まさかの誘い①
神界の神域では、世界の神たるシャローヴァナルと異世界の神であるエデンが向かい合っていた。シャローヴァナルが相変わらず変わらない表情と抑揚のない声で告げた言葉を聞き、エデンは明確に驚愕を露わにした。
「……な、なるほど……素晴らしい案です。それならば、私も愛しい我が子との一時を楽しむことが……」
「いえ、この世界の神として宣言します。私が考えたこのスーパーWINシステムに貴女の参加は認めません」
「なっ!? なぜです!!」
「際限がないからですね。このシステムの利用を認めるのは、快人さんの恋人である存在に限ります。母は対象外です」
「なっ……馬鹿な!? そんな不条理がまかり通っていい筈が……ぐぅぅ、そもそも、それならばなぜそんな話を……」
シャローヴァナルの考えた快人とハイドラ王国の建国記念祭を楽しむための方法は、エデンにとって画期的といえるものであり、その気になればエデンも利用できるものだった。
ただし、そのためにはこの世界の神であるシャローヴァナルの許可は必須であり、そこを断固拒否されてしまうと、実行は厳しいと言わざるをえなかった。
ならばなぜ、わざわざそんな話をしたのかと問うエデンに対し、シャローヴァナルは淡々とした様子で告げる。
「それはもちろん。貴女の後乗りを防ぐためです。流石に契約違反なので勝手に行ったりはしないでしょうが、しつこく要求されても面倒なので……そもそも、快人さんの新築記念パーティの時もそうでしたが、私が苦心して考えたシステムに後乗りばかり試みて、貴女にはプライドというものが無いのですか?」
「ふぐぅ……ぐっ、そ、それを言われると……ぐぅぅ……」
シャローヴァナルの言葉に痛いところを突かれたというような表情を浮かべるエデン。彼女は別の世界の神であり、強大な力を持ちながらも……トリニィアにおいてはシャローヴァナルへの配慮から世界の改変等の大規模な力は行使できない。
となると、ある程度はシャローヴァナルの実行した策に追従する形で加減を見極めつつ実行するというのは、ある程度理にかなっており立場的に仕方ない部分もある……だが、後乗りと言われてしまえば、それを反論する余地もない。
「……分かりました。今回は諦めましょう。ただ、もし仮に今後私と愛しい我が子が深い関係になった場合は、その案を実行しても構わないということですね?」
「そうですね。快人さんと恋人になったのなら、許可をしましょう」
「なるほど……いままでそのつもりはありませんでしたが、一考の余地はありますか……」
エデンはあくまで己は快人の母であるというスタンスではあるが、快人を心行くまで愛でるために恋人という立場が必要なのであれば、それを手に入れるのも一考したいとは考えていた。
ただそこはあくまで快人の意思を優先するので「果たして母たる私を恋愛対象として見れるのか」などと、見当違いの思考を巡らせつつ姿を消した。
それを見送った後で、シャローヴァナルはポツリと呟いた。
「厄介な相手はこれで牽制完了ですし、スーパーWINプランの実行は問題なさそうですね。あとは細かな部分を詰めて、細部の調整は時空神に任せるとしましょう」
シリアス先輩「さて、どう見るべきか……天然神がヤバいこと考えているとみるべきか、頭イカレタヤベェ神に変な目標を与えてしまったとみるべきか……あと、さりげなく胃痛かまされるクロノア」




