表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした  作者: 灯台


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1320/2619

閑話・建国祭の異世界人



 建国記念祭で賑わうシンフォニア王国首都。その通りのひとつを歩く三つの人影があった。三雲商会の会長である茜と護衛兼メイドのフラウ、そして友好都市ヒカリにて定食屋を営む香織だった。


「う~ん、凄いね。勇者祭とはまた雰囲気が違うかも。勇者祭の年には建国記念祭は無かったし、その後はあちこち旅しててタイミングが合わなかったから、シンフォニア王国の建国記念祭は初めてだよ」

「ほぅ、シンフォニア王国のはちゅうことは、他は行ったことあるんか?」

「アルクレシア帝国の帝国祭には行ったことがあるよ。現皇帝のクリスさんにはいろいろお世話になってて、その関係だね」

「おやおや、香織も意外と隅に置けんな。大物とコネ持っとるとは、いつか快人みたいになるんちゃうか?」

「ならないし、なりたくもないよ。絶対途中で胃に穴が開くって……」


 楽し気に笑いながら話す茜に対し、香織は苦笑しつつ返す。


「けど、茜さんが連れてきてくれなきゃあんま来る機会は無かったかなぁ。転移費用って高いしね」

「あ~せやな。ウチは自前の転移魔法が使えるからアレやけど、普通は友好都市からシンフォニア王都やとええ値段するな。飛竜便とかやと時間かかり過ぎるしな」

「そうなんだよね~だから、今年は茜さんと仲良くなれてラッキーだったよ」


 今回香織が建国祭に来ているのは、茜に誘われて一緒に来たからであり、快人を通じて知り合って以降ふたりは同郷ということもあって親しくしていた。

 そんなふたりの会話に、フラウがそっと口をはさむ。


「……カオリ様。会長と仲良くするのはよいですが、ご注意を……行き遅れてますよ、この方」

「うえっ!?」

「おいこら、フラウ! 誰が行き遅れじゃ! ウチはほら、あれや……仕事が恋人やからな」

「会長、熱があるのではありませんか? 仕事は生物ではありませんよ」

「……そこに真面目に反応するなや!? 比喩や比喩!!」


 ある意味ではいつも通りといえる漫才のような茜とフラウのやり取りをみて、クスクスと笑っていた香織だったが、ふとなにかを思い付いたように口を開いた。


「そういえば、茜さん。快人くんがお店やってるって言ってたよね?」

「あ~せやね。ウチのところにも連絡来たわ。ベビーカステラ売ってるらしいな。面白そうやから、ちょお見に行ってみるか?」

「賛成。あっ、けど快人くんの店となると、またとんでもないことになって大行列とかできてるんじゃない?」

「う~ん、どうやろ? いうて、出店で捌ける数には限界があるわけやし、ベビーカステラの屋台なんてそれこそ山ほどあるんやから、わざわざ並んだりはせんやろ」

「そっか~凄い大物が店番やってたりして?」

「それやったら騒ぎになるかもしれへんけど、快人の性格上有名人使うて客引きなんてせんやろしな」


 茜の推測通り、快人の店はそこまで繁盛しているというわけでは無い。徐々に物凄く美味しいベビーカステラという口コミは広がりつつあるが、その辺はアリスが上手く情報を操作しているので行列が出来たりする程で店に人が押しかけたりはしていない。

 大物という意味では、アリスが居るが……ふたりはアリスの着ぐるみに関しては知らないので、変な着ぐるみがマスコットをしていても、快人の趣味としか思わないだろう……快人にとっては遺憾な感想ではあるが。


「茜さんはお店とか出したりしないの?」

「う~ん、ウチは的屋とちゃうしな。出店って形態に慣れてるわけでもないし、利益だそう思うたらハードルが高いわな。快人みたく雰囲気を楽しんだりって形で出すにしても……やっぱり、やるとなったら商売人の血が騒いで利益追求しそうやから、気軽にはやれへんな」

「ふむふむ、もし仮にやるとしたら、なんの出店をする?」

「たこ焼き……って言いたいところやけど、ここは布教も兼ねてお好み焼きの出店にしたいな。たこ焼きはまだある程度、出店も見かけるけど、お好みはマジであらへんからな」

「そういえば、お好み焼きの屋台ってあんま見ないよね。私も結構好きなんだけどなぁ……焼きそばなのかな? 生地の下の麺も美味しくて……」


 お好み焼きについて楽し気に語っていた香織の言葉……そこのある部分を聞いて、茜の眉がピクリと動いた。


「……ちょい待ち、香織」

「うん?」

「香織が言うてんのが、広島風お好み焼きのことなんか、それともモダン焼きのことなんか?」

「そのふたつって、同じじゃないの?」

「同じ……やと? ……どうやら香織には、お好み焼きのなんたるかを語って聞かせなあかんみたいやな」

「……大変だよ。これ、確実に変な地雷踏んじゃったよ……フラウさん、助けて」

「覚悟してください、カオリ様。そうなった、会長の話は長いですよ」

「うえぇぇぇぇ……」


 香織が己の失言を悟った時にはもう遅く、ヒートアップした茜からお好み焼きについて熱く説明されることになり、快人の店を訪れるのが遅れたのは言うまでもない。




シリアス先輩「ちなみに、広島風お好み焼きとモダン焼きの違いは、主に焼き方だ。広島風お好み焼きは具材を重ねながら焼いていく。モダン焼きは関西風お好み焼きと同じように具材を混ぜてやいてから麺を入れて卵でとじる。見た目では見分けは付きにくいけど、焼く前に具材を混ぜるかどうかというのが違いと覚えておくといい」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
広島風を好み焼きと関西風お好み焼きではキャベツの切り方と焼き方、使う量も大幅に違う、関西人が「あれはキャベツ焼きや」と言う所以である、実際にはキャベツは蒸し焼きされてるんだが。あと、生地の量も全く違う…
[一言] シリアス先輩なんとなく早口で言ってそう
[一言] 生粋の逆キャラパイセンの解説いいね。 お好み焼きはどっちも好きだよ。 でも焼きそばの気分の時は広島焼きが好き。
2022/10/26 00:37 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ