ネオ・ベビーカステラブレンド⑱
帰宅が遅くなったので短めです。
ライフさんやエルンさんと軽く雑談した後は、当初の予定通りフェイトさんの神殿にやってきた。もう今日は予定はないので、のんびり過ごせるとは思う。
ただ、フェイトさんの予定は確認してないんだが忙しかったり……は……しないな。
「あれ? カイちゃん、どしたの? 私に会いに来てくれたの?」
神殿の入り口に到着すると、俺の気配を察したのかフェイトさんが入り口まで出てきてくれた。クッションに乗ってゆるい笑顔を浮かべているのは相変わらずだが、どこかウキウキしている感じなので、俺の来訪を喜んでくれているみたいだ。
「ええ、神界に用事があってきたので、ついでにクロノアさんやライフさん、フェイトさんに挨拶をと思って、クロノアさんとライフさんのところにはもう挨拶に行って、今日はもう予定もないのでフェイトさんの都合さえよければ一緒にのんびりしようかなぁって、遊びに来ました」
「お、おぉ……いいね! 大歓迎だよ! ささっ、中に入って~」
「じゃ、失礼します」
俺の言葉を聞いたフェイトさんはパァッと明るい笑顔になって、嬉しそうに俺を神殿に招き入れてくれた。そしてフェイトさんに続いて神殿の中を移動していると、フェイトさんが不意に停止した。
「フェイトさん?」
「あ~ごめん、カイちゃん、ちょっと1~2分だけ待ってね」
「え? ええ、分かりました」
何やら俺に一言断りを入れた後、フェイトさんは宙に浮かぶクッションから降りて近くの部屋に入っていった。なお、扉は閉めなかったので声が聞こえてきた。
「……運命神様?」
「いまの時点である仕事頂戴……うん……はい、終わった。じゃ、時空神とかにも届けといて、そして一緒に今日はもう仕事したから、私はこれからカイちゃんと過ごすから追加の仕事とかそういうのは絶対受け付けないから、というか邪魔したらマジで怒るからね」
「か、畏まりました。どうぞ、ごゆっくり」
「じゃ、よろしく~」
そんな話が聞こえると、フェイトさんは部屋から出てきて扉を閉め真剣だった表情を緩めた後で、俺に飛びついてきた。
「カイちゃ~ん!」
「うぉっ、とと……」
慌てて受け止めるがほとんど重さは感じないので、どうやら受け止めやすいように浮遊してくれてるみたいだった。
そしてフェイトさんはぎゅっと俺に抱き着いて、俺の胸に頬ずりしつつ甘えた声で告げる。
「私、仕事ちゃんとやったよ~褒めて、褒めて~」
「あはは……凄いですね。本当にあっという間に終わらせちゃって、フェイトさんは凄いですし、仕事をちゃんとできて偉いですね」
「えへへ~」
とりあえず要望に応えて褒めつつフェイトさんの頭を撫でると、フェイトさんは嬉しそうに緩い笑顔を浮かべる。なんというか、猫が甘えてきているような雰囲気でなんとも可愛らしい。
とりあえずそのまましばし、フェイトさんが満足するまで軽く抱きしめつつ頭を撫でていた。
シリアス先輩「……なるほど、快人とのふたりきりの時間を邪魔されたくなくて仕事を片付けたのか……しょ、初っ端から飛ばしてくるじゃねぇか……」