挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした 作者:灯台
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

142/523

100万PV記念・IF番外編~クロムエイナ~

本日更新は四話、これは四話目なのでご注意を。

100万PVに到達し、大変嬉しかったので、特別番外編としてヒロイン達が現代にやってきた話を掲載します。
全部で五話、順番はクロムエイナ⇒アイシス⇒ジークリンデ⇒リリア⇒アリスです。
今回はクロムエイナ編です。

この番外編の補足事項

・快人とクロムエイナは結婚済み。
・快人は1年の後に元の世界へ戻り、クロムエイナもアインを連れて付いてきた。
・クロムエイナはデレてる。物凄くデレてる。
・IFなのでその状況になったら確実に付いてくるであろうアイシス等は居ない。
・ただいちゃいちゃしてるだけ、甘い。物凄く甘い。
・シリアス先輩は死んだ。



 まどろみの中で目を覚ます。
 ほのかに漂ってくる良い香りは、朝食のものだろうか……寝起きの少しぼやけた頭で空腹を感じつつ、自分の体にくっついている相手に声をかける。

「ほら、クロ……朝だぞ」
「んゅぅ……後『5年』……」
「長いわっ!?」

 反射的に突っ込みを放つと、クロは眠たそうに目を擦りながらゆっくり上半身を起こす。
 可愛らしい寝間着の隙間から覗く白い肌に少しドキリとしながらも、俺は呆れながら呟く。

「……体質的に睡眠の必要が無い癖に、何でねぼすけなんだよ……」
「……だって、カイトくんが昨日寝かせてくれなかったんじゃん」
「……そう言う話は止めよう」

 まだ寝ぼけているのか危険な発言をし始めたクロに、再び突っ込みを入れ、まだ眠たそうにしているクロの手を引っ張って寝室の外に出る。

 リビングに降りて来ると、いつも通りアインさんが朝食を用意してくれていたみたいで、味噌汁の良い匂いが漂ってくる。

「おはようございます。クロム様、カイト様」
「おはようございます。アインさん」
「アイン……おはよぅ~」

 俺達が現れると、アインさんは瞬く間にテーブルへ朝食を並べてくれる。
 味噌汁に卵焼き、焼き魚に白米……本当にこの方は、もう完全に日本料理を自分のものにしてしまっている。

 クロとアインさんが異世界からこちらに付いて来て、結構な時間が経ち二方もそれなりにこちらの世界に馴染んできたみたいだ。
 席について朝食を食べ始めると、クロの目も覚めてきたみたいで、いつも通りの調子に戻って来た。
 俺が箸を伸ばして卵焼きを取るのをじっと見た後、俺の方に向き可愛らしく口を開ける。

「あ~ん」
「……ほら」
「あむっ……う~ん、やっぱアインの料理は美味しいね」
「勿体ないお言葉です」

 俺が差し出した卵焼きをパクリと食べ、クロはニコニコと満面の笑顔を浮かべる。
 相変わらず行動がいちいち可愛いく、見ているとついつい微笑みが浮かんでくる。

「そう言えば、本日はクロム様とカイト様はお出かけになるんでしたね?」
「うん! デートしてくる!」
「夕方ぐらいには戻ると思いますので、夕食は家で食べます」
「畏まりました。用意をしてお待ちしておきます」

 丁重に頭を下げるアインさんには、本当にこの世界に戻ってからお世話になりっぱなし……いや、えっと……困った事も沢山発生させてくれたんだけど……
 例えば現在俺が住んでる家……元々マンションに住んでたんだけど、アインさんが「クロム様をこんな狭い場所で生活させられない」と言って、翌日に何処からか土地を手に入れ、一夜で豪邸を作ってしまった……本当にどうなってるんだこの方。

 ちなみにその一夜での豪邸建設は、現代の一夜城なんて騒がれメディアに取り上げられた。
 しかし翌日になると、何故か誤報であったと謝罪していた……絶対アインさんが何かやったんだと思うけど、怖すぎて聞けない。

 ともあれ今日はクロとの久々のデートだし、変な事は考えずに楽しむ事にしよう。



























「う~ん。本当にジドウシャってのは不思議だね。こんな鉄の塊が動くなんて」
「こら、馬鹿。『車を片手で持ちあげるな』……」

 俺の年齢から考えると分不相応な広さの車庫で、興味深そうに持ち上げた車を見るクロに突っ込みを入れる。
 クロは俺の言葉を聞いて車を降ろし、扉を開けて助手席に座る。
 現在クロは白いキャミソールワンピースにショートパンツを履き、黒色の袖の無いジャケット……確かダウンベストと言うんだったか? それを着ていて、活発なクロらしい可愛らしい服装だ。

「ちゃんと、シートベルト付けて」
「は~い」

 俺の言葉に従ってシートベルトを付けるクロ……うん、車で出かけるのもそれなりの回数になるし、クロも慣れてきてくれたみたいだ。
 初日に力加減が分からなくて、シートベルト引き千切った時にはどうしようかと思ったよ……

「よし、じゃあ、出発……」
「あっ、カイトくん待って!」
「え?」
「お出かけのチューは?」
「……」

 それ、俺だけが出かける時にするやつじゃないの? と言うかいきなり何言ってるんだ?
 大方またテレビで変な知識仕入れたんだろうけど、これは、困った……期待を込めてこちらを見つめてくるクロの視線に晒され、しばらく沈黙した後で、俺は観念してシートベルトを外す。

 クロは俺の動きをみてそっと目を閉じ、微かに顎を前に出す。

「……んっ、ちぅ……」

 柔らかく、とろける様に甘い唇に触れ、顔に熱が集まるのを感じつつ、クロの小さな肩を抱きしめる。
 そのまま少しの間、温もりを繋げるように口付けを交わした後、運転席に座り直す。

「……じゃ、出発しよう」
「うん!」

 満面の笑顔で頷くクロを見て気恥ずかしさを感じながら、車を出発させる。
 俺の家は街から少し離れた緑の多い場所にあるので、目的の場所までは30~40分といったところだろうか?

「ねね、カイトくん。今日はどこに行くの?」
「何か楽しそうだな」
「楽しいよ。毎日、毎日、凄く楽しい……こっちの世界に来てから、ジドウシャとかテレビとかビックリしてばっかりだけど、カイトくんが一緒だから本当に楽しいよ」
「……確かに、なんか出会ったころとは逆みたいな感じだよな」
「あはは、そうだね」

 俺が全く何も知らない異世界に召喚された時も、見る物、聞く物、何もかもに驚いていた覚えがあり、クロに色んな事を教えてもらった。
 こちらの世界では、むしろクロの方が何も知らない感じなので、アレコレと俺が教えている。
 色々な物を興味深そうに聞いてくるクロに説明するのは、何だかんだ楽しく……幸せだ。

「今日は美味しいクレープ屋が出来たって聞いたから、そこに行ってみよう。で、その後は色々食べ歩きでもしようか?」
「クレープ? クレープならボクも知ってるよ! あの薄いやつだよね、確かにフワフワしてて美味しいよね!」
「……ふふふ、たぶん驚くと思うよ」
「驚く? クレープで?」

 不思議そうに首を傾げるクロを見て微笑ましい気持ちになりつつ、目的地を目指して車を進ませた。

























「ふわぁぁぁ……す、凄い……凄いよ! カイトくん! こんなにいっぱいある!」
「ほら、驚いたろ?」
「うん! うわぁ、どれ食べよう……アレも美味しそうだし、そっちのも美味しそうだし……う~ん」

 キラキラと目を輝かせながら、クレープ屋の食品サンプルを見つめるクロ。
 その様子は子供の様に愛らしく、心から楽しんでいるのが伝わってくる。

 クロはしばらく悩む様子で唸り、注文する物を決めたみたいで俺の方を向いて頷く。

「……ボクは、このチョコレートクリームので!」
「ふむ、クロ、ちなみに二番目に食べたかったのは?」
「うん? あのストロベリーソースのだけど?」

 クロの要望を聞いて、俺は店員にチョコレートクリームのクレープとストロベリーソースのクレープを注文する。
 クレープ屋の前は公園になっているみたいで、片手にクレープを持ち、空いている手でクロと指を絡める様に手を繋いで歩く。

「うわぁ、美味しい! カイトくん、これすっごく美味しいよ!」
「クロって、チョコレート好きだよな?」
「うん。チョコレートは凄く美味しいね! 甘くてとろけて……」
「あはは、じゃあ、今度チョコレートファウンテンでも食べに行く?」
「チョコレートファウンテン?」

 クロはこっちの世界に来てもベビーカステラを毎日食べているが、最近はそれに加えチョコレートも気に入ってるみたいで、頻繁にチョコレート入りベビーカステラを食べている。
 チョコレート自体は、クロの居た世界にも過去の勇者役から伝わっていたが……クロ曰く、こっちのチョコレートは一段と美味しいらしい。

「チョコレートファウンテンってのは……え~と、チョコレートの滝? みたいなのに色んな果物とかを漬けて食べる感じかな?」
「ちょ、ちょちょ、チョコレートの滝!? この世界ではチョコレートが湧いて出てくるの!?」
「あ、いや、そうじゃ無くて……それっぽい感じかな? まぁ、見てからのお楽しみだ」
「ふへぇ~この世界は本当に凄いね。特に食べ物、スーパーだったっけ? お菓子がいっぱい並んでるのはビックリしたよ」

 クロのテンションは非常に高く、コロコロと表情を変えながら話す。
 握った手から感じる温もりと、楽しそうにしているクロ……幸せってこう言う事だろうな、何て少し臭い事を考えつつ、俺は手に持っていたクレープをクロに差し出す。

「ほら、こっちも食べたかったんだろ?」
「え? いいの?」
「うん」
「ありがとう、カイトくん。じゃあ一口だけもらうね」
「ああ」
「あ~ん、はむっ」

 クロは花が咲く様な笑顔を浮かべて、俺が手に持ったクレープを一口食べる。
 そしてお返しにと自分のクレープを差し出してきたので、俺も一口それを食べさせてもらう。

 穏やかに流れる時間を感じながら、クロと一緒に街を回り、あちこちで食べ歩きを行った。


























「うぅ……ちょっと、食べすぎたか……」
「あはは、大丈夫? カイトくん」

 食べ歩きを終えて家に戻って来て、アインさんが用意してくれていた美味しい夕食を食べ終えたが……食べ歩きの分も合わさって、食べ過ぎで軽くダウンしていた。
 クロはそんな俺の頭を膝の上に乗せて、優しく撫でながら苦笑する。

「う~ん。多少は慣れたとはいえ、この体勢はやっぱ恥ずかしいな……」
「そう? ボクはカイトくん膝枕するの、好きだよ」
「そうなの?」

 ソファーでクロに膝枕をされている形……今まで何度もこの体勢になった覚えがあるが、やはり未だに気恥ずかしさはある。
 そんな俺に穏やかな表情で微笑みながら、クロは優しい声で話しかけてくる。

「カイトくんの温もりを感じて撫でれる……カイトくんが傍にいるんだって実感できるから、凄く、幸せだよ」
「……クロ」
「……カイトくん。大好きだよ。これからも、ボクと一緒にいてね」
「……あぁ」

 時に子供の様に無邪気で、時に聖母の様に穏やかな……誰よりも愛しい相手。
 そっと視線を動かすと、リビングに飾られた写真立てが目に付く。

 小さな教会を背景に、純白のドレスに身を包み、幸せそうに笑うクロと隣に立つ俺。
 クロの左手に輝く指輪は、幸福な日々の象徴……

 騒がしくも楽しくて、大変でも幸せで……クロと並んで歩いていく未来は、これから先も幸せに満ちていると……当り前の様に確信出来た。



















閑話でシリアス先輩が息してた? 成程、死ね。

てか、快人、爆ぜろ!
マイホーム・マイカー持ち、家事万能メイド付き、見た目美少女の年上の妻……勝ち組……完全なる勝ち組。

100万PVのお礼として書いていた筈が、書き上げた頃には400万PVだった……
番外編は通常の更新に追加で掲載するので、次の番外編は数話後かと……
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ