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パーティが終わって⑥



 自分の担当の片付けが終わった人が順に手伝いに加わってくれたおかげもあり、打ち上げの準備はすぐに終わった。そしてスタッフの打ち上げが始まったわけだが……メイドだらけである。

 いや、まぁ、給仕として雇っていたメイドが一番数が多い上に、イータとシータにイルネスさんもメイド服であり、俺とアニマとキャラウェイ以外皆メイドという状態である。


 メイド好きの人にとってはたまらない光景かもしれないが、どうもこの世界のメイドは萌えとはまた別のところに居る存在なので、なんか強者たちが集まっているように感じるし、実際に強者ばかりである。


「……けどこうして見て見ると、イータとシータのメイド姿も様になってる気がするな」

「そうですか? ご主人様にそう言っていただけると嬉しいです」

「メイドは奥が深い……です。私たちがあまり知らなかった強者もたくさんいて驚きました……です」


 初めに屋敷に来たばかりのころは、スライムみたいな紅茶を淹れたり岩みたいなクッキーを作ったりしていたふたりだが、いまとなってはすっかりメイドが板に付いてきた感じだ。

 活発なイータは掃除や洗濯が得意で、そういった仕事をしている姿を見かけるのが多く、器用なシータは料理などが得意であり、厨房などを手伝う機会も多い。というか、夜はリリアさんの屋敷の方で一緒に食べることが多いのだが、朝食はシータが作ってくれたものを自室などで食べることが多いのでかなりの腕前である。


「やっぱり、メイド界って特殊なのかな?」

「メイドたちは皆かなりの戦闘技術を持っていますが、騎士や冒険者ほど現場に出て戦闘を行う機会はないので、強者であってもあまり知られていないというのは多いですね」

「さすがにスーパーメイドの人たちとかだと、実力者として有名……です。ただ、そういった高い戦闘力が有名になっていない人でも、爵位級並みの戦闘力を持つ者もいるみたい……です。イルネス様の強さには驚きました……です」


 確かに言われてみれば、メイドは並みの騎士より強いという話は聞いたが、メイドが騎士団の代わりに魔物を討伐したりという話はほぼ聞かない。協力して任務にあたることなどはあるみたいだが、そういったものは騎士団の方が援護を要請するらしい。

 メイドとしては戦闘技術は必要な要素のひとつであり、それを誇示したり無闇に振るったりするようなものではないという感じだろうか?


「イルネスさんに関しては、フレアさんとかから聞いた話だと昔の魔界ではかなり有名だったらしいよ」

「なるほど、確かにイルネス様ほどの強者であれば名が知れていても不思議ではありませんね。私やシータは魔族としてはまだかなり若いので、昔の魔界はあまり知らないですね」

「763歳……です」

「それでも俺からすると相当年上だけど……でも確かに魔族としてだと若いのかな?」

「年齢を正確に覚えているうちは若いと言われています……です。もっと大雑把になってだいたい何千歳とかそんな風にザックリとした年齢しか覚えてない魔族も多い……です」


 そういえば、魔族の人とかで1の位まで年齢を言ってる人って少ないな。そういえばノインさんも「数百歳ぐらいまでは数えていましたが、だんだん大雑把になってくる」みたいなことを言っていた覚えがある。


「あ、ご主人様、グラスが空になりそうですね。すぐに用意を……」

「どうぞ……です」

「ああ、ありがとう、シータ」

「……おい、シータ。いま、私が用意する流れだっただろ?」

「イータが遅いのが悪い。やかましくしゃべる暇があったら動くべき」

「まぁまぁ、喧嘩しない。次はイータにお願いするからね」


 イータとシータは双子同士で基本は仲がいいんだが、喧嘩もよくする。些細なことが多いのでそこまで険悪な雰囲気になったりはせずに、すぐに仲直りするのだが……まぁ、喧嘩するほど仲がいいって感じではある。

 ただ、この場で喧嘩を始められても困るので軽く仲裁して宥めておくことにした。


「あっ、ご主人様! 食べ物をお取りします!」

「……イータの基準で取ったら多すぎるから、ご主人様の食べる量を考えてとってよ」


 ……う~ん、初めにメイドとして仕えると言われた時には正直困っていたが、いまとなってはすっかり身内になったというか、こうやってワイワイ話しているのを微笑ましく……なによりも楽しく感じる。




シリアス先輩「個性はあるけど、イマイチ出番の少ないイータとシータ……後輩組に通じるところがあるな……」

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― 新着の感想 ―
[良い点] このほのぼのとした感じ良いなぁ
[一言] イータ、シータ、キャラウェイ、アニマ、イルネスもっとくださいm(_ _)m 私が喜びます(誰w)
[良い点] イータとシータ…… なんかもう、二人が出てくるのが久々すぎて…… でも二人らしさが変わってなくて良かった
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