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勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした  作者: 灯台


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夜が更けるまでの間に⑥



 待つこと30分ほどで順番が回ってくると、いくつかある大き目の箱のようなもののひとつに案内された。箱の中は真っ白であり、中央に魔法具の操作を行うらしき水晶と説明の看板があった。

 どうやらこの水晶を使って背景などを変えて写真を撮影するみたいだ。利用制限として10分という時間の上限があり、それを過ぎると写真が撮れていなくても退出することになるらしい。


「結構しっかりしているというか、外からは見えないような感じになってるんだな」

「まぁ、まだ写真文化が根付いてないというのもありますね。他の人が映り込んだりとか、そういうのに抵抗感がある人も多いんですよ。なのでこうして、外からは見られない仕組みで、中も説明と魔法具があって自分でやる感じなんですよ」

「へぇ、それはまた……アリス的には都合がいいかも?」

「否定はしません……さっ、とりあえず時間制限もありますし、背景とか決めましょう」


 そう言いながらアリスが魔法具を操作すると、背景というか室内がいろいろな景色に切り替わる。とはいえ、やはりシンプルなものであまり種類は多くない。

 草原とか浜辺とか、そんな感じの定番っぽい場所が多く全部で10種類ぐらいだった。


「浜辺は結構いい雰囲気だよな。あ、でも夜しかないのか……」

「浜辺……夜……」

「これ、昼とかに変えれたりは……しないか。って、アリス?」

「あ、いいいいい、いえ!? ななな、なんでもないっす!? さ、さぁ、やっぱり明るいところで無難に草原とかにしましょうか!! 時間無いですからね!! 時間無いっすからね!!」

「……いやまだ7分ぐらいあるけど」

「時間無いので!!」

「……お、おう」


 なんか、滅茶苦茶勢いで推し切ろうとしてないかコイツ? まぁ、いいか……。


 そんな風に考えながらアリスが切り替えた草原の背景の前で並んで立つ。普通に立っていてもいいのだが、恋人っぽい写真をという話なので、アリスの肩に手を回して抱き寄せてみた。


「わひゃっ!? あっ、そ、そうでした……恋人らしい写真を……」

「こんな感じでいいかな?」

「あっ、そ、そうっすね……あっ、いや、カイトさん。流石に身長差があって少し違和感があるので、軽くしゃがんでもらえますか?」

「中腰になればいいのかな?」


 たしかに俺とアリスの身長差は結構あるし、軽くしゃがんだ方が恋人っぽいかもしれない。


「いやでもこれ、見た目は大丈夫か?」

「そんなに違和感はないっすよ。中腰って言っても、少しですし……」

「じゃあこれで大丈夫か」

「はい。撮りますね。あの看板の上にカウントが出ますので注目です」


 アリスの言葉に従って看板の方を向くと、その上に大きな文字が浮かび上がった。少しハミングバードの文字と似ているかもしれない。

 カウントは5からで、それが減っていき0になったら撮影だろう。そんなわけで視線を前に向けて、目を閉じたりしないように……。


「――ちゅっ」

「は? え?」


 不意に頬に柔らかな感触がして、ポカンとした直後に撮影の音が聞こえた。唖然としながら振り返すと、アリスがいまにも湯気が出そうなほどに真っ赤な顔でドヤ顔を浮かべていた。


「はっ、ははは、ゆっ、油断しましたね! わ、わわ、私だってやるときはやるんですよ……はは……あっ、ちょまっ、顔、爆発しそう……」


 そう言って両手で顔を覆い湯気を出しそうなほど耳まで真っ赤にするアリスを見て、こうも見事なほどに自爆をするのかと、なんとも変な感動を覚えた。




シリアス先輩「なにしてるんだお前ぇ!? 恥ずかしがって自分からはいけないタイプだろ!! そんな、糖度の高い行動はやめ……」

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― 新着の感想 ―
[一言] 糖
[一言] 親友と我が子が楽しそうで、マキナちゃんもにっこり
[一言] おぉ、30分も待ってたんだね。俺もそんなに詳しくないけど、利用制限10分で背景が10種類は結構良いんじゃないかな。あと、外から見られない仕組みなのも良いね。ただ、うん、やっぱり言葉だけで想像…
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