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ネオ・ベビーカステラブレンド⑨



 コーヒーを飲みながらの雑談の中で、移動中にも少し話したためか自然と恋愛関連の話に移行していった。といっても今回の場合は俺の恋愛関連ではなく、オズマさんのである。


「オズマさんは、大人しい女性がいいって言ってましたが、イプシロンさんとかはクールで落ち着いてるように思えますけど……」

「……あ~そうだね。普段は、まぁ……そうかな」


 ……どうも違うっぽい。いや、確かにイプシロンさんも戦王配下だけあって好戦的な、戦いを好むようなところはあるが、基本的にはクールな印象だったのだがオズマさんの返答は微妙に歯切れが悪い。

 いうならば、クールであることは認めつつも恋愛関連ではそうじゃないという雰囲気だ。


「イプシロンちゃんは、確かにクールで落ち着いてるし、いい子ではあるんだけどね。いや、おじさんも戦王配下だから戦いが好きとかそういうのは除外して、恋愛関連の話だけに絞るけど……イプシロンちゃんはなんか……その……ドロッとしてるんだよね」

「……あ~なんとなく伝わってくる気がします。そういう方向性ですか……」

「実際おじさんの方がイプシロンちゃんより強いから問題ないだけで、イプシロンちゃんの方が強かったら……どこかしらのタイミングで監禁とかされてた気もするね。ああ、いや、イプシロンちゃんを悪く言うつもりはないんだけど、どうしてもそういうイメージが付いちゃってるというか……」


 なるほど、イプシロンさんは愛が重いというか湿度が高い感じのタイプか……言われてみれば、どことなく気に入ったものには結構強めに執着するタイプにも見える。


「恋愛に関していえば、アグニちゃんはガンガン正面から突破しようとしてくるタイプ。イプシロンちゃんはアレコレ策を練って、こっちの逃げ道を潰してくるタイプかな……前に、おじさんが知らない間に結婚式の準備が進んでたこともあったし……」

「……あ、ああ、なるほど……準備が進んで他の六王とかも招待するような形にして、いまさら結婚式を止められないような状態まで持っていくってことですか……」


 オズマさんへの愛情故というのもあるだろうし、単純にずっと告白を断られているので正攻法ではなく搦め手を使おうと考えたとも推測ができるが……気付いたら自分の結婚式の準備が進んでた時のオズマさんの心境は、本当に想像するのも恐ろしい。


「……そういう意味だと、恋愛関連ではアグニちゃんの方がずっとマシだよ。アグニちゃんは正面からしか来ないからね。イプシロンちゃんは、本当に毎回手を変えてくるから厄介だよ……まぁ、実力的におじさんの方が上だから、ある程度取れる手段は限定されるのは救いだね」

「なんというか、オズマさんも大変ですね」

「ははは、いや、ふたりともいい子なんだけどね……なんで、こんな枯れた中年に拘るのか……いや、単純におじさんが独身の方が気が楽だって思ってるのもあるけどね」

「ふむ……ちなみに、バッカスさんとコングさんの恋愛事情とかは?」


 まぁ、アグニさんとイプシロンさんのアプローチが上手く行ってないのは、結局のところオズマさん側が結婚願望というか恋愛願望というか、そういうのが薄いのが大いに影響してるとは思う。

 あとせっかくなので、他の戦王五将の恋愛事情も聞いてみることにした。


「コングくんは、分からないこととか苦手なことはスパッと切り捨てるタイプだから、恋愛にはまったく興味ない感じだね。バッカスくんは80人ぐらい妻がいるね」

「えぇぇぇ!? 80人!?」

「あ~いや、ミヤマくんの想像とはちょっと違うかも……ウチってほら、血の気の多い子がいっぱいだから……戦王配下には女の子も多いけどさ、だいたいどの子も自分より強い男が好みって子ばかりでね。中にはこう、死力を出し尽くした模擬戦の後とかで衝動的に相手に告白するタイプも多いんだよ」


 ……戦闘民族かなにかかな? いや、実際戦王配下はそんなところがあるが……もちろん全員が全員というわけではないのだろうが、そういう戦闘狂っぽい人が集まってる陣営であるのは間違いない。


「それで、バッカスくんはそういうのを一切拒否しないから、そういう告白を受けると『うむ、ではその気持ちが覚めるまで余の妻と名乗ることを許す』とかそういう感じに、来るもの拒まず去る者追わずって感じのタイプだから……」

「なるほど、衝動的に告白した気持ちが冷めたりした時も、特に引き止めたりせずに婚姻関係を解消する感じですか?」

「うん、本人としてはそのつもりなんだろうけど……バッカスくんって、ああ見えてかなり気の利く子で、妻として迎えた子には小まめに贈り物をしたり声をかけたりってマメだから、あんまり婚姻関係を解消しようって子はいないね」


 なるほど、バッカスさんは気配り上手なタイプか……そういえば、メギドさんも何かしら突発的に仕事を任せるときはバッカスさんを指名してることが多いし、最初にメギドさんとあったばかりの時にリリアさんの屋敷の庭で宴会をしたときにもリリアさんを気遣うようなことを言っていた気もする。

 しかし、80人は凄いな……いままでの知り合いの中ではぶっちりぎでトップかも……。



シリアス先輩「リリアを気遣うセリフ? ……ああ、コミックの方のやりとりか……しかし、バッカスがそれだけ恋愛経験豊富なら、オズマもバッカスに相談すればいい気もする」

???「ところが別に豊富じゃないんですよね。オズマさんが言う通り、ほぼパターンがひとつというか……あとバッカスさんの意見としては、間違いなく『プロポーズを受けいればいいのでは?』って感じになるからでしょうね」

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― 新着の感想 ―
確かにこの世界だと、二人とも娶れば良いんじゃない?的な返ししかされないかw
[一言] 更新お疲れ様です!連続で読みました! オズマさんの家に案内されオズマさんの雰囲気が本当にカッコいいおじ様で良いな コーヒーの内容で進めて行く中恋愛の話しになっていく!オズマに好かれる方達の恋…
[一言] 六王招待して止めれないようにって考えてるけどあいつらの仲の良さを考えると曲がりなりにもまだ六王になる前に一緒にいた家族のオズマが望んでいないならまあ止められなかったオズマが悪い。それはそれと…
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