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界王からの招待状②



 しばし、ハーモニックシンフォニーについての話題で盛り上がっていたが、ある程度話したあとは俺が受け取った招待状についての話に移行した。


「あくまで聞いた話ではありますが、ハーモニックシンフォニーで普段なかなか集まることのない幹部が集合するので、親睦を深める意味でハーモニックシンフォニーのあとで界王配下と特別に招待された者のみで行われるお茶会があると聞きます」

「……実際にありますよ。最長老は毎回エルフ族の代表として招待を受けているらしいです」

「あ~フォルスさんは、リリウッドさんの陣営ともかかわりが深いですしね」


 リリアさんの説明に付け加えたジークさんの言葉は、凄く納得がいくものだった。たしかにフォルスさんなら招待されていても不思議ではないだろう。


「ええ、ただ最長老はリグフォレシアから他のエルフ族が招待された時にのみ一緒に参加して、そうでない場合は不参加みたいです」

「なんかしらの事情があるんですかね?」

「いえ、おそらく……ひとりでは会場に辿り着けないからだと……」

「あぁ……」


 そう言えば、リグフォレシア付近の転送ゲートに辿り着くだけで数日迷うレベルの方向音痴だった。


「私が生まれる前の話ですが、母も一度参加したことがあるらしいです」

「フィアさんが?」

「ええ、優秀な精霊魔導士としてレジーナさんと共に招待を受けたと言ってましたね」

「レジーナさん?」

「えっと、いまエルフ族の筆頭精霊魔導士を務めている方で、カイトさんが優勝した収穫祭で準優勝だった人です」

「あぁ……」


 思い出した。宝樹祭の夜の祭りで、なぜかいきなり弟子にしてくださいとかそんなこと言ってきたエルフ族の人だ。

 そっか、あの人が筆頭精霊魔導士だったのか……。


「母から聞いた話だと、貴族の主催する茶会のようなイメージではなく、各々が紅茶や菓子を持ち寄ってワイワイと親睦を深めるような感じだったみたいです。もちろん、規模はかなり大きいですが、あまり堅苦しいものではないみたいですよ」

「なるほど、それは俺としてはありがたいですね」


 ジークさんの話を聞きながらリリウッドさんからの手紙に目を通すと、なるほどたしかに紅茶や菓子の持ち込みは自由であるという旨が書かれていた。

 持ち込みできるなら、ネピュラの作った茶葉で淹れた紅茶を持っていくことにしよう。生憎俺には100点の紅茶を淹れる技術は無いので、事前にイルネスさんに淹れてもらったものをポットごとマジックボックスに入れて持っていく形かな。


 そういえば、ジュティアさんも相当な紅茶好きって話だったし、アインさんのように茶葉を欲しがる可能性がある。

 ジークさんの件も含めジュティアさんにはお礼をしようと思っていたし、もし欲しがったら渡せるようにネピュラに一缶程茶葉を用意してもらえないか聞いてみよう。


 そんなことを考えていると、不意にルナさんがなにか思いついたように軽く手を叩く。


「クスノキ様やユズキ様も興味があるみたいですし、お嬢様もその辺りのスケジュールには余裕があるので、せっかくですしハーモニックシンフォニーに皆で行ってみるというのはどうですか?」

「あっ、いいですね! 楽しそう!」

「私や陽菜ちゃんは、ユグフレシス自体にもいったことが無いので、楽しみですね」


 ルナさんの提案を聞き、陽菜ちゃんと葵ちゃんも乗り気な返事をする。たしかに、それはいい案だと思う。俺もハーモニックシンフォニーの方にも興味があったし、皆で参加できるなら楽しそうだ。


「たしかに、私もいずれ一度は参加してみたいと思っていましたし……いい機会かもしれませんね」


 リリアさんがそう告げたことで、ハーモニックシンフォニーへの参加はほぼ決定ということになった。お茶会はハーモニックシンフォニーが終わってからなので、日程が被ることも無いので安心だ。


「私もエルフ族として、七姫の方々には憧れがあるので……せっかくですし、お話できたら嬉しいですね」

「気持ちは分かりますがジーク、都市ひとつというとても広い会場の中で、お忙しい七姫の方々と話すなんて、仮に会えたとしても不可……あっ、いえ、違いますね。なんとでもなりそうですね」


 ジュティアさんの時もそうだったが、ジークさんは七姫の人たちに憧れがあるみたいで、まだ会ってない七姫にも会えるかもしれないと楽しそうな表情を浮かべていた。

 そして、それをやんわりと諭そうとしたリリアさんは、途中でチラリと俺の方に視線を向け、どこか呆れたような顔で前言を撤回した……解せぬ。


 まぁ、俺としても恋人であるジークさんの願いは叶えてあげたいので、大丈夫そうか確認を……というか、俺。七姫の人全員ハミングバードに登録しているので、連絡を取ろうと思えばいつでも行けるよな?

 ……うん、リリアさんの言う通り仮にハーモニックシンフォニーで忙しくて会えなかったとしても、その気になればどうとでもなりそうである。





シリアス先輩「……仮にアポ取ってなかったとしても、会場で偶然遭遇するであろうという謎の信頼感があるな」

???「するでしょうね。なんなら、たまたま会場に来ていた他の六王幹部とかと遭遇する可能性も余裕でありますね」

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― 新着の感想 ―
[一言] 六王幹部の一人と自然遭遇することがなんだ? いつも六王の一人と一緒にいるじゃないか って、思ってしまったのは多分末期
[良い点] 広い会場で七姫と会うなんてこと…カイト君の隣にいれば簡単に達成できそうな課題。 謎の信頼感ですねw
[一言] 七姫以上のものを引き寄せる…それが胃痛クリエイター快人
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