もうひとつの建国記念祭①
アリスとのハイドラ王国建国記念祭でのデートと、その後の海での遊びを終えて家に帰ると時刻は夕方だった。
程よい疲れを感じながら部屋のベッドに寝転がったタイミングで、ふと思い至る。そういえば、シロさんとのデートでもう一度建国記念祭……正しくは並行次元の建国記念祭に参加するわけだけど、それはいつ切り替わるんだろうか?
(お答えしましょう……既に切り替わっています。快人さんが家に戻った時点で、並行次元の建国記念日前日に切り替わっています。なぜ前日かというと、快人さんも遊んで疲れているので一晩休んでからの方がいいだろうという私の気遣いです。できる恋人だと思いませんか? 褒めてもいいのですよ? 褒めると私が喜びます)
アピールが凄い……まぁ、それはそれとして一晩ゆっくり寝て次に臨めるのは非常にありがたい。なんだかんだで疲れはあるし、休憩は欲しかったところだ。
ところでそんな気遣いのできるシロさんにお尋ねしたいんですが、建国記念祭に俺とデートする件……ラグナさんとか、その辺にはちゃんと伝えてますよね?
(いえ? 伝えたところで意味はありませんでした。この私と快人さんがデートするための次元は快人さんが家に帰宅した時点で作り出されたものであり、それまでは存在していなかったのですから事前に言ったところで意味はないです。なので、いまから伝えるように時空神に言っておきます)
おっと、いま、軽い一言でクロノアさんとラグナさんの胃が破壊されることがほぼ決定したような感じになってしまったぞ。
開催前日に創造神であるシロさんが参加することを伝えられた時のラグナさんの心境は果たして……というかそれ以外にも、神族の方たちへの伝達とかは大丈夫なんだろうか?
(そちらは問題ありません。最高神の三人には事前に並行次元を作り快人さんとデートをすることは伝えてあります。当然ではありますが建国記念祭前日までの記憶はあるわけですから、一声かければここが事前に言っていた並行次元であると認識して、そのように動くでしょう)
なるほど、それなら大丈夫……うん? ちょっと待ってくださいよ。その方法がありなら、ラグナさんとかにも事前に伝えておくことが可能だったのでは?
(言われてみればそうですね。次回からはそうしましょう)
ラグナさん、不憫である。アリスと周った建国記念祭は大きなトラブルも無く平和だったし、あちらが正規の次元であり、この次元は建国記念祭終了後に元の次元に統合され俺以外は記憶などは引き継がない……だからといって、この次元で絶望的な胃痛を味わっていいという話にはならないだろう。
まぁ、ただそれに関してはもういまさらというか、どうにもならないので仕方ないとして……明日のシロさんとのデートについて考えよう。
俺の認識としてはフェイトさんたちのサポート有りで、建国記念祭の一般参加者はシロさんに気付いたりすることはできないとか、そんな感じで周るようになるイメージでいいですかね?
(ええ、その認識で問題ありません。既に気付かない、私と認識できない、こちらから関わらない限り関わることはできないという前提が確定しているので、安心して私とラブラブしていいですよ? 街中でのキスにも対応しています)
いや、シロさんは認識されなくても俺が誰かと街中でキスしているということには気づかれるのでは? いやそもそも、祭りの人混みのなかでキスをするのは流石に恥ずかしすぎるのでやめて欲しい。
ま、まぁ、不安はあれど楽しみな部分も多くある。建国記念祭は非常に大規模で、アリスと1日周っただけではまだまだ回ってない場所も多いので、そういった場所を中心に回っていこう。
シリアス先輩「さすがの天然神だ。流れるように胃痛をかましてくる……アリスとのデートは胃痛控えめだったが、果たしてこちらは?」




