ネピュラの新作①
よく晴れた日の昼下がり、俺はネピュラとイルネスさんに呼ばれて裏庭にあるテーブルの席に座っていた。なんでも、今回は新作のお披露目ということらしい。
うん。なんかまた新しいものを作ったらしい。今度はなんだろうか? ガラス製品とか? あるいは裏庭に見覚えのない木が何本が増えてるので、その辺りが関係しているのかもしれない。
「主様、お待たせしました!」
「ううん。新作って話だけど……」
「はいぃ。こちらですぅ」
「……えっと、これは……ミルクティーですか?」
イルネスさんが俺の前においてくれたティーカップには、ミルクティーっぽいものが注がれた。甘く柔らかい香りが漂ってくる。ミルクティーはあんまり飲んだことは無いけど、これは間違いなく美味しいミルクティーだと香りだけで確信できた。
「ロイヤルミルクティーですぅ」
「ふむ……不勉強ですみません。ミルクティーとロイヤルミルクティーってどう違うんですか?」
なんとなく、イメージ的にはロイヤルミルクティーの方が高級感がある印象だが、具体的にどう違うのかは知らない。
そう思って尋ねると、ネピュラが軽く頷いて説明してくれる。
「ミルクティーは普通にお湯で抽出した紅茶に、ミルクを混ぜたものです。対して、ロイヤルミルクティーは少量のお湯で茶葉を開かせた後、ミルクを使って抽出するものですね」
「なるほど……」
物凄く簡単に言ってしまえば、紅茶メインでミルクを足すのがミルクティーで、ミルク主体の紅茶がロイヤルミルクティーって感じかな?
とりあえず冷める前に一口飲んでみると……これはまた非常に濃厚なミルクの味わいに紅茶の風味が綺麗に溶け込んでいて、思わずホッと息を吐いてしまいそうなどこまでも優しく心地よい味わいだった。
「……美味しい。ロイヤルミルクティーってあんまり飲んだことは無かったですけど、こんなに美味しいんですね」
「くひひ、それは~ネピュラが作った茶葉の影響も大きいですぅ」
「はい! 妾が新しく作った茶葉は、ロイヤルミルクティーに適したミルクで抽出した時に最高の味わいとなる茶葉です。通常はお湯を使って茶葉を開かせてからミルクで抽出しますが、この茶葉はミルクのみでかつ低温でも簡単に抽出可能な茶葉です。その気になれば冷たいロイヤルミルクティーを作ることもできます!」
「それはまた、凄そうな茶葉だね。流石ネピュラは凄いね」
「妾は絶対者ですからね!」
胸を張るネピュラの頭を軽く撫でつつ、ロイヤルミルクティーを飲む。なるほどロイヤルミルクティー専用の茶葉か、しかも聞いた感じだと通常では難しいような条件でも抽出ができるらしい。
聞くだけで凄い茶葉だけど、ネピュラは植物の精霊だしなんか品種改良とかそんな感じのこともできるのだろう。なにせネピュラは凄いので、まったく新しい茶葉を作り出したとしても不思議ではない。
「これも~本当に面白い茶葉ですよぉ。ロイヤルミルクティーに特化しているのでぇ、お茶で抽出すると~逆に変な味になるんですぅ。まさにロイヤルミルクティー専用の茶葉と言えますねぇ。お嬢様も~ロイヤルミルクティーはお好きなのでぇ、後で~試飲していただくつもりですぅ」
「……なるほど、けど凄い茶葉だとしたら、またアインさん辺りが欲しがるんじゃない?」
「その辺りは抜かりありません。あらかじめ多めに作っておいたので、欲しい方がいても対応できますよ。主様にも何缶か渡しておくので、欲しがる方がいたら差し上げてください」
「分かった。ありがとう、ネピュラ」
実際アインさんはかなり喜びそうだし、紅茶好きなジュティアさんも欲しがるかもしれない。とりあえず、パッと思い浮かんだそのふたりには、こちらから私に行くことにしよう。
シリアス先輩「いままで無かったまったく新しい茶葉の気がする→まぁ、ネピュラは凄いし品種改良家なんかしたんだろう……う~ん、この親バカモード。ネピュラの作品に関しては安定のガバガバ判定である」
???「ロイヤルミルクティーでリリアさんの胃に穴が開かないといいですね」




