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勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした 作者:灯台
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高スペックだ

本日は二話更新です。これは二話目なのでご注意を。
 クリスさんとの話を終え、クリスさんにお礼を告げ……また今度遊びに行く約束をしてから、部屋の外に出る。

「すみません、お待たせしました」
「いえ、クリス陛下とのお話はもう良いんですか?」
「はい」

 流石皇帝であるクリスさんに用意された部屋だけあって防音性は完璧のようで、外に居たリリアさんには俺とクリスさんの話は聞こえていなかったらしい。
 別に聞かれて困る類の話では無かったと思うが、リリアさんの話題も出ていたのでなんとなくバツが悪い。

 そして改めてリリアさんと一緒に移動し、王宮の中でも一際と言って良いほど大きな扉の前までやってくる。
 この扉の向こうで前国王夫妻……リリアさんの両親が待っているらしい。
 なんだろう、別に悪い事をした訳じゃないのに緊張してしまう。

 しかしリリアさんは特にそんな様子もなく、扉をノックしてから開く。

「失礼します」
「し、失礼します」

 リリアさんに続いて中に入ると、そこには四人の男女が待っていた。

「おかえりなさい、リリアンヌ……いえ、今はリリアでしたね。新年の夜会以来ですね」
「ご無沙汰しております。母上」

 穏やかに微笑みを浮かべて話しかけてきたリリアさんと同じ明るい金髪で、リリアさんを少し成長させた感じの、大人の色気溢れる物凄い美女。
 え? アレが、リリアさんのお母さん? 若っ!?
 ちょ、ちょっと待て、リリアさんて22歳だよね? そして前王妃は長く子宝に恵まれなかった……少なくともライズさんが生まれた時期には、もう王妃だった筈。
 ……って事は、50歳位? 嘘だろ……見た目は30代、いや20代と言われても信じてしまいそうだ。

「久しいな、リリア。顔が見れて嬉しいぞ」
「父上もお元気そうで安心しました」

 そう言って話しかけてきたのは、立派な顎鬚を生やした白髪の男性。
 深い経験を感じさせる渋い、初老のダンディーな人。コレはまた、若い頃はかなりの美男子だった事が容易に想像できる。
 リリアさんの家族って、スペック滅茶苦茶高いな……流石王族と言うべきだろうか?

 そして前国王は、リリアさんに挨拶をした後、俺の方を向きゆっくりと頭を下げる。

「よく来てくれましたミヤマ殿、こうしてお会いできた事、光栄に思います。ロータス・リア・シンフォニアと申します。よろしければ、以後お見知りおきを」
「私はダリア・リア・シンフォニアと申します。ミヤマ様のお噂はかねがね。ご尊顔を拝見出来て光栄です」
「あ、はい! み、宮間快人です。よろしくお願いします」

 非常に丁重に挨拶をしてくれた前国王夫妻に、俺は緊張して背筋を伸ばしながら言葉を返す。
 そしてその挨拶が終わるタイミングを待っていたかのように、残る二人が俺の方に一歩進む。

「リリア姉様、おかえりなさい。そしてミヤマ様、お初にお目にかかります。アマリエ・リア・シンフォニア……シンフォニア王国の第一王女にして、第一位王位継承権を保持しております。リリア姉様の姪です」

 美しいドレスの裾を摘み、優雅に挨拶をしてきたのは、ダークブラウンの長髪を緩くカールさせている美少女……明るい赤色の瞳が国王陛下を思い出せる。
 そしてこの方……アマリエ王女が、第一位王位継承権を持ってるんだ。
 少し違和感は覚えたが、基本的に王子が第一位と言うのは俺の勝手な偏見であり、女性の多いこの世界ではクリスさんのような女性の王と言うのも珍しくはないみたいだ。

「最後になりましたが、リリア姉様、おかえりなさい。ミヤマ殿、お目にかかれて光栄です。第一王子のオーキッド・リア・シンフォニアと申します」

 こちらもアマリエ王女と同じダークブラウンの髪の、物凄い美青年が丁重に頭を下げて自己紹介してきた。
 どうでもいいけど、本当にリリアさんの家族は美形揃い過ぎる……俺完全に浮いてるじゃん、アイドルグループの中に一般人が放り込まれた感じになってるよ。

「よろしくお願いします。アマリエ王女、オーキッド王子」
「ミヤマ様、王女など不要です。どうぞアマリエとお呼びください」
「私も同様の思いです」
「あ、はい。では、アマリエさんとオーキッドさんで……あっ、俺の事も快人と名前で呼んでもらって大丈夫です」

 な、なんか落ち着かないな……相手は王族、この国でも凄く偉い方々なのに、まるで俺の方が上みたいに丁重に話しかけてくるのには、非常にいたたまれなくなる。
 だって、俺そういう風に評価されているのは、俺が凄い訳じゃなくてクロやアイシスさんが凄いだけで、まるで虎の威を借る狐みたいでなんか申し訳ない。

 前国王夫妻もアマリエさん達と同様に呼んで欲しいという事なので、恐れ多く感じながらもロータスさん、ダリアさんと呼ばせてもらう事にした。

「……ミヤマ様、リリアがいつもお世話になっております。母として、お礼を言わせて下さい」
「い、いえ、むしろお世話になってるのは俺の方で……」
「この子は、学力や武力は天才的なのですが、昔から少々おてんばで……今だ婚姻も結んでおらず、母としては心配していました」
「……ちょ、ちょっと、待ってください母上……い、一体何を……」

 挨拶が一通り終わったと思ったら、ダリアさんが穏やかな微笑みを浮かべたまま優しい声色で告げ、リリアさんはなにやら焦った表情を浮かべる。

「どうか、リリアを『後妻』として可愛がってやって下さい」
「……は?」
「母上!? 何を言ってるんですか!?」
「大丈夫ですよ、リリア。母はちゃんと分かっております。こうして少し話しただけでも、ミヤマ様の人柄は伝わってきます……幸せになるのですよ」
「何一つ分かってないじゃないですか!?」

 ダリアさんが穏やかに告げた衝撃的な発言を聞き、リリアさんは顔を真っ赤にして叫ぶ。

「父としては……いくつになっても、娘が嫁に行くというのは寂しいものだが……リリアの幸せを思えば、我慢もできる。リリア、偶には顔を見せにくるように」
「父上までっ!?」
「ミヤマ殿、どうかリリアをよろしくお願いします」
「へ? あ、えっと、はい」
「カイトさんも流されないで下さい!?」

 完全に父親の顔になり、深く頭を下げてきたロータスさんに思わず頷くと……リリアさんに叱られた。
 な、なんだろう、この状況は……大きな勘違いをされている気が……

「リリア姉様、羨ましいです。カイト様のような素敵な殿方を射止めるとは……」
「アマリエ……良いですか、貴女は大きな誤解を……」
「あっ、カイト様! 勿論私も、カイト様がお望みとあれば、この身を奉げる所存です!」
「何を言ってるんですか、貴女は!!」

 なんか物凄く置いてけぼりを喰らっている気がする。
 飛躍した話を始める家族の誤解を解こうと、リリアさんが必死に叫んでいるのを見ながら茫然としていると、オーキッドさんが声をかけてくる。

「カイト殿、どうぞこちらにおかけ下さい。ああなると長いので……」
「あ、ありがとうございます。オーキッドさん」
「オーキッドを呼び捨てにしていただいて構いませんよ? 見た所歳もそう変わらぬでしょうし、口調も話しやすいもので構いません」
「……えっと、じゃあ、オーキッドって呼ぶよ。その代わり、俺の事も呼び捨てにして欲しい」
「分かりました。今後、カイトと呼ぶ事にします」

 絵になるイケメンスマイルを浮かべながら、オーキッドは小さめのテーブルに移動し、俺と向かい合う形で座る。
 まだリリアさん達は、言い合っているみたいで、非常に大きな声が聞こえてくる。

「……いつも、あんな感じなの?」
「ええ、まぁ……ロータス様とダリア様は、リリア姉様が結婚していない事をいつも心配していますので……アマリエ姉様は……まぁ、人の色恋沙汰に首を突っ込むのが好きな方ですから」
「……成程」

 とりあえずは除け者にされた同士と言う事で、オーキッドと雑談を交わしながら、四人が落ち着くのを待つ事にする。
 オーキッドは正に物語に登場する王子様と言った感じで、爽やかで性格の良いイケメンだった……何その隙の無いモテ要素……リア充か? リア充なのか?
 よし、爆発し……あ、いや……アイシスさんと言うとんでもない美少女から好意を寄せられてる時点で、俺もリア充の部類だった……

 拝啓、母さん、父さん――リリアさんの家族と出会って、少し会話をしたよ。特にオーキッドとは気が合う感じで、仲良くなれた気がする。しかし、それにしても美男美女ばかり、リリアさんの家族は皆――高スペックだ。

















え? シリアス先輩? 誰それ?

余談:リリアの家族は、皆花の名前からとっています。

リリア……リリアン(ルピナス)
ライズ……ムーンライズ(ハイビスカス)
ダリア……ダリア(キク科)
ロータス……ロータス(蓮)
アマリエ……アマリリス(花水仙)
オーキッド……オーキッド(ラン科)

と言った感じです。
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