船上パーティ②
今回は帰宅が遅くなったので、短めです
パーティ開始時間が近くなり、参加者がほぼ集まっている状態の会場を、俺はステージ脇からチラリと見る。う~ん、俺が招待したのだが、こうして改めて見ると凄い光景だ。
特にこういう大勢が集まるパーティだと、シロさんの存在感は別格といっていいかもしれない。会場に足るだけで凄いオーラを放っているかのように見える。
そしてこの会場内で、心配な方ももちろんいる。今回は本当に手当たり次第に知り合いに招待状を送ったので、権力者や名の知れた人だけでなく一般人の参加もある。
ただ、それでもある程度は大丈夫だとは思う。例えば、飛竜便の社長であるメアリさんは、ファフニルさんやフレアさんと交流があり、そもそもリリアさんともオーナーと雇われ社長という関係であり、この会場内でもあある程度は知り合いがある。
例えばモンスターレースの支配人であるチャペルさんは、こちらに関しては交友関係は割と謎ではあるが、モンスターレースという場を取り仕切るだけあって、クリスさんや竜王の陣営とはある程度顔見知りの感じがある。というか、あの人はやり手なのでなんだかんだで知り合いが居なくても上手く交流を広げていそうな気はする。
香織さんや茜さんに関しては、まぁ多少は会場にいる方とも顔見知りだし、仲のいいふたりはセットでいる様子なのである程度は安心だ。重信さん夫妻に関しては、レイさんとフィアさんの友人ということもあり、四人で一緒にいるのが見えた。
……そして、今回のパーティにおいて最も心配なのは……グリンさんとアンさんである。フライングボードの打ち上げで連絡先を交換した縁で招待はしたのだが、あのふたりは会場内の方のほとんどと交流が無く、そうそうたる面々に気圧されて会場の端で青ざめているのが見えた。
実はグリンさんとアンさんのふたりが会場内で孤立してしまう危険は考えていたので、事前に葵ちゃんと陽菜ちゃんにパーティが始まったら声をかけてあげてほしいとお願いしている。ふたりはフライングボードの打ち上げてある程度面識があるので、グリンさんとアンさんも安心すると思ったのだが……ちょっと失敗したかもしれない。パーティ始まってからではなく、パーティ前に声をかけるように頼んでおくべきだったかもしれない。
実際のところグリンさんとアンさんに関しての理想は、俺が声をかけたうえで誰かに紹介する形でフォローを入れることなのだが……パーティが開始してもすぐに行くことは難しい。さすがにシロさんや六王、最高神に各国の王を無視してふたりの元に先に向かうのは難しいので、しばらくは葵ちゃんと陽菜ちゃんになんとかしてもらうつもりだ。
ある程度の挨拶がすんだら可能な限り早く向かって……こう、優しくで紹介しやすい……カミリアさんとかその辺りの人を紹介して、ある程度パーティに馴染んでもらうように頑張ろう。
っと、そんなことを考えていると会場内に参加者が揃ったらしく、ステージ上にキャラウェイが上がり拡声魔法具の前に立って司会進行を行い、いよいよパーティのスタートがやってきた。
シリアス先輩「あっ、いちおうグリンとアンに関してはちゃんと考えてたのか……」
???「アオイさんとヒナさん……上級神二人もセットで来るかもしれないですね!!」
シリアス先輩「やめて差し上げろ」