は首都とかから遠いから、盟友が望むなら迎えに行くこともできるよ。盟友の都合のいい日時をハミングバードで連絡してね』
という感じで、日程に関してはこちらに一任してくれるらしい。それなら明日とかでも大丈夫かと確認してみると、これもまた即座にハミングバードが帰ってきた。どうやら問題なさそうなので、明日アメルさんの家に遊びに行くことに決定した。
一夜明けて翌日、俺は有翼族の里に立ち寄ったことは無い。以前に一度空から見ているが、実際に里に下りたりしたわけではないので転移魔法具に場所を登録したりもしていないため、アメルさんに迎えに来てもらう形になる。
だが、俺の家で待ち合わせをしたのでは以前のようにアルクレシアからシンフォニアまでぶっ飛んでくる可能性があるため、アルクレシア帝国の首都で待ち合わせをすることにした。
「盟友! 今日は素晴らしき日だね! 晴れ渡る青空も、ボクたちを祝福してくれているようだよ!」
「こんにちは、アメルさん。昨日の今日で急にすみません」
「ううん! 盟友ならいつでも大歓迎だよ。ボク、家に友達を呼ぶのが夢だったか――んんっ!? ボクたちの絆の前に時など些細な問題さ。囁く鳥にも記したように、ボクの住処の扉は盟友にはいつでも開かれている」
アメルさんはすごく嬉しそうというか、やっぱり背後に尻尾を全力で振る子犬の姿が見える気がする。
「では、早速行こうか盟友!」
「あ、はい。えっと、ちなみに移動手段は……」
「さぁっ、共に天翔ける流星となろう!」
「あっ、やっぱそういう……」
分かってはいた。多分転移魔法で移動とかじゃないんだろうなぁとは……そしてその予想通り、アメルさんは俺の後方に素早く回り込んでがっちりと俺の体をホールド……抱きかかえて翼を広げる。
シンフォニアからよりは短い時間で付くだろうが、この移動方法は密着度が高くてドキドキと落ち着かないのが困りものだ……あっ、移動するとき景色がちゃんと見えるようにシロさんに貰った眼鏡かけておこう。
???「マキナの話は『シリアス先輩に聞かせた後で』私がカットしました。あとがきに影響はありません」
シリアス先輩「私がなにひとつ救われてないんだけど!? ……砂糖で大ダメージを受けて、精神攻撃で追い打ちされて……くっ、これがシリアスの化身に襲い掛かる試練というわけか……」
???「シリアスの化身関係なくないっすか?」