月明かりの差し込むコテージで⑫
目が覚めてからしばらく経った後でベッドから起き上がり、顔を洗ったりしてコテージのリビングにいくとアリスがコーヒーを用意してくれていた。
「モーニングコーヒーってやつっすね!」
「……モーニングって時間じゃないような?」
「誰のせいだと思ってるんすか!? 起きた時間で言えば、モーニングでよかったんすよ。朝焼けの海を見ながらコーヒーを飲める時間だったんですよ!」
「う、う~ん。それは果たして俺のせいなのか……最初に寝ぼけてたのはアリスのような? まぁ、いいか、コーヒーありがと、せっかくだしベランダで飲むか」
「ですね」
赤い顔でイチャイチャしていたことにより起きる時間……ベッドから出る時間が遅くなったことを抗議してくるアリスではあったが、そもそもの発端はアリスが寝ぼけていたことのような気もする。
まぁ、とはいえ、それを反論したところで得るものはないので気にしないことにして、マグカップを受け取ってアリスと一緒にベランダに出る。
「すっかり昼だけど、海風が気持ちいいな」
「気温は温かいっすけど、風があるのでいいですね。ああ、カイトさんコーヒー飲んだらなにか食べましょう。私が作りますので、希望があったら言ってくださいね」
「ああ、特に希望はないけど俺も手伝うよ。まぁ、アリスが料理するならむしろ邪魔かもしれないけど」
「いやいや、そういうのは……い、一緒にやるのが楽しいものですし……」
少し恥ずかしそうではあるがはにかむ様に微笑みながら告げるアリスを見ると、極度の恥ずかしがりも少しは克服できたのかもしれない。
いや、もちろんすぐにすぐ変わるわけでもないので、こっちが不意打ちとかすれば慌てふためくのだろうが……。
「……あの、カイトさん? なんか悪い顔してないっすか?」
「いや、どこか落ち着いた感出してるけど、まだまだ恥ずかしがりは解消できてなさそうだし……また不意打ちとかしたら慌てふためくかなぁって」
「悪い顔して悪いこと考えてるじゃないっすか!? 酷い遊びですよ、私の恋愛クソ雑魚っぷりをからかうのは! そこはそっと優しく、気付かない振りをするのがいい男ってものじゃないっすか?」
「気付かない振りもなにも、お前が堂々と自分で宣言してるからなぁ……」
文句を言いつつもどこか楽し気なアリスに俺も笑みを返す。なんというか、大きく関係が進展したとしても、この空気感は楽しい。
こういう軽口を気軽に言い合えるのも、アリスのいいところかもしれない。
「そういえば、食事をしたあとはすぐ帰るか?」
「う~ん。まだ、このコテージは今日いっぱいは利用できますよ」
「ふむ……そういえばプライベートビーチあるんだっけ?」
「ええ、というか、いま見えてる範囲はプライベートビーチっすね」
「……凄く広いな」
コテージは簡素だったが、さすがは高級コテージというだけあってプライベートビーチは相当広いようだった。
「じゃあ、せっかくだし軽く泳ぐか?」
「おや、カイトさんは可愛い恋人の水着姿が見たいようですね」
「それに関しては本当に見てみたいかも。前に海行った時はお前、なんかガッチガチにガード固めてたし」
「うぇっ!? あ、そ、そうっすか……ま、まぁ、カイトさんが見たいのであれば、わ、私も恋人として強く否定とかはしないですが……えと、見ます?」
そう言って尋ねてくるアリスの顔はどことなくあざとさを感じる可愛らしさだったが、本人的には割と恥ずかしさとせめぎ合いつつ言っているので、こちらを揶揄う余裕などは無さそうだ。
そしてもちろん俺の返答は決まっており、俺とアリスは海で遊んでから帰ることに決めて、そのことを話しながらコテージの中に戻っていった。
シリアス先輩「待ってこれ!? 続く流れじゃない!? ⑫だぞ!!」
マキナ「あ、戻った……そこはサブタイトルかえればどうにでもなるんじゃない? まぁ、続くと見せかけて次回は自宅かもだし」




