船上パーティの招待状①
アリアさんと会話しつつウィンドウショッピングを楽しんでいたが、その途中でなんとなくの話の流れで現在俺が企画して準備を進めている船上パーティの話になった。
アリアさんはアルクレシア帝国のメイド長としていくつものパーティを経験しているだろうし、いろいろと詳しいだろうし、アドバイスとかもらえると助かる。
「……なるほど、それはかなりの規模のパーティになりそうですね」
「ええ、パーティの主催とか初めてで……なにか気を使ることとかってありますかね?」
「給仕はしっかり雇ったほうがいいと思います。能力という点であれば、カイト様の元にいる爵位級の方たちで対応はできるでしょうが……小規模ならばともかくそれなりの規模のパーティで、そういった給仕などを少数で行っていると、能力的には余裕であっても傍目に見れば慌ただしく感じてしまいます」
「あ~なるほど、確かにそれはあるかもしれないですね」
実際のところ、イルネスさんとかはその気になればひとりで回すこともできるだろうが、それをはためにみれば滅茶苦茶忙しそうで、招待客が何か用があっても声をかけ辛い雰囲気になる可能性もある。
その辺りは余裕をもって人を雇って対応した方がいいというわけか……。
「けど、結構な規模のパーティになるでしょうし、どの程度を雇えばいいのか悩ましいですね」
「そうですね……ああ、それでしたら世界メイド協会に依頼をしてみてはいかがでしょうか? カイト様の依頼であれば優先的に対応してくれるでしょうし、パーティの規模を伝えれば適切な人員を紹介してくれると思いますよ。もし必要であれば、私も手伝いますし」
「お気持ちはありがたいですが、アリアさんに関しては招待するつもりなので……ああ、もちろんアレキサンドラさんの名前の方で」
「ふふ、そうですか、それでは楽しみにさせてもいただきますね」
アリアさんのアドバイスはためになる。たしかにこの世界のメイドはやたらレベルが高いし、アインさんが会長を務める世界メイド協会に属している方が非常に多い。
アインさんに直接お願いすれば、信頼できる人材を紹介してくれるだろう。懸念としてはその際に本人がメイドとして手伝いを申し出てくることだが、そこは今回は招待客として来てほしいとしっかり伝えれば問題ない。
「あとは、そうですね。手土産や贈り物などに関しては、事前に招待状に明記しておいた方がよいと思います。そういったものを持参する決まりがあるわけではありませんが、カイト様からの印象を良くしようと手土産を持ってくる方などが多いと、それを受け取るだけで時間がかかってしまいますしね」
「なるほど、俺としては手土産とかは無しの方がいいんですが……」
「それでしたら招待状に、スムーズな進行を重視するため手土産の持参は不要であると明記しておけば大丈夫ですよ」
「ふむふむ……」
そのまましばらくアリアさんからいくつかのアドバイスを受け、それをメモに書き留めて話がひと段落した段階でアリアさんがどこかしみじみとした様子で告げる。
「しかし、カイト様主催のパーティ……凄い招待客になりそうですね。もう日程なども決まっているのですか?」
「いえ、完全には決まってないですが、もうそろそろ決定して招待状を送ろうと思っています。来月末ぐらいを想定して準備している感じですね」
「なるほど、来月末……来月末は定例三国会談……いえ、関係ありませんね」
「うん?」
「カイト様にとって都合のいい日を選ぶのが一番よいと思いますよ。私も個人的に開催を楽しいに待たせていただきます」
そう言って優しく微笑んだあとで、アリアさんは招待状に使う紙など細かな部分にもいろいろなアドバイスというか、参考になる様な話をしてくれてしばしその話題で盛り上がった。
【フラグRTA上位勢】
※あくまで一目惚れ等の惚れるまでの速度ではなく、初期行動がぶっ飛んでいる順位(快人に対して直接行ったものに限る)
第一位 アイシス・レムナント
出会って数分でプロポーズ。他を寄せ付けない圧倒的なスピードにインパクト、そしてヒロイン力も兼ね備えている圧倒的首位……やはり、アイシスが最強か……。
第二位 フェイト
出会った初日に養って発言+既成事実を作るためにことに及ぼうとした。快人に惚れてというよりは、打算ありきの初期行動ではあるが、行動のインパクトはピカ一。
第三位 トーレ
出会った初日に三回フラれた。本人の性格も相まって何処まで本気かは不明だが、運命を感じた的なことも言っているので、冗談めかしているようで結構本気かもしれない。
シリアス先輩「アリアもかなり早いRTA勢かと思ったが、トップ3はまた格が違った……」