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競技後の打ち上げ①



 フライングボードの表彰式が行われ、優勝した俺たちを含め上位5チームはそれぞれ表彰されて賞金が渡された。

 賞金に関しては葵ちゃんと陽菜ちゃんにあげればいいと思っていたが、ふたりとも納得しなかったので三等分することになった。

 ちなみに2位はスカーレットブルーである。ブラックマスカットがリードしていたのだが、ゴール直前の攻防で差し切る形で追い抜き、2位に輝いたらしい。


 そして大会自体は表彰式で終了となるのだが、ここからは地元の方々の厚意によって、打ち上げが行われる。強制というわけでは無いが、打ち上げに参加する選手たちも自主的に準備などを手伝っており、俺たちもそれに倣って手伝いをすることにした。


「……俺たちはあっちを手伝おうか」

「ですね。なんかいいですね、準備も皆でやるのって、文化祭の後夜祭とかを思い出しますよ」

「文化祭かぁ……文化祭……俺、文化祭にまともに参加したことないや」


 陽菜ちゃんの言葉に同意しようと思ったのだが……俺、高校で文化祭にまともに参加していなかった気がする。俺の学校は割と緩くて、クラスの出し物とかも強制参加ではなかったし、文化祭に行かなかったことも多かった。

 2年生の時に一回参加したけど、結局ロクに見て回ったりすることなく帰ったから少なくとも後夜祭の経験はないな。


「快人さんって、割と高校時代は不良のような感じですよね」

「い、いや、そこまでアレだったわけじゃなくて、ちょっといろいろ投げやりだったというか……とりあえず、この話はやめよう」

「あはは、快人先輩って高校時代の話は露骨に避けますよね」

「黒歴史みたいなもんだしなぁ……」


 実際高校時代のことは……いや、中学も含めてだが、思い出すと頭を抱えたくなるぐらいには黒歴史である。いや、人に迷惑をかけたりとかそういうのは……ほぼ無かったと思う。

 昌とかに迷惑をかけたと言われると、反論の余地もないが……概ね、やる気がないとか無気力な感じだったと思う。


 ま、まぁ、別に学校をサボッたりしたわけでもないし、テストで赤点とかを取ったこともない。受験シーズンに入ればMMOも止めてまともに勉強もしていたし……いや、まぁ、その辺りは学費を出してくれてるおじさんとおばさんに申し訳ないという気持ちが強くてそうしてたというのもあるが……まぁ、思い出すと悶えそうになる程度には黒歴史である。


「そういえば、あんまり聞いたことなかったけど、葵ちゃんや陽菜ちゃんは学校ではどんな感じなの?」

「葵先輩はアレですよ。なんていうか高嶺の花的な感じです。見てわかると思いますけど、美人でカッコいいですしかなりモテてましたね」

「……そんなことはないと思うけど?」

「よく告白されてるって話も聞きましたけど?」

「何度かされて断ったことはあるけど、よく告白されるなんてのは無かったわよ。周りが面白がって言ってただけよ」


 陽菜ちゃんの言う通り、葵ちゃんは間違いなくモテると思う。ただ、本当にパッと見は高嶺の花って感じの雰囲気なので、近寄りがたい雰囲気もあったのかもしれない。

 陽菜ちゃんは誰とでも仲良くなりそうというか、友達が多そうなイメージである。


「毎回好きな人が居るって告白を断ってたってのは?」

「それは本当よ。断る常套句みたいなものでしょ」

「そうなんですか? 私が聞いた話だと、初恋の人を忘れられな――あいたっ!?」

「陽菜ちゃん、そういうプライバシーを侵害するような発言はよくないと思うわよ」

「……いま魔法打ちましたよね? てことは図ぼ――」

「陽菜ちゃん?」

「――なんでもないです!!」


 葵ちゃんの反応を見る限り初恋の人が居るのも、いまもその相手を意識している感じなのも間違いない気がする。確かに、葵ちゃんって一途なイメージがある気がする。

 まぁ、本人が嫌がってるんだし、その話は聞き流しておくことにしよう。


「陽菜ちゃんはどんな感じなの? 俺のイメージだと、友達が多そうな感じだけど」

「いっぱい居ますよ。よく遊ぶのは同じ陸上部の子が多いですけど、クラスメイトとも仲は良いですよ」

「陽菜ちゃんは学校でもこんな感じで元気いっぱいですからね。いろんな人に好かれてますよ」


 そう言って葵ちゃんが補足するように、陽菜ちゃんは明るく人懐っこい性格で……なんというか陽キャって感じが凄いので、クラスカーストとかでも高い所に居そうな気がする。

 葵ちゃんもたぶん高い所に居るんだろうけど、葵ちゃんの場合は孤高なイメージかな?


「陽菜ちゃんもモテそうだけど……」

「う~ん、どうでしょう? って言っても、まだ高校入学して半年も経ってないですし、初大会に向けて部活に集中してたのもあって、告白とかされたことは無いですよ」

「そっか……そういえば、時期的に最初にこっちに召喚されたのも夏休み前だったし、そういう異性と仲良くなるには時間が足りないってのもあるか……」

「ですね。あと、私の好みは年上なので、そもそも高校生はちょっとって感じでもあります。20歳は越えててほしいですね」


 陽菜ちゃんは年上が好き。確かに陽菜ちゃんはなんとなく相手に甘えたいっていうところがあるから、年上好きというのも納得できるかも。

 なんだかんだで兄妹仲はよさそうな感じだったので、頼れる兄みたいな相手を求めているのかもしれない。まぁ、完全に想像ではあるが……。





シリアス先輩「おかしいな? なんか、どっちも快人のこと言ってるようにしか聞こえないんだけど……」

???「ヒナさんはともかくとして、アオイさんはガチでカイトさんのことですからね」

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― 新着の感想 ―
[一言] 葵ちゃんはシェルさん一筋だもんねぇ(*´∀`*)
[良い点] 翌日に連続で見ることに・・・ 絶対二人とも カイトくん目当て。葵ちゃんはわかってたけど [一言] シリアス先輩へ糖度のジャブいれてるのかな?
[一言] 葵ちゃんに関して言えば、大財閥の娘としか見られない環境に嫌気がさして始めたゲームでそういった背景関係なく親切にしてくれて無意識のうちに恋心を抱き、引退後もいつか帰ってくることを夢見て毎日短時…
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