イルネスとのお茶会⑧
今日は時間が無くてやや短めです
イルネスさんの過去の話を聞いたあとは、いろいろな雑談をしつつお茶会を楽しんでいった。ただまぁ、紅茶を飲んでお菓子を食べるだけなので、そこまで長引かずに終わりのタイミングはくる。
尤もそれは、お茶会だけで終わるのならだが……。
「ごちそうさまでした。紅茶もお菓子も、本当に美味しかったです」
「くひひ、そう言っていただけるとぉ、準備したかいがありますねぇ」
「これでお開き、ですかね? イルネスさんは今日休みって話ですし、イルネスさんさえ大丈夫ならどこか出かけたりしますか……いや、時間的に遠出するほどの余裕はないですが……」
お茶会の開始がおやつ時だったこともあり、正直お開きでもいい時間帯ではある。せっかくなのでどこかに遊びに行かないかという提案をしたのは、心のどこかでイルネスさんとの時間が終わってしまうのが寂しいからかもしれない。
「そうですねぇ。時間的に出かけるのは~難しいかもしれませんがぁ、カイト様のご都合さえよろしければぁ、もうしばし私の部屋で過ごしませんかぁ?」
「あ、はい。是非……室内でも一緒に出来る遊びとか結構ありますよね。俺は、ボードゲームは超弱いですが……」
なんか催促してしまった形になったのは、申し訳ない気分ではあるが、イルネスさんの言葉は単純に嬉しい。具体的になにをするという案があるわけではないのだが、マジックボックスの中にもいろいろ遊び道具は入っているので大丈夫だ。
まぁ、本当に将棋やチェスのような対戦型ボードゲームだけはアレだが……その弱さやるや、あの世界最高の頭脳を持つであろうアリスが「私がワザと負けるんじゃなくて、いい勝負にするなら……正直カイトさん側を二回行動可能とかにしないと難しいっすね」というレベルである。
将棋でこっちだけ二回行動可能とか、もはやハンデのレベルを超えているのだがそこまでしなければ、俺が実力で勝つのは難しいようだ。
「実は~少しやってみたいことがあるのですがぁ、よろしいでしょうか?」
「え? ええ、もちろん。なんですか?」
「雑誌を読んでいた際に目にしたものではありますがぁ……」
そう言いながらイルネスさんは窓際のタンスっぽい家具の引き出しからなにかを取り出した。木で出来た細長い棒のような……耳かきでは?
えっと、耳かきを使ってやることなんてひとつしかないような気がするが……。
「えっと、それはもしかして耳掃除とか?」
「はいぃ。カイト様さえお嫌でなければ~」
「それはもちろん嫌とかではないんですが、イルネスさんはそれでいいんですか?」
「もちろんですぅ。というよりは~私の方がお願いしている形なのですがぁ」
「あ、えっと、それでは……よろしくお願いします」
「はいぃ」
やってみたいことが俺の耳掃除というのは、なんというか献身的なイルネスさんらしい提案だった。ただやっぱり若干予想外だったので、戸惑いつつ頷く。するとイルネスさんは部屋のベッドに移動してその上に乗って足を崩し、腿の上を軽く払う。
あ~えっと、これはアレかな? 膝枕で耳掃除をって感じだろうか……こ、これはなんというか……思わぬ展開である。
シリアス先輩「ひっ、こ、このながれはぁぁ……」




