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謎の手紙②



 さて、それでは順にヒントを調べて行ってみよう。まず最初にテンペストドラゴンの生息地について……この本によると、テンペストドラゴンは魔界全域で確認されているが、人界には存在しないとのことだ。

 つまり、ヒント1は魔界……たぶん、手紙の差出人が居る場所についてだろう。


 そしてヒント2は「四方ではない」というもので、挟まっていた本は魔界の地理について書かれている本だった。おそらく四方というのは魔界の東西南北を示していて、四方ではないということは魔界の中央部ということになる。

 ただ、広大な魔界の中央部はかなり広いので、これだけで場所を絞るのは難しい。


 次のヒントが空ではなく地……本は、陸上の魔物についての本。コレは単純に空ではなく大地に住む存在と考えるべきか……あるいは山などに住んでいるのではないという意味合いかもしれない。

 そしてヒント4が森ではなく荒野……魔界の中心部には、ユグフレシスに近い場所にある大森林が存在しているが、それこではないという意味だろう。大森林は魔界中央部の半分近いサイズなので、それなりに絞られてきたと考えていい。


 そしてヒント5が上ではなく下……本は「階段」というタイトルの小説だった。つまり上に登っていくのではなく、下……地下に住んでいる相手というわけだろうか?

 そしてヒント6の左右ではなく後ろ……本は、いろいろな建物が載っているものだった。う~ん、このヒントはよく分からないな……現地に行けば分かるのだろうか? とりあえず、次のヒントに行こう。


 次が赤でも白でもない……本はワインの本? おや? これは……つまり、そういうことか? 赤ワインでも、白ワインでもない。つまりロゼワイン……ロゼという名前は聞き覚えがある。

 魔界の中心部にある禁忌の地に存在するダンジョンを守護するクロの家族のひとりで、特殊なスライムという話だったはずだ。


 これは一気に話が見えてきた。あの手紙はロゼさんが出したもので、おそらく家族から俺の話を聞いて会いたくなったという意味合いだろう。そして、アリスたちから聞いた話では、ロゼさんは話したりすることができない。

 アリスが口にした「頑張って書いた」という言葉から、なんらかの参考資料などを見ながら手紙を書いたのだろう。だから、ところどころ文章がおかしかったわけだ。


 となると、ヒント8の扉を開くカギは従者が持つ……本はメイド学についてのもの、これが指し示すのはアインさんで間違いないだろう。

 そして、ヒント9の従者の居る場所と差出人の場所は別……ロゼさんの居る場所に入るためには鍵が必要で、その鍵はアインさんが所持している。それを受け取ってから、禁忌の地にあるダンジョンに向かえばいいと、そういうわけか……。


 疑問が解けてスッキリした。とりあえず、ヒント10に書いてあった通り、なにか甘いものを用意して尋ねてみることにしよう。










 クロの居城に行き、アインさんを探すとすぐ見つけることができた。


「これは、カイト様。ようこそ、先日のメイドオリンピアではお世話になりました」

「あ、いえ、楽しかったです」

「それで、本日はどうされましたか?」

「ええ、実はこういう手紙が届いて……」


 アインさんにロゼさんから届いたであろう手紙を見せて、ことの経緯を説明すると、アインさんは納得した様子で頷いた。


「なるほど、確かにあの子がカイト様に興味を持つのも必然ですね。事情は分かりました。それではこちらをお持ちください」

「これは……魔水晶ですか?」

「はい。そちらを禁忌の地にあるダンジョンの入り口となっている門……その裏手の魔法陣にかざすと、ロゼの居る場所に転移することができます」


 ああ、なるほど左右ではなく後ろってのは、ダンジョンの入り口の後ろって意味だったのか……。


「わかりました。ありがとうございます。ちなみにロゼさんってどんな方なんですか?」

「カイト様の知る私たちの家族の中で言えば……ラズリアが性格的に一番近いですかね。無邪気で明るい子ですよ。喋ることはできないので、動き回って感情を表現します」


 それはそれでかなり可愛い気がする。う~ん、会うのが楽しみになってきた。スライムって話だけど、特別なスライムっぽいし、通常のスライムとはまた違うのだろうか? その辺りも含めて、早く会って確認してみたいものである。




【シリアス先輩解凍中】

???「よし、もうすぐ解凍できそうですね。じゃ……あと任せました」

ドクターM「任せて! 愛しい我が子は万病に効くから、大丈夫だよ!!」

シリアス先輩(解凍中)「!?!?」

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― 新着の感想 ―
まさかのリンかと予想してたけどロゼか
[一言] アインさんならカイトが来た時点で出迎えてくれるイメージ
[一言] さすが魔物使いカイト…
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