月明かりの差し込むコテージで⑪
活動報告に、アクリルスマホスタンドについての記事を投稿しました。
閉じたカーテンの隙間から差し込む朝の日差しに、若干の眩しさを感じながらゆっくりと目を開く。何時だろ? なんか結構寝てた感じがする。
窓から差し込んでいるのは朝の日差しかと思っていたが、結構昼近い時間帯だったりするかもしれない。
そのまま体を起こそうと思ったのだが、右手に感じる感覚に視線を横に向けると、俺の腕を抱きしめるようにしてアリスが眠っていた。
何気にアリスがこうして眠っている姿というのはレアだ。いや、本人は人間だった頃の習慣もあって眠っていると言っていたが、基本的に警戒心の強いというか抜け目のないアリスは人前で眠る様な事は少ない。
いまのように無防備に眠っているのは、それだけ俺を心から信頼しているということの証明でもある。
う~ん、カーテンを開けようかと思ったけど、起こすのも悪いししばらくはこのままかな? と、そんな風に思った直後、カーテンが開かれてそちらに視線を向けると、見覚えのあるネコの着ぐるみが軽く手を振って姿を消した。
ああ、本体は眠ってるけど分体は起きて周囲を警戒していたりするっぽい感じだ。流石というべきか、その辺りの隙の無さはアリスらしい。
「……んぅ……カイトさん?」
「え? ああ、おはよう」
「んにゅ……おはよ……ございます」
カーテンを開けたことによって室内が明るくなったことによりアリスも目を覚ました様子で、少し目を開けて薄目の状態で俺の名前を呼んできたので、それにこたえる。
するとアリスは少しとろんとした寝ぼけているような目で、横を向いた俺の背に手を回して体を摺り寄せてくる。
「ちょっと寒いので、もうちょっと密着してください」
「うん? ああ、こんな感じ?」
「はい。もっとこう、ぎゅ~って感じで……はぁ、幸せ」
どうやら本当に寝ぼけているらしく、普段ならまず間違いなくやらないであろう甘えた感じの声で俺に抱き好き、頬を擦り付けてくる。なんとなく猫が甘えてきている時の仕草のように感じられて、本当に可愛らしかった。
要望通りにアリスの体を抱きしめつつ、軽く頭を撫でているとアリスは心地よさげな顔になって、蕩けるような笑みを浮かべて口を開く。
「カイトさん、ちゅ~してください」
「うん? キスってことか?」
「はい。私はもっといっぱいカイトさんとイチャイチャしたいんすよ」
……なんとなくではあるが、コイツ寝ぼけて夢の中かなにかと勘違いしてそうな感じがする。少なくとも普段のアリスからは考えられないほどの積極的な行動だが、たぶん普段も恥ずかしがっているだけでイチャイチャしたいという気持ち自体は強かったのだろう。
アリスは寝起きはいい方で、以前アリスの家に泊った際や六王祭の時にも起きた時に寝ぼけていた感じは無かった。だが、今回はアリスにとって一世一代の勇気を振り絞り、精神的に相当疲れてたことも影響してか完璧に寝ぼけている様子だ。
あとで冷静になったら大変そうだなぁと感じつつ、特にアリスの要望を断る理由も無い。というか、可愛いアリスを見ていると俺の方もいちゃつきたいという欲求が強くなってきたので、希望通りアリスと唇を重ねてキスをする。
「んっふぅ……カイトさん……好き……ちゅぅ……大好き」
甘い声で何度も「好き」と繰り返しながらキスをしてくるアリスは本当に幸せそうで、俺の方もどんどん幸せな気持ちが大きくなってくる。
ただ、当然ではあるが一種の寝ぼけ状態がそう長く継続するわけも無く……。
「……あ~でもこれ……夢にしては感触がリアルすぎるような……」
「……まぁ、夢じゃないしな」
「あ~そうっすか、途中からなんとなくそんな気はしてたんすけど……これ……夢じゃない……っすか……」
そう呟くと同時に、アリスの顔は血の気が引くとはこういうことだと言わんばかりに青くなった後、一気に真っ赤になる。
「……こ、ここ、殺してください……というか、恥ずかしさで死にそう……」
「いや、そんなおかしいこと言ってたわけでもないから、落ち着け……」
「い、いや、だだだ、だって、普段は心の中で留めていたことが、あばばば、ととともかくいった――んんっ!?」
テンパりまくって冷静さを彼方に消し飛ばそうとしていたアリスの口を強引にキスで塞ぐ。ある意味力づくで黙らせるような形ではあったが、意外と有効だったみたいでアリスは最初こそ驚愕していたが少しすると目を閉じて、俺の背に手を回してきた。
まぁ、俺もイチャイチャしたいという気持ちはたくさんあるわけだし、アリスの恥ずかしさを上書きするぐらい、たっぷりいちゃつくことにしよう。
マキナ「朝と言えばモーニングコーヒーだね! 私は微糖ぐらいが好きなんだけど、我が子たちはどうかな? シリアス先輩のおかげで砂糖には困らないし、たまには砂糖多めにした甘いコーヒーもいいかもね」
シリアス先輩「……(コイツ、毎回平然と砂糖と化した私を食べやがる……躊躇とかないのか……)」




