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船上パーティ⑰



 エデンさんが去ったのちに、ライズさん、クリスさん、ラグナさんには簡単に挨拶をした。というか、非常にスムーズだったというか、少し前のエデンさんの件を警戒しているのか本当に簡単な挨拶だけをしてきた印象だった。

 ラグナさんとかもそんな感じだったので、よっぽどエデンさんが恐ろしいのだろう……まぁ、その気持ちは分かるというか、さっきのシチュエーションも一歩間違えれば命の危機という感じだった。


 ともあれこれで優先的に回るべき相手には挨拶をし終えた形になった。幸いだったのは、六王幹部の方たちに関しても結構一緒に挨拶を済ませることができたのでこれから回る時間は予定より短くなりそうだ。

 まぁ、それはさておいて、まずは何よりも優先して向かう必要のある場所というか……人たちがいる。そう、グリンさんとアンさんである。葵ちゃんと陽菜ちゃんに頼んではいるが、ふたりにもパーティを楽しんでもらいたいので早めに合流して、グリンさんとアンさんに関しては引き継ぐつもりだ。


「アンさん、グリンさん!」

「か、カイトさん……ようやく会えました」

「み、ミヤマさん……顔を見れてホッとしましたわ」


 感応魔法でふたりの場所を探ってすぐにその場に向かうと、アンさんとグリンさんは俺を見て明らかにホッとした表情を浮かべていた。


「すみません。本当はもっと早く来るつもりだったんですが、優先して挨拶に向かわないといけない場所があって遅くなりました……葵ちゃんと陽菜ちゃんもありがとう」

「いえ、というか私たちも失敗してしまいました」

「……ついうっかり、スカイさんとガイアさんと一緒に来てしまって……ビックリさせちゃいました。なんだかんだで、私たちも快人先輩に毒されてるのかもです」

「な、なるほど、急なお願いだったから仕方ないよ。ともかく、本当にありがとう。あとは俺に任せてくれて大丈夫だから、ふたりもパーティを楽しんできて」


 そもそもふたりが急遽アンさんとグリンさんの元に向かったのは、俺の想定が甘くて開始後すぐにふたりの元に向かうのが難しかったからなので、上級神が来てふたりがビックリしてしまった責任は俺にある。

 葵ちゃんと陽菜ちゃんには改めてお礼を告げて引き継ぐことを伝えると、ふたりとも頷いてアンさんとグリンさんに軽く挨拶をした後で、スカイさんとガイアさんの元へ向かっていった。


「……さて、改めて今日は来ていただいてありがとうございます。説明不足で驚かせてしまって申し訳ない」

「あ、いえ、正直先に説明を受けていたとしても、冗談だと思った気がしますわ」

「同感です。というか、カイトさんは……その……私たちが知らないだけで、実は世界の影の支配者とかそんな感じなのでしょうか?」

「いや、まったくそんなことは無くて、普通……普通? 自分でもちょっと自信はないですが、いちおう普通の人間のはずです」


 いや、俺自身はまったくもっと普通の人間なのだが、交友関係を考えた上で一般人であるふたりからどう見えるかと言われれば、普通であると断言するのはさすがに難しかった。

 いまさらではあるが、事前にふたりに何人か知り合いを紹介しておくという方法がよかったかもしれない。まぁ、招待状を出した時点ではその後結構暇になるということは分かってなかったし、あの時点で思いついていても時間の調整が難しいと思ったかもしれないが……。


「えっと、おふたりには会場内に知り合いがほぼいない状態だと思うので、俺が紹介しますので一緒に行きましょう。もしこんな相手を紹介してほしいってのがあれば、遠慮せずに行ってください」

「……アンさん、私は覚悟を決めましたわ!」

「グリンさん?」


 とりあえずいつまでも俺がついているわけにはいかないので、まずはふたりに誰かを紹介すると提案すると、少しの葛藤のあとでグリンさんが強く目を見開いた。


「ミヤマさん、ぜひ社交界に伝手のあるお金持ちの方などを……あっ、でも、あまり凄いのは……男爵とかその辺りぐらいだと嬉しいのですが……」

「あっ、すみません。貴族で男爵の知り合いは居ませんね。子爵ならふたりだけいるんですが……そっちも若干特殊と言いますか……とりあえず社交界に詳しそうな人に紹介するというのはどうでしょう?」

「わ、分かりましたわ、是非それでお願いします」


 そもそも俺は貴族の知り合いは少ない。子爵というと正義くんとドゥネル子爵ぐらいしかいない。正義くんは異世界人であり、社交界云々にどれほど詳しいかはわからない。ドゥネル子爵は基本社交の場にはドゥーカス伯爵として出席するらしいので、これもまた難しい。

 ここは大人しくリリアさん辺りを紹介するのがいいと思う。リリアさんは優しいし、グリンさん的には話しやすい相手なんじゃないかと思う。

 アンさんはまだ迷ってる様子なので、先にグリンさんをリリアさんに紹介することにしよう。




シリアス先輩「どうなんだこれ? いや、でも実際快人はマジで貴族の知り合いは少ないし、知ってる貴族の中だとリリアが一番いいのは間違いないかもしれない」

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― 新着の感想 ―
[一言] グリンさんから見たらともかく、リリアさんから見たら胃痛の原因にならない一般人で六王幹部よけに手放さないかもw
[一言] 実は悪い人じゃなかったガマガエルさん、久々に名前が出てきて『そんなキャラも居たなぁ』と思ってしまった。 いつか、光永君も俺の中でそのポジションに収まってしまうかもしれない。
[一言]  ありゃ、三国王は簡単な挨拶で雑談とかもあまりしないで終わったんだ。うん、まぁ、エデンさんの後だとそうなるのも仕方ないかw  うん、最初はこのパーティで一番助けが必要な2人の所に行くのは必…
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