表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした  作者: 灯台


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1622/2541

迷子のハイエルフ③



 フォルスさんの話には……というか、方向音痴っぷりには呆れる部分もあるし、ラグナさんが出歩くなと言った気持ちも凄くよく分かった。


「……まぁ、要するにハイドラ王国に行きたいってことですよね?」

「ああ、その通りだ。建国記念祭にはまだ日があるが、引きこもりの私を引っ張り出すなどをいう仕打ちをしているのだから、数日城に滞在させるなり宿代を出すなりはしてくれるだろうし、ハイドラ王国の首都に辿り着けさえすればあとはどうとでもなるさ」

「素朴な疑問なんですけど、フォルスさんって転移魔法は使えないんですか?」


 フォルスさんは人界でも屈指の魔導師であり、森の賢者という異名を持つほどだ。ならば転移魔法が使えてもおかしくないとは思うのだが……転移魔法は本当に得手不得手がハッキリしているので、使えないという可能性も高い。

 というか、転移ゲートで移動しようとしているあたり使えないだろうが……。


「うん? ああ、問題なく使えるよ」

「…………う~ん」

「おや? どうしたんだい、その苦虫を噛み潰したかのような表情は?」


 おかしいな。ここでYESという返答が返ってくるはずがないんだけど……だってそれだと、転移魔法使ってハイドラ王国行けばいいで話が終わっちゃうからね?

 ここは、フォルスさんが転移魔法が使えないという前提があるからこそ、長々と遭難していたり迷っていたりという過程が成立するわけで……転移魔法が使えてしまうと「じゃあ迷った時も転移で移動しろよ」という結論に達してしまう。


「……なんで、転移魔法が使えるのに迷ってるんですか?」

「ああ、いや、説明が足りなかったね。転移魔法は確かに使えるが、私は転移魔法が苦手なんだよ。ああ、この場合の苦手というのは適性的な面で使用が大変という意味では無くて……私は極度に転移酔いしやすい体質でね。転移魔法で移動するとほぼ確定で胃の中身が全て外に出るぐらい酔うのだよ。転移魔法と転移ゲートでは転移の方式が異なるのは君も承知のことだとは思うのだが、転移ゲートの方では酔わないんだよ。あまり詳しく究明はできていないが、その方式の違いが酔う酔わないの要因になっているとは思うのだが……正直、いかに私でもこれを実験して検証するのはあまりしたくなくてね。本当に転移酔いが酷いんだよ……吐くだけならまだしも、しばらく気持ち悪さが継続して頭が回らないのでね」

「ああ、そういうことだったんですね」


 車酔いが酷い人みたいな感じで、転移魔法自体は使えるが体質的な相性が悪くて使いたくないということみたいだ。それなら納得できる部分も多い。

 迷った際にも転移魔法を使うという選択肢は当然思い浮かぶのだろうが、今見る限りでも思い出すのも嫌と言った感じなので、マジで酷い酔い方をするのだろう。


「あ~でもそういうことなら、俺が転移魔法具を使ってハイドラ王国に連れていくってわけにもいきませんね」

「そうだね。できれば容赦してもらいたいね。君の転移魔法の登録地点が何処かは知り得ないが、私も体裁などを捨てているわけでもないのでね。往来で悲惨な注目を集めるのがごめんこうむりたい」

「転移ゲートは大丈夫なんですよね?」

「ああ、それはまったく問題ない。余談だが、転移門と呼ぶ人も居れば転移ゲートと呼ぶ者もいるし、気分によって言い分ける者もいる。この呼び方の差はなんだろうね? 地域ごとに特色があるのかなども含めて、調べてみたいものだ。もしかすると、それ以外の第三の呼び名が見つかる可能性もあるね」


 転移魔法が苦手なフォルスさんをハイドラに連れていくには、転移ゲートを使うのが最適解だ。俺の家にある門型の魔法具はどうだろう? 分からないな……俺は転移酔いとか特にしないので、そもそも体感で普通の転移魔法と転移ゲートの差が分からない。

 駄目だった場合が可哀そうすぎるので、ここは無難に転移ゲートを使うのがいいだろう。


「じゃあ、飲み終わったら転移ゲートまで案内しますよ」

「ああ、いや、君にそこまでしてもらうのは申し訳ないね。道だけ教えてくれれば問題ないよ。これでも、エルフ族の長だからね。建国記念祭などでシンフォニア王都には来ることもあるから、それなりに道は分かっているつもりだよ」

「なるほど……じゃあ、飲み終わったら一緒に移動しましょうね」

「……おかしいな? いまの私の発言に対して、なぜその形式の返答が来るのだろうか? 聞こえなかったのか、聞き取れなかったのか……再度言うことにしよう。君に迷惑をかけるのも申し訳ないし、場所だけ教えてもらえれば――」

「飲み終わった後で、一緒に!! 行きましょうね!!」

「――あ、はい」


 俺はそれほど深くフォルスさんのことを知っているわけではないが、確信を持って言えることがある。ここで言葉通りに道だけ教えたら、この人は絶対迷うと……。




シリアス先輩「思ったんだけど、勇者パーティって戦闘力は凄くても私生活はポンコツなのが多いよな。まともなのはラグナだけでは?」

???「超絶美少女義賊ハプティちゃんがいますよ?」

シリアス先輩「サボりぐぜがあるとはいえ、やはりラグナだけがマシか……」

???「……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
米探しの勇者 若いのに年寄りぶり戦士 失敗と間違いだらけの賢者 迷惑行動だけの盗賊 厨二拗らせ気味の魔王 碌でもない討伐戦だったと、改めて気付く
小数点以下の確率で、ロリハイゲロフに需要あるかも?
[一言] 更新お疲れ様です!連続で読みました!フォルスさんが此処に来るまでの間が思ってた以上でした汗) 快人さんが此処で一緒に行く内容を言わないと絶対に迷子になるなぁ 次も楽しみに待ってます!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ