ネピュラの新作②
ネピュラの新作であるロイヤルミルクティー専用の茶葉。思い立ったが吉日ということで、さっそくアインさんとジュティアさんにプレゼントしに行こうと思った。
ネピュラのことを自慢したいという気持ちが大いにある……というかほぼそれがメインである。子供自慢したい親の気持ちが分かる気分だ。いや、別にネピュラは俺の子供というわけでもないのだが……。
というわけでアインさんとジュティアさんに内容は伏せて、時間があるかどうか聞いてみた。ここで重要なのは用件はあえてぼかすという点である。茶葉に関してはサプライズ感を大事にしたいという気持ちによるものだが、もちろんそれだけではない。
ふたりの予定を伺うにあたって「用事があるので予定が空いているか確認したい」という感じに尋ねた場合……ジュティアさんはともかく、アインさんはクロが絡まない限りは他に予定があっても俺を用事を優先するのが確実である。
さすがにパンドラさんが言ってた「俺の都合に合わせるのが十魔として当然」みたいな極端な話ではないが、他の予定を後回しにしてでも俺を優先してくれるのは確実なので、ありがたくも申し訳ないため、とりあえず「いまなにをしているか」を尋ねるハミングバードを飛ばした。
アインさんは世界メイド協会の意見交換会に出席しているらしい……よし、アインさんは後回しだな。ちょっとその現場には関わりたくないので、頑張ってくださいとだけ返信しておく。というか意見交換会の最中の割に爆速で返事きたんだけど……なんともアインさんらしい。
それからやや遅れてジュティアさんからも返事が来た。ジュティアさんは現在リグフォレシアの精霊樹の森に居るとのことだった。
これは運がいいかもしれない。リグフォレシアなら転移魔法で移動できるし、精霊樹の森の場所も宝樹祭で訪れたので知っている。
ジュティアさんの元を訪れるのがいいかと思って、予定の確認をしてみるといまは特に予定は無いとのことで、会いに来ても問題なとのことだったので、さっそくリグフォレシアの精霊樹の森に行くことにして転移魔法具を起動した。
リグフォレシアに転移して少し歩いて移動する。精霊樹の森へ行くのに、リグフォレシアの街中を通過する必要は無く、転移地点に登録している正面門の位置から大きく右に回り込むような形で移動する。
これは本当に助かる。俺はリグフォレシアでは変に有名になってしまっているので、あんまり街中を歩きたくない……なんか、ノインさんの気持ちが少しわかる気がする。
いっそなんか、認識阻害魔法が使えるような魔法具とかあればいいんだけど……難しいかな? 伯爵級レベルのノインさんでも苦手で使ってないって言ってたということは高度な魔法なんだろうし、そもそも魔法具があるならノインさんが使っている。
最初にアルクレシア帝国に行った際に隠密が使っていたマントみたいなやつに認識阻害の効果があるかと思っていたが、アレはあくまで魔力を認識させないようにするだけで姿を隠していたのは隠密の技術らしいので俺が使っても意味がない。
(そんな快人さんに朗報です。なんと、いまなら私とラブラブデートを1回するだけで、認識阻害魔法の効果があるアクセサリーが手に入ります。さらに泊りがけのデートなら、情報隠蔽魔法の効果もおまけで付きますし、いまだけ同じものをもうひとつプレゼントします)
なんか、変なテレビショッピングみたいな宣伝してきた!? い、いや、しかし……正直欲しい。使いどころも多いし、おまけでもうひとつ貰えればノインさんにプレゼントすることもできる。
あと、別に俺が困ることはなにひとつない。恋人であるシロさんとデートをするのなら、別にそんな交換条件が無くても普通に了承する。
……ただ気になるのは、ラブラブという頭に付いた文字である。あくまで俺の直感ではあるが、なんか企んでる気がする……というかなんか、変な知識を仕入れてきている気がする。
シロさん、デートは別に構わないですし泊りがけでもまったく問題は無いのですが……どういうものにするご予定で?
(ドキッ、ふたりきりの湯煙温泉旅行1泊2日です)
凄いこと言い出したな……そして、抑揚ゼロで「ドキッ」とかいうので棒読み感が半端じゃない。
(以前快人さんと利用した温泉を改良しました。温泉旅館も本格的な形にして、専用の空間を作って広大な自然も作りましたし、富士山も作りました)
すげぇこと言い出したぞ……というか、仮にまったく同じ形状の山だとして、異世界に作ったものを富士山と呼称するのは正解なのか? いや、まぁ、そこはどうでもいいか……というか、既に作ってるってことは、そもそも俺がOKする前提では?
(駄目ですか?)
その聞き方は、もの凄く卑怯だと思います。いや、さっき言った通りデートは喜んで、後泊りがけでも問題はないです。
(では決まりですね。日程はまた後程……約束の品もその際に贈ります)
はて? ジュティアさんに茶葉を送りにリグフォレシアに来たはずが、なんかシロさんとの泊りがけ温泉旅行が確定したという不思議な事態ではあるが……まぁ……いいか。
???「見てください。外出て歩くだけでしょっちゅう唐突なイベントが発生して乗り越えてきた主人公です。面構えが違います」
シリアス先輩「突発イベント耐性が高すぎる」




