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星空のキャンプ①

執筆時間が取れずに今日は少し短めです。



 ある日の昼下がり、俺は一冊の本を読んでいた。この本はアイシスさんに勧められたもので、ある一組の夫婦を題材とした旅日記のような物語になっており、魔界の各地を旅する話だった。

 大きな山場などは少ないが、風景描写や料理描写がとてもリアルで、これを読むとなんか旅行がしたいなぁとそういう気分になるいい本だ。


 ……旅行か……そういえば、アイシスさんと旅行って行ったことが無い気がする。アイシスさん自体が死の魔力の影響もあって行動範囲が限られるので、大抵アイシスさんの家に遊びに行くかこちらに来るかといった感じだ。

 遊びに行くときも日帰りであり、旅行というのはしたことが無い気がする。


 別に無理に観光地に行く必要はないよな。収納式のコテージも持ってるんだから、それこそキャンプのような感覚で出かけることも出来る。

 この本に出てくるような自然豊かな場所で、アイシスさんとのんびり過ごせたらそれはとても楽しそうである。


 結構いい考えと思うんだけど……アイシスさん的にはどうだろうか? ちょっと、本を返しに行った時についでに聞いてみよう。







 読み終わった本を返しにアイシスさんの城に来て、アイシスさんと一緒にお茶をしながら互いに本の感想を話す。


「いい本でしたね。読んでいると旅行がしたくなってくるというか……」

「……うん……風景描写とか……凄く丁寧で……綺麗な文章だった」


 本の話は盛り上がり、雰囲気的にはかなりいい感じだ。話を切り出すならこのタイミングがいいのではないかとそう思い、考えていた旅行について提案してみることにした。


「……それで、アイシスさん。ちょっと、相談なんですが……」

「……うん?」

「アイシスさんさえよければ、俺と一緒に旅行に行きませんか?」

「……旅行? ……カイトと……ふたりで?」

「はい。観光地とかに行くんじゃなくて、どこか自然豊かな場所でキャンプみたいな感じで……いや、この本を見ていたら旅行に行ってみたくなったんですが、アイシスさんと旅行したことは無かったなぁと……そんな感じに……思ったわけでして……」


 なんか、話してる途中でだんだん緊張してきた。だって、当たり前ではあるが、この誘いは泊りがけでどこかに行きましょうという誘いなので、それを意識すると急に恥ずかしくなる。

 チラリとアイシスさんの方に視線を向けて反応を伺うと、アイシスさんはパァッと花が咲くような明るい笑顔を浮かべる。


「……カイトと旅行……行きたい!」

「決まりですね。じゃあ、行先とか相談しましょう。俺も何か所か調べてきましたが、魔界とかだとアイシスさんの方が詳しいですし……いっそどこか本に出てきた場所に行くのもいいかもしれませんね」

「……うん……そういえば……この本でもキャンプしてた……詳しい場所は書かれて無いけど……前後の描写的に……魔界の西部」

「ふむ、それなら魔界の西部に絞って場所を考えてみますか?」

「……うん……参考になるような本を……持ってくるね」


 アイシスさんは傍目に見ても、ウキウキとした気持ちが伝わってくるような感じで、魔界の西部に関していろいろ書かれている本を取りに行った。

 喜んでもらえたようでよかった。実際思い付きながらいい考えだと思うし、釣り用具とかも前に買ったものがあるので川とかがあれば釣りもできる。

 いっそキャンプ用品のようなものを買って、本格的にキャンプっぽい感じにしてみるのもいいかもしれない。まぁ、その辺はアイシスさんと相談しながら決めよう。


 うん。俺もかなり楽しみになってきてる。早くいろいろ相談したいなぁと、ソワソワした気持ちが止まらない。





シリアス先輩「う、うわあぁぁぁぁぁぁぁ!? そ、そんな、ア、アイシス……だとぉ……あぁぁぁぁ(絶望)」

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― 新着の感想 ―
[一言] アイシスは間違いなく死の魔王だ…(先輩視点)
[一言] 久々のアイシスさんのターン
[良い点] いいね、新婚旅行(違
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