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謎の手紙⑤



 ロゼさんとお茶を飲みながら話をしていて、話題は現在いる六王ダンジョンについての話になった。


「ロゼさんはこのダンジョンを管理してるんですよね?」

(そうだよ~ロゼはねぇ、ダンジョンマスターなの! えっへん!)

「凄いんですね。それで、俺はさわりしか聞いたことが無いんですけど、各階に六王のコピーゴーレムが居るんでしたっけ?」

(えへへ、うん。そうだよ~。最初は六王様の姿を真似たゴーレムだったけど、後になってクロム様やシャルティア様がデザインしなおしたんだよ。だからね、だからね。能力は昔の六王様を模したものだけど、見た目とかは結構違うよ~)

「あっ、そうなんですね。へぇ、ちょっと見てみたいですね」


 言われてみれば、完全再現するとマグナウェルさんとかどうすればいいのかという話だし、ある程度見た目とかを変えているのは納得できる。

 ただ、クロとアリスが調整したのか……果たしてどんな風な感じになっているのか、ちょっと見てみたい気持ちがある。


(カイトくん見たいの? いいよ~。ダンジョン見に行く? 行っちゃう?)

「いいんですか?」

(うん。いまは挑戦者もいないみたいだし、大丈夫だよ。ロゼが一緒なら安心安全、ゆっくり見れるよ~)

「それは頼りになりますね。興味があったので、ロゼさんさえよければ是非」

(任せて~。ゴーレムだけここに呼んでもいいけど、せっかくだし一緒に見に行こ~!)


 六王ダンジョンをロゼさんが案内してくれるということで、ロゼさんはピョンと跳ねて再び俺の肩に乗った。俺も飲んでいた紅茶を飲み干して立ち上がり、一度ロゼさんを乗せたまま塔の外に出た。

 その後でどうするんだろうと思っていると、不意に目の前の地面が脈打ち、そこから扉が出現した。


(最初は地下一階からがいいかな? メギド様のゴーレムが居る場所だよ~。あっ、カイトくん、暑いの平気? 苦手なら、部屋の温度も下げるよ?)

「シロさんの祝福があるので、大丈夫です。室内の温度が高いんですか?」

(うん。『2000度』ぐらいだよ~)


 そりゃまた、激烈に高いな大体マグマとかぐらいか……それだけで脱落しそうなものだが、そもそもその程度の温度に耐えられないようでは、挑戦する資格も無いということかな?

 俺はシロさんの祝福があるので安心ではあるが、それでも2000度の部屋に移動するというのはちょっとおっかなびっくりではある。

 とりあえず、扉を開いて熱くないか確かめつつ中に入ると……そこは、なんというか地獄のような光景だった。


 あちこちに噴火している火山があり、溶岩が流れている。ともかくあちらもこちらも赤い炎に包まれた場所であり、本当に暑そうだ。

 ただ、やはりシロさんの祝福は大したもので、まったく問題なく行動できている。


「凄い部屋ですね」

(メギド様を模したゴーレムの名前は、『焼き尽す獣ヴォルガニックビースト』っていうの~。だから、それに合わせた部屋にしてるんだよ~)

「部屋もロゼさんが作ったんですか?」

(そうだよ~ロゼが全部作ったよ)

「ロゼさんはいろいろなことができるんですね、本当に凄いです」

(えへへ、カイトくんが褒めてくれて嬉しい! あっ、ゴーレム呼ぶね)


 ロゼさんがそう言うと、ひと際大きな火山が噴火し、火柱の中から巨大な影が飛び出し、俺たちの前方に着地した。

 メギドさんの姿をもっと魔獣よりにして四足歩行にしたような赤い体毛が特徴の魔獣で、もうパッと見ただけで滅茶苦茶強そうというか、ラスボスみたいな風貌をしている。


「……凄い迫力ですね。これが、メギドさんを模したゴーレム……というか、言われないとゴーレムって分かりませんね」

(クロム様とシャルティア様の技術は凄いから、生物と変わらない見た目に作れるんだよ~。この焼き尽す獣ヴォルガニックビーストは、とにかくパワーとスピードが凄いの! 特殊な攻撃はしないけど、炎を纏った凄い破壊力の攻撃で、相手を正面から粉砕するの!)

「あ~なんかそういうところもメギドさんっぽいですね。地下一階ってことは、このゴーレムだけが挑戦者と戦ってるって感じですかね?」


 六王ダンジョンに関しては、いまだ地下一階すら突破者は居ないと聞いたし、この焼き尽す獣ヴォルガニックビーストが挑戦者を全て粉砕しているのだろう。


(ううん。地下一階から地下四階までの順番は、時々変えてるから、その時によって誰が地下一階かは違うんだよ~。地下五階のシャルティア様のゴーレムと、一番最後の地下六階のクロム様とアインお姉ちゃんのゴーレムは固定だよ)

「ああ、ローテーションしてるんですね……あれ? でも、クロだけじゃなくアリスのゴーレムも固定なんですね」

(シャルティア様のゴーレムは、シャルティア様がいろいろ改造して、他のゴーレムよりだいぶ強いから固定にしてるの~)


 なるほど、ある程度強さが同じメギドさん、マグナウェルさん、リリウッドさん、アイシスさんのゴーレムはローテーション配置されている。

 つまり4体のゴーレムは挑戦者との戦闘経験があるわけか……メギドさん以外のゴーレムもどんな風になっているのか、見るのが楽しみだ。





ドクターM「つまり、この世界のあらゆる出来事は愛しい我が子に繋がっていて……我が子をA、世界をBとすると……つまるところ、愛しい我が子の可愛さは……」

シリアス先輩(いい加減限界)「……(誰でもいいから助けて、マジで……話し終わらない)」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 六王達のゴーレムがボスならカイちゃんのゴーレムを作ってラスボスにしよう! カイちゃんは実質六王を従えてるみたいなものだしね()
[一言] シリアス先輩を今度はドロドロになるまで甘やかしてみたい
[良い点] ロゼがかわいい メギドさんのイメージゴーレムは想像しやすいなぁ。 [一言] あとがき総数1万5千字オーバーのドクターMのお話がそんなすぐに終わるとでも・・・?
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