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シャローヴァナルとの建国祭④



 はてさて超次元スナイピングアクションとはどんなものなのかと、そんな風に考えながら巨大なテントの中に入ると、中にはそれなりに多くの人が居た。

 空中になにやら幻影魔法かなにかで大きな数字が浮かんでおり、『開始まであと5分』と表示されていた。どうやら時間がある程度決まっている感じのアトラクションらしい。となると、いまこのテント内にいる人たちが一斉に楽しむ形になるのかな?


 そう思っていると係員らしき人が回ってきて、L字の木材のようなものを渡してきた。なんだろうこの木材? 開始時間になったら説明がある感じかな?


「シロさんは射的ってどんなのか知ってるんですよね? この木材って何に使うんですか?」

「さぁ?」

「……え? あれ?」

「通常の射的にこのようなものは使いませんね。ただ異世界で言うところの銃……銃? いちおう銃らしいですが、私が与えた情報を元にクロが考えて作った魔法具なので、快人さんが見ると違和感を覚えるかもしれませんが、とりあえず射的には銃を使用するので、これはその代わりでは?」

「ふむ、なるほど……」


 たしかに射的と言えばコルク銃ではある。言われてみればどことなく銃っぽい形状の木材な気も……いや、銃は銃でもハンドガンっぽいが……。


「ちなみに通常の射的はどんな感じなんですか?」

「……頼りになる恋人のシロさんに教えてもらいたい……」

「た、頼りになる恋人のシロさんに教えてもらいたいなぁ~」

「仕方ありませんね。快人さんがそこまで言うのであれば説明しましょう」

「あ、ありがとうございます」

「基本的に射的は対人競技です。10人が同時に戦闘を行い、定められたフィールド内でそれぞれの体についた特殊な結晶を魔力弾で撃ち合う競技ですね。細かなルールはいろいろありますが、ひとりに付き結晶は5つですべてに魔力弾が命中するか、魔力弾によって本人が気を失うなどすれば脱落です。最終的に残ったひとりが勝者ですね」


 なるほど、イメージとしてはバトロワ系のゲームみたいな感じだろうか? たぶん魔力弾に関しても、威力とか速度とかにある程度規制はありそうな気がする。


「魔力弾というよりは、扱う銃に制限があります。銃には必ず魔水晶を取り付けなければならず、自身の魔力を直接用いて魔力弾を作ることは禁止、必ず魔水晶の魔力を使います。魔水晶の規格と持ち込める個数が決まっているので、使用できる魔力に制限がある様な形ですかね。いちおう自身の魔力を魔水晶に注ぐことで魔力の補充はできますが、魔水晶の純度は50%以下という制限があるのでかなり時間がかかります」

「ああ、なるほど、つまりある程度制限された魔力量の中で、威力とか弾速とかを消費と兼ね合いを付けながら調整する感じですね。それは、各々に個性が出そうで面白そうですね」


 魔力消費が大きくて連発はできないが高威力の魔力弾とか、威力は低いが連射できる小さな魔力弾とか、それぞれでいろいろ工夫できるわけだ。

 魔水晶だから術式を刻むこともできるし、曲がったり分裂したりする魔力弾も打てるかもしれない。もちろんその分魔力消費は大きいだろうが……。

 いろいろ戦略もありそうで面白そうだ……まぁ……俺の知ってる射的にはかすりもしてないが!!


「射的と言えば空中戦と聞いたんですが、それは?」

「フィールドの広さに制限があるので、横だけではなく縦も使える方が有利です。攻撃には自身の魔力を用いれない制限がありますが、浮遊や飛行は別なので」

「ふむふむ、教えてくれてありがとうございます……見る分には楽しそうですね。自分でやるのは難しそうですが……」

「……快人さん、提案ですがやはり勝負をしませんか?」

「え? いや、まだ調整版の内容がよく分からないんですが……」

「大丈夫です。私は分かりました」


 たぶん未来視とかそういうことをして、事前に調整版の内容を知った上で提案してきたのだろう。シロさんが一方的に俺を倒して喜ぶような性格とも思えないし、ある程度俺にも勝ち目があるものということなのかな?


「いえ、普通にやれば快人さんが私に勝つのは不可能でしょう」

「まぁ、それはそうでしょうね」

「なのでハンデを付けます。『私は快人さんが当てた数と同じ数までしか的に当てられない』『私はひとつの的で50点より上の点を取ってはならない』そのふたつを、ハンデとします」

「んん?」

「受けるかどうかは、開始時間になって説明を聞いてからの返答で大丈夫です。賭けるものは、敗者が勝者の言うことを『なんでもひとつ聞く』というもので」

「……」


 賭けるものとしては非常に定番ではあるが、それゆえに気になる部分もある。それを提案してくるということは、シロさんは俺になにか……普通に提案すれば、俺が拒否するようなことを求めようとしているということだろうか?

 う、う~ん。分からないが……なんか凄く楽しそうな感じで、シロさんは少し口角を上げていたので、悪いことにはならない気がする。




シリアス先輩「はて? 天然神の狙いはなんだ?」

???「1、いちゃいちゃする 2、いちゃいちゃする 3、いちゃいちゃする……その辺りのどれかでしょうね」

シリアス先輩「……どれか? 一択しかないんだけど……」

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― 新着の感想 ―
[一言] ハンデの内容だけ聞くと 「一つの的だけ狙って50点以上取れば快人の勝ち」 って聞こえるけど どんなルールに調整されてるのかな?
[良い点] やばいやばいやばい・・・説明きいてるとめちゃくちゃ楽しそうな競技だと思った。とんでも競技として伝わってるはずなのに、面白そうだと思った。これは敗北? そしてシロさんが勝者の特権以外ではか…
[一言]  なるほど、FPSみたいな感じなんだね。ふむ、魔力弾……銃に関しては魔力消費で状況に応じて調整できて、威力重視にするとSRみたいに使え、連射重視にするとARとかSMGみたいに出来るんだね。 …
感想一覧
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