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アニマとの海水浴⑦



 大きなゴムボートに乗って沖に向かう。ボートにはオールも付いているので移動には困らない。ちなみに、今回は特に見栄を張ったりせずにオールはアニマに任せてある。

 前にオリビアさんとボートに乗ったので、ボートを漕ぐこと自体には経験があるが、波のある海で同じように漕げるとも限らないし、そもそも純粋に俺とアニマでは力が違う。


「アニマ、オール任せちゃって悪いね」

「いえ、むしろご主人様に頼っていただけて嬉しいです! それに、この程度の作業であればまったく負担にはなりませんので問題はありませんよ」


 アニマにしてみれば、軽くオールを動かしているだけであり波の抵抗などまったく影響は無さそうだった。むしろ俺にオールを任されたことが嬉しいのか、ニコニコと楽し気な感じである。

 しかし、こうやって正面からアニマを見ていると少々目のやり場に困る。水着姿を正面から見ているような感じだし、どうしても変なところに目が行ってしまいそうになる。

 アニマの水着がホットパンツっぽい感じのデザインでよかったかもしれない。


「もう結構沖の方まで出てきたね。う~ん、風が気持ちいい」

「確かに、天気もいいですが日差しが強すぎるというわけでもなく、よい気候ですね。ところでご主人様、どの辺りまで移動しましょうか?」

「ああ、ある程度沖に出たら止めてくれて大丈夫だよ。というか本来の目的はボートの上で波に揺られながらのんびりすることだったしね」

「なるほど……ではこの辺りで一度停止しますね」


 本来の目的だけを考えるなら別に沖に出る必要は無かったのだが、その辺はまぁ雰囲気である。いやそれにしても、風が気持ちいいし海面はキラキラと輝いているみたいで美しい。海の透明度もかなりのもので、時々泳いでいる魚が見えたりする。

 なんというか、南国リゾートって感じがしてこういうのも本当にいいな。


「せっかくの大きなボートだし、寝転がるのもいいかも?」

「確かに、このサイズであれば寝転がることもできるかもしれませんね。では、ボートの制御は自分にお任せください、ご主人様はどうかゆっくりと……」

「いや、寝転がるなら一緒に寝転がろうよ」

「……な、なるほど、確かにその方が自然な流れかもしれませんね……た、ただ、ふたりで寝転がるには少々手狭なので、距離が近くなってしまう気もしますが……あっ、いえ、朝はもっと距離が近かったのでいまさらではありますね」

「それはまぁ、確かに」


 大きいとは言っても救命ボートとかのようなサイズではない。二人乗りぐらいのサイズだし、幅としては普通のベッドとかよりやや狭いぐらいなので、ふたりで並んで寝転がればそれなりに密着はしそうな感じである。


「もちろん無理強いとかするつもりはないけど……」

「いえ、その予想していなかったので気恥ずかしさはあるのですが、ご主人様の提案自体は嬉しいといいますか、いま頭の中でその光景を想像して幸せな気持ちになっているといいますか……」

「じゃあ、一緒に寝転がろうか」

「……はい」


 あくまで俺の感覚ではあるが、アニマは朝の一件……あるいは昨日の入浴辺りで、ある程度開き直ったというか気持ちを切り替えたっぽい感じがする。

 従者として変に遠慮したりするのではなく、恋人として希望や心境はある程度素直に伝えてこようとしてくれているのが伝わってくる。

 いまも恥ずかしくはあるが、俺と一緒に寝転がるのはやりたいと素直な気持ちを伝えてくれているので、こちらとしても非常にやりやすい。


 とりあえずアニマも了承してくれたので、一緒にボートの上に寝転がる。あと、アニマの手前余裕みたいな感じでいるが、こう見えて俺も結構緊張していたりする。


「な、なんでしょう? 距離としては、朝の時より離れているはずですが、互いに水着ということもあってか、変に緊張してしまいますね」

「あはは、それはたしかに……俺も結構緊張してるしね」

「ご主人様もですか?」

「うん。アニマの手前冷静でいようと努めてはいるけど、アニマは美人で魅力的だし、こうやって近くで見つめ合うような形になると、そりゃ当然ドキドキするよ」

「あぅ……そ、そうなんですね」


 素直に伝えた俺の言葉を聞き、アニマは驚いたように目を見開いたあとで恥ずかしそうだが、どこか嬉しそうに見える表情で笑う。


「ご主人様に、そう思っていただけて嬉しいです……恥ずかしくもありますが……えと、もう少し近付きますか?」

「そうだね。その方がバランスがいいかも……」

「で、では、失礼します」


 意を決すれば積極的なところがあるアニマは、俺に了承を取った後でそっと身を寄せてきた。ベッドで抱き合っていた時とはまるで違う肌と肌が触れ合う感触に、自然と顔が熱くなるのを感じつつも、互いに示し合わせるように軽く抱きしめ合う。

 言葉は無いがくすぐったくも幸せな感じで、少し濡れた肌同士が触れ合うのが妙に心地よかった。微かにボートが波に揺られるのを感じながら、互いに無言のまま……しばしの間、至福の一時を味わった。




マキナ「ん~パチパチキャンディとチョコの相性は抜群だね!」

???「これ疑問なんすけど、全部マキナが食べ終わった後、シリアス先輩ってどこから復活してるんすか?」

マキナ「その辺から生えてくるんじゃない?」

???「それ聞いてああなるほどって感じられるのが、なんか凄く嫌ですね。というか本当に、どういう生物っすかあの人……」

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― 新着の感想 ―
[一言] つまり、シリアス先輩は そこにシリアスが「ない限り」生えてくる。と
[一言] 更新お疲れ様です!アニマさんと一緒にボートでゆっくりしながらも甘い雰囲気になってくのが堪らないです! 最後のシリアス先輩が植物みたいな感じで何とも言えないな汗) 次も楽しみに待ってます!
[一言]  まぁ、前のオリビアさんの時は見栄というよりは、オリビアさんに景色を楽しんでもらう事が目的だったし、快人さんも漕いでみたいって言ってたからね。 今回は海だから快人さんが漕ぐには少し難しいかも…
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