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お茶会で深まる絆⑤



 リリウッドさんとお茶を飲みながらの会話をしていて、ふといままで気になっていたことを聞いてみることにした。


「そういえば、リリウッドさんもそうですけど、六王は全員以前は一緒に住んでたんですよね?」

『ええ、現在は禁忌の地と呼ばれている魔界の中央に住んでいました』

「さわり程度は聞いたんですけど、あんまりその時の話をよく知らないので……ちょっと興味があるなぁと」


 たびたびその話を耳にする機会はあったが、あんまり詳しく聞いたことが無いのでちょっと……いやかなり興味がある。

 実はアリスにも以前聞いたことがあるのだが、そもそもアリスは六王の中では一番最後にクロの家族に加わったため、他の六王と比べてそれほど長く一緒に住んでいたわけではないらしい。

 なのでアリスがこの世界に来る以前のことはあまり知らないし、当時は興味が無かったので聞くこともなかったと言っていた。


『そうですね。そもそも、なぜ魔界の中央が禁忌の地と呼ばれているかは知っていますか?』

「たしか、六王たちが訓練とかに使ってたせいで、残留魔力が物凄くて危険な場所だから……でしたっけ?」

『ええ、それも理由のひとつです。ですが、実は私たちがあの場所に住んでいた頃にも、あの場所は禁忌の地と呼ばれていたのですよ。その理由は我らの長であったクロムエイナの存在ですね』

「クロの?」


 どこか懐かしむような表情で説明を始めたリリウッドさんの言葉を聞いて首を傾げると、リリウッドさんは一度頷いてから説明を続けてくれる。


『当時、六王という呼び名も爵位級という制度も無かった魔界において、クロムエイナはこう呼ばれていました《魔界最強》と……当時の闘争が溢れていた魔界においても、完全に別格の存在として認識されていました。当時の魔界を知る者であれば、皆が知っているほどに有名な二つ名です』

「そ、そんなに凄かったんですか? クロ曰く、そのころはあまり魔界の在り方に介入する気は起きなかったと言ってましたが……」

『ええ、実際クロムエイナは権力争いに興味はありませんでしたし、参加もしていませんでした。頼まれれば戦いの仲裁をしていたりはしましたが、積極的にその力を振るったりということはなかったですね』


 当時の……シロさんと戦う前のクロは、魔界の在り方を見守る感じだったと本人も言っていた。まぁ、そうじゃなくても、覇権争いに興味はなさそうだが……。


『ともあれ、そんなクロムエイナが住んでいたので、魔界の中央は一種の不可侵領域のような場所だったんですよ。そこで私たちが暮らしていたわけですが、もちろん最初から全員居たというわけではありません』

「ですよね。たしか、一番初めはアインさんでしたっけ?」

『ええ、最初はアインとクロムエイナがふたりで住んでいたと聞きます。正しくは、幼かったアインをクロムエイナが育てていたという形ですね。そして、次に加わったのがメギドと聞いています』

「あっ、二番目ってメギドさんなんですね。それはちょっと意外かもしれません」


 勝手なイメージではあったが、メギドさんはもっと後に加わったのかと思っていた。マグナウェルさんとかの方が先のイメージがあったが……。


『まぁ、アインからメギドまではそれなりに期間が空いていたみたいですけど、メギドから先はそこまで大きな差はないらしいです。ちなみにメギドの次にクロムエイナの元に来たのはアイシスです』

「そうなんですね。じゃあ、アイシスさんの方がリリウッドさんより先だったんですね」

『ええ……ただ、これは少し微妙なところでもあります。実は私、というか私の本体である世界樹はメギドが来るより前から、クロムエイナとアインの家の近くに生えていたんですよ。ただその世界樹の中で私という自我が生まれて確立したのは、アイシスがクロムエイナの元に着たあとというわけです』

「あ~たしかに、それはどっちが先かこんがらがりますね」


 世界樹の樹齢で考えるならアイシスさんより年上で、リリウッドさんという精霊が生まれた時からの計算だと年下となるわけか……。

 まぁ、アイシスさんやリリウッドさんぐらい膨大な年月を生きていると、あまり年上だとか年下だとかに拘りはない感じはする。


『アイシスの次に私が加わり、その後がマグナウェル……そして、メギドがオズマを連れてきて、クロムエイナがツヴァイを作りだした辺りで、シャルティアが加わり現在の六王が全員そろった形ですね』

「なんだか賑やかそうな感じですね」

『ええ、実際かなり賑やかで楽しかったですね。よく喧嘩するメギドとシャルティアを呆れながら眺めていたのも、いまとなっては懐かしいです』


 そのままリリウッドさんは、その当時の話をいくつか教えてくれた。なんというか、どれも楽しそうな感じで、いまも昔も六王同士の仲の良さが伝わってくるようだった。

 そして、そのままの流れで……話はリリウッドさんが、クロの元を巣立った後に移り変わっていった。





シリアス先輩「実は、勇者パーティで下から二番目のラグナ。実は、六王で最年少のマグナウェル。実は、戦王五将で下から二番目のバッカス……年寄りくさい喋り方をするやつに限って意外とコミュニティ内で若いという法則……」

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― 新着の感想 ―
[一言] シロがこの世界を作ったのが、マキナに作ってみたらどうか?と言われたからで、この世界で誕生させたのがクロ。 マキナが神になったきっかけがアリスとの邂逅で、アリスはマキナからすれば神話の時代から…
[一言] もしかして「終わりの神が謳う愛⑦」でシロさんの言ってた順番そのままでは?
[良い点] おっと、この雰囲気はもしやシリアス……? いや、ないか
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