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クロノアさんは不憫な方だ

本日は二話更新です。これは二話目ですのでご注意を

 シロさんとのデートが始まり、場面は突然海へと変わった。

 うん、自分でも何言ってるか分からないけど……事実なので仕方が無い。


「……海ですね」

「はい。海です」

「……でも、これ、泳げなくないですか?」

「泳ぐ? ……ああ、成程」


 そう、シロさんが連れて来た場所は、海は海でも……白い砂浜広がる海水浴に適した場所では無く、断崖絶壁の上だ。

 海に行きたいと言うのでてっきり海水浴かと思ったが、単なる思い付きだったらしい。


 そしてシロさんは再び俺の方をジッと見る。たぶんまた俺の記憶を覗いているのだろう、しばらく沈黙して何かに納得したみたいに頷く。

 そしてシロさんが軽く指を振ると、大地が震え……断崖絶壁が砂浜に変わった。えぇぇぇ!?


「これで問題ありませんね」

「いや、大ありだと思うんですけど……」

「後で戻すので大丈夫ですよ?」

「そういう問題っ!?」


 一瞬で大地を造り変えるって、この方本当にチートだよ、今まで見て来たとんでもない方々が霞んで見える程の凄まじさだ。

 白い砂浜に変わった光景に、唖然とする俺の前でシロさんは俺の方を向き指を振る。


 すると俺の服装がトランクスタイプの水着に変わる……もう、この方に驚くのは止めよう。本当に。何でもありだ。

 そして自分の格好に驚いた後、シロさんの方に視線を向け……


「ッ!?」


 言葉を失った。

 シロさんの服装もいつの間にか水着に変わっていて、白色のフリルが付いた水着に、青い模様の入ったパレオ、頭にはちゃっかり麦わら帽子までかぶっている。

 普段は法衣に隠れている芸術的なまでに美しい肌が露出され、豊満な胸が露わになっており、まるで後光でもあるような神々しさだった。


「これで、海水浴ができますね」

「え? あ、ああ、はい、そそ、そうですね!?」

「どうしたました?」

「あ、いえ!? 別に……」


 急に話しかけられて、自分でも分かりやすい程緊張してしまった。

 あまりにもシロさんが綺麗で、見とれてしまっていたとはとても言えない。


「それは、ありがとうございます……というべきですか?」

「……心読まないで下さい」


 物凄く恥ずかしい。何この羞恥プレイ?

 こっちの感想が全部伝わるとか、改めて考えても凄く恥ずかしい……ま、まぁ、相手はシロさんだし、仕方が無いと言えば仕方ないか……


 色んな意味で顔を赤くする俺の前で、シロさんは気にした様子もなく、パラソルやビニールシートを出現させる。

 そして、俺の方を振り向き無表情のままで告げる。


「では、泳ぎましょうか」

「あ、はい。そうですね」

「その前に……」

「へ? えぇぇぇ!?」


 シロさんが指を振ると、海の中から魚やら数メートルはありそうな巨大な海蛇が浮かび上がり、そして消える。


「海水浴の間だけ移動してもらいました」

「……どこへ?」

「『今造り出した』別の海です」

「……な、成程……」


 驚くのは止めようと思ったばかりだが、ごめんやっぱ驚いた。

 ま、まぁ、ここはプラスに考えよう。泳ぐ際の危険が無くなったんだと、そう思う事にしよう。


 ともあれ気を取り直して、シロさんと共に海に入る事にする。

 ここが何処の海かは知らないが、水温はやや高めで気持ちが良い。

 あれ? そう言えばシロさんの髪って、膝下まである程長かった気がするんだけど、泳ぐ時に邪魔になったりしないんだろうか?


「シロさ――っ!?」

「どうしました?」

「い、いえ……」


 シロさんの方を振り向くと、海水に浸かったシロさんの髪は、元々煌くような銀白色の髪が濡れて艶を増し、太陽の光を受けて輝いている。

 ただ海に入っているだけなのに、絵画みたいに芸術的な光景だった。


 本当にこの方の容姿はズルすぎると思う、行動一つとっても絵になるとか……

 長い髪は水に浸かって広がっているが、当のシロさんは気にした様子はない。


 そしてそのまま何をするでもなく、シロさんと一緒に水の中を漂う。

 シロさんは相変わらず無表情のままだが、口角が僅かに上がっているので楽しんではくれているみたいだ。


「ところで、カイトさん?」

「なんですか?」

「ポロリという……乳房を出す行為は、行った方が良いのですか?」


 何かまた突然とんでもない事言い始めたんだけど!? 変な記憶読みとらないで下さい!?

 てか、確かにお約束とは言いますけど……宣言してやるような事じゃないですからね。


「……駄目です」

「なりません! シャローヴァナル様! そのようなふしだらな!?」

「……何で居るんですか、クロノアさん?」

「……世界中の海を探した……流石に疲労が溜まった……」


 突然現れたクロノアさんは、海の上に立っていて、シロさんに慌てた様子で話しかけていた。

 どうもシロさんが海へ行くと宣言して消えた後、世界中の海を探しまわったみたいで、よく見ると額に汗をかいているし肩も上下に動いている。

 ただ、えっと、非常に申し上げにくいんだけど……海に入っている俺の前で、海の上に立たないで下さい。その……見えそうです。


 目のやり場に困るクロノアさんの登場で、俺の動揺も大きくなる中、シロさんは相変わらずの抑揚の無い声で告げる。


「丁度良いです。時空神、もうすぐ昼食の時間なので用意してほしいものがあります」

「はっ! 何なりと!」

「では、『海の家』を」

「……は? え、えっと、不勉強で申し訳ありません。シャローヴァナル様、そのウミノイエというのは、一体どういった料理なのでしょうか?」

「料理では無く、海の家です」

「……は、はぁ……」


 なんか無茶苦茶な要求し始めたんだけど!? 海の家って、いや確かに海水浴の定番だけど、ここ異世界!? クロノアさんも料理名だと思ってるし!?

 これ、ある意味パワハラなんじゃなかろうか……ともかく、これは俺が助け舟を出さないといけない気がするが、海の家の説明ってどうすればいいんだ?


「えっと、クロノアさん。海の家というのは、俺の世界にある……な、何て言えば良いのか、小さな食堂みたいなものです」

「な、成程……して、シャローヴァナル様、その食堂はどのような外観でしょうか?」

「海の家の外観です」

「……ミヤマ、頼む。助けてくれ」

「あ、はい」


 クロノアさんが不憫すぎる!? シロさん全然行間読んでくれないから、全くイメージが伝わってないよ!?

 えっと、どうしよう……俺の頭に思い描く光景をそのまま伝えられたらベストなんだけど……あっ、そうだ。


「シロさん、俺の記憶にある海の家の情報を、クロノアさんに伝達とかできます?」

「可能です」

「じゃあ、それをお願いします」

「分かりました」


 シロさんが頷くと同時に、クロノアさんがやや驚いた表情を浮かべる。

 恐らく俺の記憶が伝達されたのだろう、そして少し沈黙した後でシロさんの方を向き片膝をつく。


 どうでもいいけど、海の上で片膝付いて、水に浸かっているシロさんに頭下げる光景はなんだかシュールだ。


「理解いたしました。必ずや、シャローヴァナル様にご満足いただける物をご用意いたします」

「よろしくお願いします」

「はっ! ところでミヤマ……」

「え? あ、はい?」

「あまり我が言う事ではないかもしれぬが……幼少以降あまり出歩いていないのは褒められんぞ、健康にも悪かろう」

「……あ、はい」


 いらん記憶まで伝達するな!? ぼっちを心配する教師みたいな顔してるじゃないかクロノアさん!?

 微かに哀れみの籠った視線に晒され、何とも言えない居心地の悪さを感じつつ頷く。


 そして、クロノアさんが海の家を準備する為に移動しようとした時、シロさんが口を開いた。


「待ちなさい、時空神」

「は? はい! なんでしょうか?」

「その服装は駄目です」

「は? 服装、ですか?」

「はい。海では水着になって下さい」

「……は? なぁっ!?」


 そう言ってシロさんが指を振ると、クロノアさんはいつも来ている長袖の法衣……全く肌が露出していない恰好から、スレンダーな体形がハッキリと分かるスポーツタイプの水着へと変わる。

 クロノアさん腰細っ!? 本当にモデルみたいだ……


「しゃしゃ、シャローヴァナル様!? い、いい、一体何を!?」

「海では水着です」

「しし、しかし!? わ、我は、肌が露出する女らしい服など、に、似合いませぬし……」


 クロノアさんは大慌てで、水着の胸と下半身を手で隠し、顔を真っ赤に染めながら言葉を発する。

 しかしそこは天然女神、全く気にした様子もなく、俺の方を振り返る。


「どう思います? カイトさん?」

「へ? あ、ええっと……」

「み、ミヤマからもハッキリ言ってくれ! 我にこのような格好など……」

「いえ、クロノアさんはスラッとスレンダーですし、その水着はよく似合ってて、綺麗だと思いますけど?」

「なぁっ!? み、ミヤマ!? お、お前まで、我をからかうのか!? ふ、ふしだらな!!」


 あれ? ひょっとして、クロノアさんって……女性らしい扱いされるのに慣れてない、とか?

 何か明らかに動揺しているし、普段からは想像もできない程恥ずかしそうにしてるし……


「では、準備をお願いします」

「し、しかし、この格好は……」

「準備をお願いします」

「……か、畏まりました。直ちに」


 淡々と告げるシロさんの言葉を受け、クロノアさんは真っ赤な顔のままで、諦めたように肩を落とす。

 うん、力関係がありありと伝わってくるというか、なんと言うか……クロノアさん、可哀想。


 拝啓、母さん、父さん――海でもシロさんは相変わらずチートな上に天然で、現れたクロノアさんにさっそく無茶振りしてたよ。いや、本当に――クロノアさんは不憫な方だ。























いわれない羞恥プレイがクロノアを襲う。


作中内の胸の大きさ序列(適当)


ライフ=リリウッド

~Eカップの壁(以下Dカップ)~

シャローヴァナル>陽菜

~Dカップの壁(以下Cカップ)~

フェイト>アニマ>リリア>葵=ルナマリア>イータ=シータ

~Cカップの壁(以下Bカップ)~

ノイン>ジーク>クリス>アイシス

~Bカップの壁(以下Aカッ)~

アイン>アリス>クロムエイナ

~膨らみの壁(以下絶☆壁)~

ラズリア>クロノア



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― 新着の感想 ―
このエピソードのクロノアさんの水着がコミカライズされる日を楽しみにしていますw
[一言] 正直何度も何周も周回してるけどここの最後のバストリストは微妙では? あえていうとEカップなんてあんまし巨乳とするには小さすぎでは? 最近の高校生中学生ですらHとかJまでいるのにさ、すごく大き…
[一言] 生真面目なキャリアウーマンの 照れてもじもじしてる水着姿からしか 摂取できない栄養素があると思うんですよ
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