ハイドラ王国建国記念祭⑪
今日は体調がちょっとよろしくないので、短めです
初代勇者……ノインさんからのメッセージが発表されたあともセレモニーは続いていく。とはいえ、セレモニーを最後まで見ていたらかなりの時間がかかってしまうので、最後まで見るつもりはない。
「じゃ、メインも見終えましたし私とカイトさんは戻りますが、ノインさんとハプティはどうします?」
「あ、私たちはラグナとフォルスに声をかけて行きます」
「セレモニーの中盤に休憩があるからね~」
アリスの問いかけにノインさんとハプティさんが答える。元々、セレモニーまでは一緒に周ろうという話だったが、それはラグナさんたちへの挨拶を考えた上での発言だったのだろう。
そりゃおふたりとしては、勇者パーティであるラグナさんとフォルスさんにも声を掛けたいだろう。
そんなわけで、ノインさんとハプティさんとはここで別れることになり、俺とアリスは再びグラトニーさんの転移魔法にて移動して一緒に祭りを周ることになった。
「いや~偶然とはいえ、4人で周るのもなかなかいいものでしたね」
「だな……ところでアリス?」
「なんすか?」
「結局今日挙動不審だったのはなんでだ?」
「ぶほっ……な、ななな……」
いや、ノインさんやハプティさんと会ったために途中で中断するような形になったが、アリスが今日妙なテンションである理由をまだ聞いていない。
あとで話すというか、後々俺にも関係するみたいな発言をしていたし、そろそろ建国記念祭も後半に差し掛かるこのタイミングで聞いてみた。
するとアリスは、明らかに動揺した様子で顔を赤くして視線を落ち着きなく左右に動かす。
「な、なんで覚えてるんすか……」
「むしろ逆に、なんで忘れてると思った……あの時の口ぶりだと、いまは関係ないけど後々関係するみたいな感じだったし……いや、そもそもアリスの挙動不審な様子を尋ねた上で関係するしないっていうのはいったいどういう意味……」
「あ~あんなところに美味しそうな屋台が~! さっ、カイトさんいきましょう!!」
「えっ、ちょっ、こら――うぉぉぉ!?」
あまりにも強引な感じで話を切り替えたアリスは、俺の手を引っ張り凄まじい勢いで移動を始める。もちろん俺の腕力でアリスに抵抗できるわけもなく、なす術もなく引っ張って行かれた。
う、う~ん。どうもまだ言う気はないらしい。このタイミングで言わないってことは、夜とかその辺りだろうか?
「……場所は確保はしてる。カイトさんの家には事前にコッソリ連絡済み……準備は完璧……あとは、私の勇気だけ……」
「うん? いまなんて?」
「なんでもないです!!」
「……無いって顔してないんだけどなぁ」
これが小さくてなにを言っているかまでは聞き取れなかったが、えらく真剣な表情を浮かべていたのが印象的だった。
本当になにを考えているのやら……。
シリアス先輩「あっ、終わったわこれ……完全に海辺のコテージルート……」




