表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1961/2396

ネオ・ベビーカステラブレンド⑬



 シアさんの家の中は、最近家具を買い揃えたとシアさんが言っていた通り、結構統一感のある家具でお洒落にまとまっていた。

 アンティーク系というか、シアさんはそういうデザインが好きみたいで、勝手なイメージだが森に住む魔法使いの家とか、そんな感じの雰囲気である。


「コーヒーでいいか?」

「あ、はい。ありがとうございます」

「茶請けは……カイトは、辛い物が苦手だったか?」

「そうですね。ものすごく苦手です!」

「そうか、じゃあ少し甘すぎるぐらいのを……」


 ここはとても大事なところである。実際はそんなに辛い物は苦手というわけではないのだが、ここで迂闊なことを言うと地獄を見る羽目になる。

 シアさんはメギドさんに並ぶぐらいに辛い物が大好きであり、以前ハイドラ王国でも地獄のような辛さのお菓子を贈ってきた。しかも、その菓子はシアさんにしてみればそこまで辛いという認識ではない。


 シアさんにとっての美味しい辛さは、人が死ぬレベル。シアさんにとっての少し辛いは地獄のような辛さ、シアさんにとっての普通は激辛、シアさんにとっての甘いはちょい辛……そのぐらいの差はあるので、ここはしっかりと辛い物が苦手だとアピールしておくべきだ。

 そうすれば、シアさんにとっては甘すぎる。俺にとっては普通の味わいの茶請けが出てくるので、安心して食べられるというわけだ。


「……貰いものだが、クッキーがあったな」


 少しするとコーヒーと一緒にクッキーを出してくれて、一口食べてみればほんのりと甘い美味しいクッキーだった。


「美味しいですが、シアさんが甘めのクッキーを持ってるのはちょっと意外でしたね」

「ああ、前に豊穣神から貰ったんだ。仕事の関係で手助けをした礼ということで貰ったが、私は甘いものが苦手でどうしようかと思ってたから、この機会に消費できてよかった」

「なるほど……ちなみに、コーヒーはよく飲むんですか?」

「ああ、酒も飲むがコーヒーを飲むことが多いな。さっきも言ったが私は甘いものが苦手だから、甘さを感じない飲み物がいい」


 ということは基本的にブラックで飲んでる感じかな? 実際いまも砂糖とかミルクは入れていない様子だし……あれ? けど、俺の前に角砂糖の入った瓶を置いてるってことは、砂糖を入れることもあるのか……あるいは来客用に用意してるのかのどちらかだろう。


「しかし、冥王も幅広くやるもんだな。この前も携帯食料やら入浴剤やらを出したばかりだろうに、また新しい商品か……まぁ、それぞれ商会が違うが……」

「よくご存じですね」

「まぁ、私はちょくちょく人界にも足を運んで買い物をするからな。インスタントだったか? 冥王の商会から出た携帯食料は買って食べてみたが、アレはよくできていたな……入浴剤も発想は面白いし、応用の幅も広そうだ。その辺りは流石複数の大商会のトップだけはあると感心した」


 そういえば前にフィーア先生関連の時に会った時も、新作のお菓子を買いに来ていたとか言っていたので、シアさんは結構流行に敏感というか、新作をチェックするタイプなのかもしれない。

 少なくともインスタント食品はまだまだ人気で品薄状態なので、買って食べている時点で結構早期の段階で購入したのだと思う。


「シアさんの言う通り、クロは最近結構新商品を出してる気がしますね。魔法具関連でも映像魔法具とか、記録魔法具を売ってましたし、人界の商売も拡大するとか言ってましたね」

「いまは、人界全体が好景気に入ってきているから、その波を逃さないように掴んでいるんだろう。まぁ、好景気の原因はほぼお前だが……」

「え? 俺?」

「正確にはお前に付随して、六王や最高神様にシャローヴァナル様といった面々が、人界を訪れる機会が増えてその影響で経済がかなり上向いているというべきだな。それに、若干作為的なものを感じなくもないが、最近新技術や新種の食材などが頻繁に発見されているのも要因だな」

「あ~それはたぶん、シロさんとエデンさんの間で協定に変更があったみたいで、俺たちの居た世界の品に関する制限が緩くなったみたいです」

「なるほど、それでか……」


 実際最近発見された新技術なんかは、以前はシロさんとエデンさんの契約によって、この世界においてはその技術の発想に至れないという制限がかかっていたりしたので、それが一部解除されたことで新技術が次々生まれているのだろう。

 そして、新種の食材とかに関してもエデンさんが我が子と呼ぶ者たちのために用意した品などもあるし、それ以外にもシロさん辺りが手を加えて創造した品もあるのかもしれない。


 ……う~ん……あれ? でもそう考えると……シアさんの言う通り、マジで大半は俺が原因か? いや、これに関しては別に悪いことじゃないと思うけど……。





シリアス先輩「大半というか99%は快人の影響だと思う」

???「まぁ、他の異世界人にエデンさんが要望を聞いて回ったのも、そもそもカイトさんと気に入ってトリニィアに居座るようになったのが根底にありますし、そういう意味では大体全部カイトさんの影響ですね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] そんうちシアさんとの甘い展開とかもあるかな
[一言] 更新お疲れ様です!4話続けて読みました。アリスさんからのリストを元にコーヒーの選別中を進めていくなかシアさんがの元に快人さんがいかれる! 最近はフェイトさんが定期的に仕事をしてるお陰で余裕が…
[一言] シアに人間界全部任せた方が運営上手くいくのでは、、、
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ